2005年10月号
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「証し」
吉澤恵一郎、香
二〇〇四年六月、牧野先生から「英国での邦人伝道の働き人を求めています。直接、お会いしてお話したい。」という電話を受けました。そして、八月の終わりに、わざわざ、岡山までお訪ねくださり、横山先生を通じてなされている、ケンブリッジでの邦人伝道の働きをお話くださいました。それまで、宣教師として英国へ行くということなど考えた事もなく、まさに、晴天の霹靂でした。
当時、キリスト者学生会(KGK)の主事をしていた私は、色々な経験を通じて「自分の召しは学生伝道である。」と受け止め直した時期でもあり、新しい事を始めようという気持ちにはなれませんでした。また、心配していたことは、宣教師として遣わされるには、決して若いとは思えない年齢と、語学力の問題でした。そして、「日本委員会の先生方はきっと、私が、少しくらい英語ができると勘違いをされているに違いない。これは、恥をかく前にお断りしなければ。」ということしか思いつきませんでした。しかし、わざわざ訪ねてくださった牧野先生に、「お祈りして、返事をします。」と言った手前、祈らないわけにもいかず、祈り続けていました。ところが、私の考えとは裏腹に、祈っているうちに、「たとえ、日本委員会の先生方が勘違いしていたとしても、神様は勘違いをされる方ではない。神様は、私が英語ができないことをご存知で、この話を届けられた。」ということが、とても、不思議な事に思えてきました。こんなことは、神様しか思いつかないことではないだろうかと。
そして祈りは、「学生伝道が自分の召し」であることは、KGKの主事を続ける事であると決め込んでいた私に、今、ケンブリッジで行われている、邦人の留学生たちへの宣教も自分の召しであるということを気づかせてくれました。
私は、クリスチャンホームの姿を示し、自分の家庭の姿が証になるような働きをしたいと願い、学生たちを家庭に招いてきました。そして、横山先生の働きも、自分の家庭を開放し青年たちに福音を伝えていくというものです。新しい事を始めるのではなく、自分の召しに忠実に歩むこと、その延長上にOMFの宣教師として、英国の邦人伝道に携わるという導きがあるのだ、ということを神様は示してくださいました。
いよいよ、語学研修のために渡英します。これまで、神様は必要なものは全て与えてくださいました。在英日本人宣教に必要な語学力も、神様が与えてくださると信じて出発します。是非、お祈りください。(恵一郎)
横山先生とはじめてお会いしたのは、今から数年前の教会の祈祷会においてでした。弟がイギリスに一年ほど行くことになり、横山先生にお世話になった事がきっかけでした。
そして昨年、KGKの学生伝道の働きに携わっていた事から、留学生との関わりが多い在英日本人伝道の働きをいたしませんかとのお話をいただきました。英語が決して得手ではない私は、とても驚きました。しかし、導きを求めて祈っていく中で、神様は御言葉をもって押し出してくださいました。また、まさに祈り求めていたそのときに海外で生活する友人から、同国の留学生たちが集まってきて家庭集会を開かざるを得なくなったことを知らされ、イタリアで宣教師をしている友人から、ヨーロッパにいる多くの日本人の魂が餓え乾いている事を伝える国際電話を頂き、この働きがどれほど急務であるかを知る事となりました。神様の召しに感謝し、精一杯お仕えしていきたいと願わされております。
これから一年間は英語学校で学ばせていただき、これからの働きに備える事になります。愛祈(あき)七才・湧喜(ゆうき)五才は、現地校に通います。私たち家族が英国での生活に十分馴染み、その文化を知り、また英語をしっかりと習得していけますようお祈りいただければ幸いです。(香)
【祈りの課題】
1.10月3日から、二人の子どもたち(長女・愛祈ちゃん、長男・湧喜くん)の英国での小学校生活がスタートします。英語がわからない中での生活ですが、新しい環境に慣れることができますように。
2.吉澤師夫妻の語学学校での英語の学びのためにお祈りください。一家が、英国での生活に適応し、言語を体得し、英国の文化を理解していく事ができるように。
「主が召した任務に」
シオンの群中野教会 牧師 石川 學
主が吉澤恵一郎・香夫妻をOMFの宣教師に導いておられることを知らされた時は、感激しました。私共の教会はすでにイタリア、カナダ、シンガポールで邦人伝道・牧会にたずさわる方々を送り出していますが、主は新たに吉澤夫妻を英国での邦人伝道へと導かれたのです。不思議なことにいずれも邦人伝道です。
海外でイエス様への信頼に導かれる人がどんどん増えている今、私共の教会がこうした在留邦人、日系人伝道に関わるようになったのは嬉しいことです。
一.吉澤夫妻の人柄
吉澤夫妻はこれまで学生伝道にたずさわり、中・四国では文字通り東奔西走してきました。私が初めて恵一郎さんにお会いしたのは、青森で、まだ大学生の時でした。すでにその時から外向的で人なつっこい人柄で、元気に活躍していました。
二〇〇四年春に、KGKの中・四国地区春期学校が岡山で開かれたときに、私もお手伝いする機会がありました。その準備段階で御夫妻の家に泊めていただき、香夫人やお子さんたちにもお会いしました。奥様が青森出身と伺い、驚きました。私がそれまで抱いていた東北の人のイメージとは違い、恵一郎さんと同じように明るい性格で、お子さんをのびのびと育てておられたのです。
その印象が強かったので、お二人が宣教師に導かれたと知らされたときにも、適任だと思いました。しかも英国では留学生伝道につかれると聞き、なおさら納得しました。
二.リーダーシップ・スタイル
KGKの春期学校では恵一郎さんの賜物がいかんなく発揮されていました。彼のリーダーシップ・スタイルも学生から十分に喜んで受けとめられているのがわかりました。かつての「俺についてこい」というようなタイプではなく、友好的で温かい人柄で人を信頼する心、愛、そして一人一人の賜物を見きわめる目が、彼独自のリーダーシップをつくりあげてきたのだと思います。ああしろ、こうしろと言わないで、できるだけ、学生の主体性を尊重して、それをしっかりサポートしていたのが印象に残っています。
三.宣教による祝福
聖霊はかつてアンテオケの教会に「バルナバとサウロをわたしのために聖別して、わたしが召した任務につかせなさい」と言われました(使徒十三・二)。教会としては二人の指導者を一度に派遣することになるにもかかわらず、聖霊の導きに従順でした。聖書は、「そこで彼らは、断食と祈りをし、二人の上に手を置いてから、送り出した」と記しています。予想外のことでしたが、すなおに送り出し、それが後の諸教会に大きな励ましとなったのです。
パウロとバルナバは幾多の試練に遭いながらも、異文化宣教へと働きを拡大していきました。そして、二人を派遣した「アンテオケの主の弟子たちは失望どころかかえって歓喜と聖霊とに満たされて」いたのです(使徒十三・五二、塚本虎二訳)。
私共も吉澤夫妻を送り出す母教会として、主に信頼しながら、喜びと聖霊に満たされていきたいと願っています。
☆ ☆ ☆
宣教が多様化してきました。外国でキリスト者になって帰国する同胞が増えています。私共は皆さまと共にこの時代の宣教に関わる特権をかみしめながら、心から吉澤夫妻を推薦し、送り出します。
「主よ、だれが御前に立ちえましょう」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
タマジャリク教会という田舎の教会から招聘を受けミェン教会協議会で承認され、私たち夫婦は第四期二〇〇七年四月からそちらに移ります。この教会で六年間仕えていたナイクワン牧師一家はある国へ移動し、その国のことばを学んでいるところです。その後任として行くので、私たちの役割の一つはこの教会が宣教の教会として成長するように助けることです。ちょうどチェンマイ・ミェン宣教教会がそうだったように。
もう一つの使命は、大きな罪を長く犯していながら未だにミェン教会全体に悔い改めの告白をしていない元教師の影響を防ぐことです。この元教師は奥さんの出身地タマジャリク村に来て家を建てようとしています。この人を教師として受け入れるか否かで、タマジャリク教会が分裂しタイのミェン教会全体に悪影響が及ぶことが心配されます。
まことの悔い改めは悔い改める本人が作り出すことができるものではありません。神様の御霊の主権的な働きかけを受けて悔い改めさせてもらえる、というものではないかと思うのです。宗教改革者ルターは『七つの悔改めの詩篇』を講解して、詩篇一三〇編三節についてこう言います。「この詩は、どんな罪をも罰せずには赦しえない、また赦そうとしない神の厳格な審判[判決]から生じたものである。だから神の裁きを見ない人は、恐れたりはしない。恐れを知らぬ者は[神に]叫ばない。叫ばない人間は恵みを見出さない。」
彼が神と教会の前で恐れて叫ぶように祈ってください。(達朗)
ポケットサイズ(A6版)のミェン賛美歌改訂版がいよいよある国で出版されそうです。お祈り感謝いたします。その国で、原稿を手にしたミェン族の聖書教師から感謝の手紙をミェン語福音ラジオ放送局を通して受け取りました。更に驚きだったのはミェン族と兄弟関係にあるムン族の人がその改訂版賛美歌をムン語に訳して見本として送ってきたことです。「私達ムン語の聖書、賛美歌を一日も早く手にしたいです。誰か助けに来てください!」という思いが伝わってきます。主よ、働き人を送ってくださいと切実に祈ります。(たまみ)
【祈りの課題】
1.7年かかって改訂増補されたミェン語賛美歌の原版CDがある国に入りました。印刷されて多くの人々の手にわたるように祈ってください。その国のミェン族クリスチャンがさらに成長するように。
2.タマジャリク教会と協議会から派遣されたナイクワン師一家は、ある国に住んでその国のことばを学んでいます。二人の小さい男の子も順調に適応していることを感謝してください。夫婦が良く学び、やがてミェン族の地域へ入って行けるように祈ってください。
「信仰の結果」
カンボジア・プノンペン 今村裕三、ひとみ
八月上旬は、OMFカンボジア地区の年会が行われました。昨年より、人数も増えて大人だけで七十人の参加でした。すべての人とゆっくりと交わることは出来ませんでしたが、ペスケット師からのメッセージを中心として交わりが深められたような気がしました。また、OMFカンボジア地区で行われている働きの数々を共に分かち合い、祈り合う時もありました。ペスケット師も言及していましたが、過去の栄光にばかり思いをはせるのではなく、将来、主がOMFを通して現して下さる栄光を待ち望みたいと思いました。そのためにも主との個人的な関係がもっと深められたらと思いました。
開拓教会付属の学生寮での奉仕は、新しい恵みがありました。七月に入門クラスが終わり次のコースの準備をしていましたが、学生たちは偶然、時間に余裕があったので、現地リーダーのもとで学ぶことを始めました。私にとっては肩すかしだったのですが、少し疲れを覚えていましたので、一ヶ月半あまりの期間、祈りと体調の回復にあてることが出来ました。そんな中、そろそろ何か新しい奉仕をと祈り始めた矢先、入門クラスで学んでいた一人の学生が友人と是非、次のステップの学びをしたいと申し出てきました。しかも、学びの時間も今までの夜八時からではなく、夕方からであるという有り難い申し出でした。実は以前、夜九時過ぎに帰宅途中で、銃をもった人たちの争いに遭遇したことがあったので、遅い夜の外出をしなくてもよいようにと祈っていたのでした。しかし、多忙な学生には夜しか学びの時間を持てないという難しい状況でした。主が最善のタイミングで与えて下さったこの機会を通してさらに主と学生に仕えたいと思います。お祈り感謝します。(裕三)
八月号に続いてSさんのことですが、その日も事件がありました。訪問すると夫が昼間なのに家にいます。事情を聞くと上司と喧嘩をし、仕事を辞めてしまったそうです。夫はイライラしているためか?一緒に住んでいる病気のおばさんに汚い言葉を吐きかけます。今や、十五歳のカラオケバーで歌っている親戚の女の子が、家族五人の家計を支えている状態です。訪問の最後にいつも一緒に祈るのですが、Sさんは「夫に仕事が与えられるように祈って欲しい」と言いました。ただでさえ不況のカンボジアです。特に技術も持っていない彼にすぐに仕事が来るのだろうか?等と考えつつ‥‥一緒に祈りました。五日後の日曜日、Sさんは「夫に仕事が与えられた!」と晴れ晴れとした顔で、新しい服で(現金が出来るとすぐに使ってしまうのです)やってきました。私は自分の不信仰を悔い改めました。その後、Sさんの感謝は長続きせず、継続的な礼拝出席には結びついていません。彼女の信仰はまるで子供の様だと感じます。問題が起きるとすぐに神様の元に走ります。そして、神様の力を疑っていません。しかし、根本的な生活の改善や人間関係の悪さは依然として変わりません。彼女の一見成長しない行動にイライラしたことは、何度もありました。しかし、今回「私」が彼女を通して学んだことは、彼女の幼子のように主を信じて祈る態度でした。私は常識に縛られすぎていて、彼女のように信じて祈っているのか?と問われた気がしました。訪問を通して、自分が何かをする事にとらわれすぎず、その場で主が教えて下さることに耳を傾けることが出来るようにお祈り下さい。(ひとみ)
【祈りの課題】
1.10月に半年毎の休暇を取る予定です。よい休息のときとなりますように。裕三師は、歯の治療を受けたりしますので、健康面でも整えられますように。
2.続けて学びをしているダニー姉の信仰の成長のために。仏教や精霊信仰の背景を持っています。聖霊様が助けて下さって聖書が教える神観を明確に理解できるように。
「大洪水!?」
北タイ・チェンマイ 邦人伝道 野尻孝篤師・明子師
四十年ぶり(記録史上初めて)の大洪水がチェンマイの町を襲いました。近くを流れる詩情あふれるピン河の水面が道路よりも高くなり一気に両岸に溢れました。こわかったです。床上六十センチになった家もあります。ちょうど聖日の礼拝前でした。道路は川のようになり交通はストップ。礼拝は中止と決断し、皆に急いで連絡しました。しかし、連絡後も、牧師が何も中止と決断しなくてもこのような時こそ礼拝第一とする心意気を見せるべきではないかと、良心の痛むのを覚えました。が、隣の中国人教会に来られた信者さんの何人かは、帰れなくなり教会に泊まっていました。無理して乗用車で来た車が何台も故障して教会の駐車場に放置されているのを見ると、この決断で良かったのかも、これが危機管理ということ、と思うのですが、気持ちの上では未だに未解決です。
八月第三聖日は私たちの派遣教会からの牧師、信徒、同じグループの大阪、香港からの牧師と、他にもお客様を迎え普段の出席者が六名も休んでいる中、当教会始まって以来の三十八名の礼拝出席者を見ました。いつもこんな人数だったらいいなと思いました。(孝篤)
日本の夏休みとなったせいか、お客様が増え、イスが間に合わなくなる等、うれしい事態になっています。
これまでは聖協団相模原教会から贈って頂いた聖歌を二人で一冊ずつ使っていましたが、先日の森祐理さんの伴奏者のひと言「チェンマイの教会は聖書も何も無いみたい」の報告で日本フリー・メソジスト教団海外宣教局から聖書賛美歌が各二十冊送られ、続けて日本ウィクリフからは新約聖書が贈られ、こちらに滞在の皆さんが異国で自分の言葉で聖書を読むことの幸せをも味わいました。東京フリー・メソジストの諸教会からも段ボール二箱で書籍が送られ、まだ三箱あるとのことです。チェンマイ日本語教会は数ヶ月の内に、砂漠の中に神の言葉の泉が湧き上がったかのように日本語の聖書や貴重な日本語のキリスト教の書物が備えられました、こんなにうれしいことはありません、本当に有難うございました。早速、大きな本箱を買って来て主人が一日がかりで組み立て、本を整備しました。『読む人は育つ人(ジョン・ウエスレー)』と言われます。これらの書物が用いられますように!
教会を会場に毎週日本人会のコーラス部が歌の練習をしていますが、この本棚を見て、お一人の方が子供の本を沢山、ご寄贈くださいました。これらの本も外地ではとても貴重なものです!感謝です。(明子)
【祈りの課題】
1.最近見えられるようになった求道中の方々のために。引退後のご夫婦、老後を一人で過ごされる方々、こちらの大学で学ぶ青年達、ボランティアの方々の救いをお祈りください。
2.洪水後のチェンマイの町の復興のために。またソドム・ゴモラの町のような道徳的退廃からの復興のために。タイ、中国人、山岳民族諸教会の証しと宣教のために。
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