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2005年12月号  page1  page2


「弱く小さい器をも」
ゲリー・クレイトン

晩年のハドソン・テーラー師  暗闇が町を包みこんだ。そして世にも恐ろしい叫び声が聞こえてきました。これ以上ない程に悪魔的な忘れることもできない叫び−「悪魔どもを皆殺しにしろ!」、義和団はこう叫んでいました。その叫びは標的となった者たちの悲鳴、そして今まさに生命を絶たれようとしている者たちのうめき声と交錯し、町中に響きわたったのです。
 「義和団は町中を行き巡り、中国人クリスチャン達を殺害、又は彼らを家の中に閉じ込めたまま家に火を放った。」(ジョージ・アーネスト・モリソン師の記録より。ロンドン・タイムス紙 1900年)当時、ハドソン・テーラーは、度重なる旅行によって疲れきった状態にありました。そのためスイスのダボスという地で療養に入ったのですが、その彼のもとに、次々と電報が舞い込み、この中国での暴動の様子、そして宣教師らが殺害、虐殺されているという知らせが届いたのでした。
 皇帝の命令によるクリスチャンの大虐殺が続く中(一九〇〇年六月、慈嬉太后は「外国の悪魔ら」を一掃せよとの命令を下した)、消耗しきっていたテーラー師は、クリスチャン達が拷問され、銃殺され、撲殺され、刺し殺され、焼き殺され、絞殺され、断頭されていく知らせを受けて激しい衝撃を受けました。
 テーラー師の同労者の一人であったハッティー・ジェーン・ライス師は人々に石を投げつけられ、裸にされ、背骨が折れるまで荷車で引きずられて殉教の死を遂げました。中国人のクリスチャンのチェン・シー・コン兄とリュー・フェン・ジー兄は虐殺され、心臓をえぐりだされました。
 こうして家々も学校も教会も徹底的に破壊され、正義と調和を意味するはずの「義和団」によって、何千人ものクリスチャンは血みどろの乱行の渦に投げ込まれたのです。
 「ああ、考えてごらんなさい。あの残忍な暴徒の代わりに、主の臨在、主のふところ、主の微笑みという喜びを得ることを。」激しく動揺しながらも当時のテーラー師は、そう書き残しています。
 すでに肉体的に弱りきっていた六十八歳のこの指導者は、義和団の乱によるあまりの緊張とストレスに、もはや読むことも、考えることも、祈ることすらもできなくなってしまいました。それでもテーラー師はこう言ったのです。「しかし、信頼することはできる。」
義和団の乱による殉教者達の墓  やがて一万八千人の強力な連合軍が天津から北京へと向かい、動乱を制圧し、秩序は回復されました。
 しかし既にその時には、三万人の中国人カトリック信者、二千人の中国人プロテスタント信者四十七人のカトリック司教と修道女、百三十五人のプロテスタント宣教師と五十三人の子供達の命が、血に狂った暴徒達の手によって取り去られていたのです。これはプロテスタントの宣教史上例を見ない最も激しい動乱でした。
 テーラー師率いるCIM(中国奥地伝道団。OMFの前身)は、五十八人の宣教師と二十一人の子供達を失い、他のどの宣教団よりも大きな被害を受けましたが、彼は取り去られた命に対する中国からの謝罪金を受け取ることを辞退しました。テーラー師は中国人を罰するのではなく、彼らに仕えることを望んだのです。この決断は、中国人の間に宣教師に対する大きな尊敬と好意をもたらし、少なくとも霊的な「配当金」を天にもたらしたのでした。
 体力は極限まで衰え、いつ死期を迎えてもおかしくない状態となったテーラー師は、引退を決意。ケンブリッジ・セブンの中でも抜きん出た存在で、山西省と湖南省のリーダーであったD・E・ホーストにCIM総裁代行の任をゆだねました。
 信頼できる人物に重責を任せたテーラー師はスイスへ引退し、愛する妻ジェニーとの休息を得ました。そのジェニー師は一九〇四年に癌で天に召されました。死の床で彼女は「主は私をゆっくりとやさしく連れて行こうとして下さっているわ。」と言い、さらに穏やかにテーラー師に彼女に痛みはないことを告げた上で、彼にこう頼みました。「主に私を早く連れて行って下さるようお願いして下さい。」
 愛する妻が召された悲しみにかかわらず、テーラー師はなおも前進を続けます。そして一九〇五年二月、七十三歳のテーラー師は、息子のハワードと義理の娘ジェラルディンと共に、再びこれが最後となるであろうことを承知で、十一回目の中国への旅を決行しました。
 一行は四月十七日に上海へ到着。復活祭を揚州で過ごし、鎮江へ向かい、テーラーの最初の妻であるマリアと四人の子供達が眠っている墓を訪れました。


「恵みの時」
カンボジア・プノンペン  今村裕三、ひとみ

ニャックルアン村出身のソッピア兄とともに  十月一日にカルメット教会の洗礼式が行われました。明け方の豪雨が嘘のような晴天のなかでの式でした。枝教会を含めて総勢二十五名。ともに学んだ学生寮の学生も幾人か洗礼を受けることが出来ました。関わらせて頂いた学生は、日々いろいろな問題に直面していますが、それでも主は愛され、導かれることを学びました。私にとっても、どうしようもない者を主は愛してくださり、導いてくださっていることを感謝しました。律法ではなく主の愛によって人々を導いていけますように願わされます。主の恵みに思いをはせた一日でした。ある学生は、洗礼を受けたので、今までの学びはもうしなくてよいと言い放ちました。洗礼式がゴールと思ってしまいがちなところがありますが、これからも学生たちを励ましつつ、ともに御言葉から学んでいきたいと思っています。洗礼を受けた多くのクリスチャンが教会に根付かない現状ですが、根気よく一人一人の魂を愛し、主のもとへと導いていけますようにお祈り下さい。
 お祈り頂いた歯の治療ですが、悪い歯を抜かずに保存して治療することが出来るという見立てでした。カンボジアでの治療の道が開かれそうです。お祈りに感謝して。(裕三)
 首都プノンペンでも時々停電があります。噂では電気の量が足りていないから、意図的に時々止めていると聞いたこともあります。昼間なら冷蔵庫に入れる氷を近所に買いに出かけます。夜はロウソクを点け、近所のカラオケの音も止み、しばしの静寂が訪れます。勉強も仕事も出来ないので手を止め、時間がゆっくりと流れるのを感じることが出来ます。私はこの時間が好きです。私はスケジュールを立てないと、暇な時間をついつい遊んでしまうタイプなので、停電になると「今日はゆっくりしてもいいよ」と神様から特別休暇が突然与えられた気分になります。ある日のこと「また停電だ!今日のは長いな‥‥」とのんびりしていたら、隣の家からテレビの音が聞こえてきます。「あれ?停電はうちだけ?」結果は壁の中の電線を虫が食べてしまい切れてしまったことが原因でした。雨季も終わりが近づき、とうとう家の裏の沼が溢れ、庭にまで水が入ってきました。沼の水が庭の土を底から浸食しているらしく、最近は庭を歩くと、落とし穴のように時々土が崩れて穴にはまってしまいます。洗濯物を干す時は雪の上を歩くようにそろりそろりと歩いています。色々なことがあるカンボジア生活ですが、カラオケの騒音以外は慣れて楽しむことが出来る余裕が出てきました。お祈り感謝しつつ‥‥。(ひとみ)

【祈りの課題】
1.カンボジアの政治のためにお祈り下さい。10月はベトナムとの国境問題でカンボジア国内は政治的に緊張しています。不当な?逮捕者も出ています。
2.日々の言葉の学びのために。語彙を増やし、会話力が向上できますように。来年明けに、第二段階の言葉の試験を受ける予定です。


「異国で新しく生まれる」
北タイ・チェンマイ 邦人伝道 野尻孝篤師・明子師

OMF年会で日本語教会の紹介  洪水注意報の中、夕食に行き、食堂に入るため、隣の病院の駐車場に車を止めようとして右折のウインカーを出していました。チェンマイは車の運転マナーが悪いと怒る日本人が多いのですが、夕方のラッシュ時、乗り合いバスがスーッと止まり、その向こうのオートバイの群も不思議と皆止まりました。なぜだか分らないけれど、とにかく急いで門に入りながら理由が分りました。病院に急いでいる患者を運ぶと考えたタイ人たちが皆、車を止めて私たちを優先してくれたのでした。家内が産気づいているように見えたのかもしれません。食事をするために病院の駐車場を借りたのにまことに申し訳ないと思いましたが、同時にチェンマイのタイ人たちの心やさしさが本当にうれしく身にしみました。
受洗の花束・娘から母へ  教会では、八十一歳になるご婦人が受洗されました。娘さんが近くのエイズ患者施設で働かれるのでご一緒に北海道釧路からチェンマイに来られ、猛暑の中を頑張って来られました。三浦綾子さんの本は殆ど読破しておられます。洗礼式当日には前日から緊張され、お洋服も新調され、誓約にははっきりと「ハイ」と答えられ、式後、教会で用意されたお花を娘さんから手渡され、本当に感激の時でした。
 一年に一度のOMFタイ宣教師全体の集まる年会で、十五年から二十五年ぶりに懐かしい同労の宣教師達と再会しました。髪の毛も白くなり、年齢をも感じさせる方達となっていましたが、やはりすぐ分るお互いの再会でした。天国でも私達はこうやって再会を喜び合うのだろうなと思ったことです。私たちのタイ復帰を知らなくて「なんだ君、来ていたのか!」と言う方々もいましたが、天国ではこういうセリフは言われたくないなと思ったことでした。(孝篤)

【祈りの課題】
1.集会場を大ホールに移動しようとしています。皆さんがゆったりと礼拝が出来るような集会場になりますように! 月々の経費も、担っていけますように。
2.求道中の老若男女の方々が救い主を個人的に見出されますように!受洗のために備えておられるご夫婦のためにお祈りください。


「小さい秋見つけた♪」
フィリピン・ミンダナオ島 マノーボ族伝道 合田希保

弟夫婦結婚の食事会(右から前列2番目が合田師)  ある日、母から「弟の結婚が決まったので、希保も食事会に出席出来ない?」と電話があり、それから、あれよと言う間に一時帰国休暇として認めて頂き、神様は私を日本へ運んで下さった。東京で、弟夫婦を初め親戚・従兄弟の食事会の場に「共にいること」の出来る幸な時を経験させて頂いた。とても嬉しかった。
 休暇なので「どうしたら体が休まるのか?」考え、書き出してみた。温泉、納豆、お豆腐、お煎餅、水餃子、あんこの和菓子、公園を散歩、母教会で日本語の祈祷会・礼拝、紅葉、甥っ子と遊ぶ、美術館など‥‥神様は全ての願いを叶えて下さった。
 ご好意により、クリスチャン医師に健康診断をして頂いた。全てにおいて異常がなかったので、ほっと胸をなでおろすことが出来た。両親とも、紅葉と松茸三昧ツアーに出掛けて「少しは親孝行をすることが出来たかな?」良い思い出になった。
只今パソコン準備中  第二期を始めて七ヶ月間、知らず知らずの間に「突っ走って」しまっていた事を、この休暇の中で探られた様な気がする。あのミンダナオの山奥の中で「どの様に、自分自身を気分転換させたりする事が出来るかな?」と考えながら、公園の落ち葉を眺め、ゆっくり散歩をした。
 嬉しい事に桜(十月桜)との出会いが与えられ、神様からの励ましと慰めを頂いた。
 テープでは無くて、生で母教会での母国語の礼拝・祈祷会に出席し、感動を覚えた。調子の悪かったパソコンを新しく買い替える事も出来た。こんな幸いな休暇を過せた事を、心から神様に感謝している。英気を養えて、またミンダナオに戻り「マノーボ族の子供達との生活を、神様がどのように導いて下さるのか。」ゆっくりと期待しながら歩み続ける者でありたい。主の御降誕を心からお祝いしつつ、良いお年をお迎え下さいます様に。(日本での一時帰国が事後報告になりました。お許し下さい。)

【祈りの課題】
1.マノーボ族の村々の中で、イエス様のご降誕の良き知らせがクリスマスの時期、宣べ伝えられるように。
2.合田師の健康管理のために。リラックスし心も身体も気分転換できるように。みことばからいつも教えられるように。


「締めくくりの月」
カンボジア・プノンペン  西村信恵

ニャックルアン教会での最後の礼拝  皆様いかがお過ごしでしょうか?私は無事第一期を終え、皆様がこのニュースを読まれているころには私は日本へ帰っていることと思います。第一期、いろいろなことがありましたが、ここで出来た友の励まし、皆様からのお祈りや励ましの支え、そして導き主なる主によって守られこうして終えることが出来ました。皆様のお祈り、お支えを心から感謝しています。
 十月末の土曜日、日曜日はニャックルアン教会の青年会、礼拝でニャックルアンの兄弟姉妹達とお別れをしました。みんなの顔を見ていると、私は果たして神様に与えられていた任務を十分に成し遂げただろうか?私は神様の愛を十分示してくることができただろうか?もっといろいろな意味で支えて励ましてあげられたのではないだろうかと自分の足りなさを思い、なんだか申し訳ない思いになりました。けれども、私を家族のように迎えてくれ、何度も腹を立てたわたしをそのまま赦して一生懸命ともに歩んでくれた神様が与えてくださったこの兄弟姉妹を心から感謝して、神様の御手にゆだねました。一年後、彼らの歩みを見るのが楽しみです。
 そして、私は二回引越しをしました。ニャックルアンからプノンペンヘそして、ミッションホームへ。この四年の間にこんなにも荷物がたまるものなのかしらと思いつつパッキング。この四年間の写真や手紙を見るたびに懐かしく、感謝で思いを馳せてはパッキングの手がすすみません。そこへ今村ひとみ師が来て手伝ってくださいました。いるものといらないものを区別し、なかなか捨てられない私を要領よく手伝ってくださり、あっという間に、ミッションホームへ保管しておく荷物ケース二箱が出来上がりました。プノンペンでも友人やカンボジア人の知人たちとお別れの時でした。OMFカンボジアの歩みもこの四年間の間にいろいろなことがありました。私が一年後帰ってきたとき、どのような働きに遣わされるのか今から導きを祈っています。
 十二月から日本での教会のデピュテーションが始まります。皆様にもお会いすることになりますが、よろしくお願いいたします。日本での生活に早く慣れてデピュテーション中も主の御心に沿って生活でき、守られますようにお祈りください。

【祈りの課題】
1.12月はデピュテーションが始まります。健康が支えられますように。また、家族や母教会の方たちとよい交わりが持てますようにお祈りください。
2.ニャックルアン教会の7人が洗礼を受けます。主の導きと彼らの成長のためにお祈りください。

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