2006年12月号
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「卒業生いろいろ」
カンボジア プノンペン 菅家庄一郎、容子
クリスマスおめでとうございます。今から約十年前、カンボジアにきたばかりの私はポーサット県出身の数人の学生と知り合いになりました。その一人はサルンという学生でした。彼らと聖書の学びを続けましたが、今も教会に行っているのは彼だけです。かつての学生っぽさはなくなり、社会の厳しさを知った大人の顔になりました。その後、銀行、投資会社と仕事を変えながら、稼いだお金で地方に土地を購入しています。夜は夜間の大学の修士課程で学んでいます。田舎から出てきている二人の妹と共に住みながら、さらに今年からは二人の若者が一緒に住むようになるそうです。貧困層の救済に貢献したバングラデシュのグラミン銀行がノーベル平和賞を受けましたが、彼はいつかそのようなカンボジアの貧困層を助ける働きをしたいと言い続けています。忙しいので、教会にいけないことも多いようですが、彼のもっている計画が主にあって実現するようにお祈りください。具体的には、貧しい人たちが低い金利でお金を借りたり、職業訓練を受けたりできるような働きをしたいのだそうです。また、彼が霊的に成長し、人々の物質的な必要だけでなく、霊的な必要にも目が開かれていくようにお祈りください。(庄一郎)
以前から何度かレターに書いたことのあるボーさんには、最近は会うたび励まされます。彼女が信仰を持って以来、ずっと激しい迫害をしてきたお母さんが、最近言うことが変わってきています。「(五人の)娘たちの中で、ボーは以前のようなお金持ちではなくなったけれど、どうも他の誰よりも平安に幸せに暮らしている、って今や母の口から市場中に私への賞賛が響き渡っているんですよ。それに誰の家に行くよりも私の家がほっとするってしょっちゅう来てくれるんです。」にっこりしながら報告してくれるボーさんの顔は、本当に平安と喜びに溢れていました。
聖書研究に忠実に来ているサオポアンが家族のために熱心に祈り始めた矢先、家族に大きな危機が訪れています。お母さんが、何年にもわたってためていた不信と怒りを爆発させ、お父さんと争うようになったのです。彼女は週末ごとに田舎の実家に帰り、お母さんの話し相手になっています。よく話を聞くと、両親共、それぞれの親の夫婦関係も破綻しています。お母さんは占い師に頻繁に通っているといいます。サオポアンはお母さんが寝ている枕元で、祈っています。今度は是非、お母さんと一緒に祈るように励ましました。そんな大変な中、家族や親戚の人が彼女の信仰についてよく尋ねてくるそうです。彼女の信仰が強められ、この危機が神様が介入される機会となりますようお祈り下さい。
十月末、スヌールという田舎町で開拓伝道をしているコーニッグ一家を訪ねました。双方の子供たちは何日も前から楽しみにし、カンボジア語で仲良く遊び、すばらしい時を共にしました。私達は、隣人の中に溶け込み、生活全体をとおして伝道している彼らの姿に大いに励まされて帰ってきました。(容子)
【祈りの課題】
1.卒業生のサルン兄が、与えられた仕事や富を正しく用いることができるように。信仰が強められるように。また、カンボジアの貧困層を助けるための事業を起こすというビジョンが主にあって実現しますように。
2.ポチェントン教会のボーさんの証しがますます主に用いられますように。サオポアンさんの両親に和解が与えられ、両親を含めた親族にイエス・キリストの救いが伝えられますように。
「主イエスを信じなさい。そうすればあなたの家族も‥‥」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
十ヶ月の巡回報告の半ば、お休みをいただき、埼玉の伯母に会いに行きました。伯母は去年のイースターにバプテスマを受けていました。
伯母が信仰を持つに至ったきっかけは伯母の母、私の祖母が九十歳で信仰を持ち、その葬儀が慰めに満ちたすばらしいものだったことによるそうです。私たちが宣教第一期を終えて帰国した十年前、ガン末期の祖母に私は尋ねました。「おばあちゃん。死ぬ準備はできているかい?」「まだだよ。どうやって準備するの?教えてちょうだい」との会話から祖母はイエス様を信じました。
それから二年後、宣教第二期の途中で一時帰国したとき、ガン末期の私の父は「お前の言ってきたことは分かっているよ。今まで意地をはっていた。今日信じるよ」と言ってイエス様を受け入れました。翌日バプテスマを受け三日目に天に召されました。
父の信仰告白と死を見て、父の姉は一層求道心を強くしたそうです。伯母が言うには「弟のように地上で三日間しかクリスチャン生活をしなかったなどとは、残念だ。私はクリスチャンになるなら、もっと前から信じて、教会の皆さんと仲間になって、教会のために奉仕をして、それから死にたい」と思って去年イースターにバプテスマを受けたとのことです。八年前から皆野キリスト教会の皆様にお世話になり、二年前から行田キリスト教会で洗礼準備をしていただき赤松勇二先生からバプテスマを受けました。私たちは外国で何もできませんでしたが、神様が多くの神の働き人を用いて伯母の救いを実現してくださいました。感謝です。(達朗)
この休みの間、チェンマイ日本語キリスト教会関係の二組のご夫妻に東京と新潟でお会いし、近況報告を交わし楽しいときを過ごしました。
また、十年ぶりに美しい日本の紅葉を満喫しました。神様の生きたキャンバスに見惚れ、「きれい!素晴らしい!」の連呼でした。この感動をミェン族の人達にも、と写真をいっぱい撮りました。(たまみ)
【祈りの課題】
1.12月、九州の諸教会の皆様と良き出会いが与えられますように。巡回報告を通して、タイのミェン族宣教に献身する人を神様が召してくださるように。後継者が今年か来年のうちに与えられますように。
2.12月にチェンマイ市で行われるタイのミェン族とアメリカのミェン族の合同のヤングカップル・リトリートの祝福のため。未信者のカップルも多く参加して伝道ができるように。
「神様からの試験」
カンボジア・クロチェ 今村裕三、ひとみ
クリスマスのお祝いを申し上げます。
クラチェ教会のためのお祈りを感謝します。その後いろいろなことが起こっています。一つは教会員同士のケンカ。そのため、一方は教会に来るのを止め、もう一人もその姉妹が戻ってくるようなら、私は教会に行かないと言っています。過去にもそのような衝突が幾度もあったそうです。リーダーも少しウンザリ気味で、なかなか介入しようとしません。そんなリーダーを批判するグループもいたりと、教会のなかは少し揺らされています。なんとかリーダーを励まして、一緒にそれぞれの姉妹を訪問して、話しを聞くことを促しました。一度壊れた人間関係を修復することは、カンボジア人に限らないと思いますが、苦手のようです。壊れたままで構わないといいます。二週間ほど気まずい雰囲気のなかで礼拝や教会生活を送りましたが、なんとか双方とも心の準備をして和解するということを約束してくれました。この原稿が出ている頃には、元のよい関係になっていることを祈っています。
もう一つの問題は、お金でリーダーを引き抜く団体のことを以前、お知らせしましたが、とうとうセイハー兄にもその誘惑の手は伸びました。彼は、来年早々、婚約をする予定で、お金が必要なことをその団体は知った上で、誘いました。彼は、神学校で学ぶために教会とOMFから奨学金を受け、現在教会から生活費の支援を受けているので、誘いに乗ることはありえないのですが、明らかにその団体からの挑発的な行為でした。
このように、クラチェ教会の兄姉は(私たち宣教師も含めて)それぞれの場にあって、主から訓練を受けています。どうぞ、主からの試験に合格し続けることができますようにお祈りで支えてください。(裕三)
クラチェにはベトナム人も多く住んでいます。クラチェの教会にも何人かのベトナム人が集っています。ある家族は両親と子ども七人中四人がベトナムに、残りの三人がカンボジアに暮らしています。ベトナムにいる家族もクリスチャンのようです。また、カンボジア語を話すことは出来ますが読み書きが出来ない、苦手な人も多くいます。
その中のソムバットという姉妹が第二子を妊娠しました。最初が女の子で次がなかなか与えられず、祈っていた中で与えられた子どもと聞きました。十月に男の子を出産しましたが、悲しいことに無脳児ですぐに亡くなってしまいました。彼女の家にお見舞いに行きましたが、悲しみの余り言葉が出て来ませんでした。彼女の身体をさすりつつ、「主よ!彼女の心の深いうめきを聞いてください」と祈りました。彼女の結婚した家族はクリスチャンではありません。夫も受洗はしましたが、まだ幼い信仰です。彼女と家族がこの試みの中で、主からの慰めと癒しを受けることが出来るようにお祈りください。(ひとみ)
【祈りの課題】
1.一人一人の教会員の信仰のために。愛の群れとしての信仰の実践ができるように。また、リーダーたちが聖霊で満たされて、主に仕えることができますように。
2.クリスマスの行事が祝福されるように。シンガポール日本語教会の中高生がその時期に訪問してくださいます。双方にとって励ましの時となりますように。
「ビジョンの共有」
北タイ・チェンマイ 邦人伝道 野尻孝篤師・明子師
チェンマイに来てから二年が経ちました。ビザの更新のため久しぶりにバンコクに行き、無事、三年目もタイ国宗教省公認のRqビザ(宣教師ビザ)を得ることが出来ました。いつもながらOMF本部事務局のタイ人スタッフの忠実、迅速な働きの故に煩雑なビザ更新が容易に済み感謝しています。ちょうど、タイ・フィールドの責任者ロバート・イリアン師と将来のことを語り合うことが出来ました。師より「OMFのディアスポラ・ミニストリー(在外・東アジア人伝道)の一環として、日本語教会がバンコク、チェンマイのみならず、パタヤ、チョンブリなどにも将来、生み出され、ひとつのグループとしてタイの福音的な教会の連名に加わっていくようなビジョンをタイOMFとして今後共有したい。共にパートナーとして進んで行こう」と語って頂きました。うれしい新しい展開です。(孝篤)
十一月から一月までプミポン国王在位六十周年を記念し、花万博がチェンマイを会場にして開催されています。世界からの花、タイからは珍しいランの花などが出展されます。初日は王女様も来られテレビで全国放映されています。一日券の前売り場は長蛇の列、二〜三時間は待ちそう。すいている列は回数券の売り場で値段は四倍です。ただし子供と高齢者は半額とのこと。高齢者って何歳のこと?と私がボソボソ言っていると周りの人が笑っています。タイでとった自動車免許証(IDカード)を見せ、回数券を買いたいと言いますと、係りの女性は我々の顔と免許証の数字とをしばし、まじまじと見て「あ、半額ね」。主人は「あの係りの人、君の顔見て驚いた風だったぞ」とうれしいことを言います。それにしても、得したと喜ぶべきか、それとも‥‥。(明子)
【祈りの課題】
1.クリスマスのプログラムが、今年は帰国される方が多く、特別プログラムを準備するのが難しくなっています。良い道が開かれるように。
2.在日3世の韓国の青年が個人的にコンタクトを取って、キリスト教を共に学んでいます。この方が救われ、礼拝にも来られ、クリスチャン・ホームを作れるように。
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