2008年4月号
page1
page2
「そんなつもりじゃなかったの‥‥」
台湾 宣教地総主事 フィル・ニコルソン師
壁から洗面台を引き抜いてしまうつもりじゃなかったのです‥‥。小さな天使のような子どもたちを、野蛮な海賊一味や巨大なキバを持つトラに変身させるつもりもありませんでした。
クモのから揚げだって食べたくなかったし、三週間もチーズなしに過ごす気もありませんでした。ただ、私の友人たちがカンボジアでどんなことをしているのか、もう少し知りたいと思っただけなのに‥‥。でもたまたまその友人たちはOMFカンボジアの責任者だったのです!
そういうわけで、神さまは彼らの働きの一部を見学できるように、道を開かれたのです。それは短期奉仕チームの一人としてカンボジアへ行き、OMFカンボジアの年会の間、子供たちの世話をするというものでした!
主婦であり二児の母親であり、牧師夫人である私にとって、アジアの地に足を踏み入れることは、未知の世界への大きな一歩でした。でも、国の端から反対の端へと旅をしてチームの他の人たちと合流することから、家族と離れて過ごした三週間の間ずっと私を包んでいた不思議な心の平安にいたるまで、この旅の一歩一歩に神さまのご臨在と目的を感じていました。
八月のカンボジアは暑く、道は泥でぬかるんでいて、時には湿度もとても高くなります。でも私たちは暑さにも慣れ、又、私は雨に心から感謝できるような体験をしました。屋外プールで泳いでいる時に熱帯性の豪雨に会った時には、素晴らしい感覚を味わえたのです!
カンボジアに着いて最初の週は、プノンペンで子供たち用のプログラムの準備をし、少し観光もしました。OMFのゲストハウスに泊まり、何人かのOMF宣教師と知り合い、その暮らしぶりや働きを見ることができました。
第二週目に年会が始まりました。年会会場はバスで四時間ほどの所にある海辺のリゾート地です。広々とした土地や美しい景色やその豊かさなど、バスの中からさらにカンボジアの様子を見ることができました。年会には八十名近くの世界中からの宣教師たちとその子供たちが、共に交わりとくつろぎの時を過ごすために、世界中から集まっていました。
私たち奉仕チームは毎日午前中、そしてほとんどの午後を子供たちと一緒に過ごし、夕食前にはよく浜辺に散歩に行きました。子供たちに聖書の中の、神に「ハマった」人々の話をし、私は子供たちに風船パフォーマンスやフェイス・ペインティング(‥‥というわけで海賊たちやトラが出来上がったのです)をしてあげたり、ザアカイの扮装をして歌ったり、ゲームをしたりしました。
あわただしく忙しい時でしたが、子供たちと良い関係が築けましたし、私たちがそこにいて子供達の世話をすることで、両親たちは会議や交わりに集中できたのでした。
週末に休息と回復の時をいただいてから、私たちはカンボジア北部のアンコール遺跡を訪ねました。ジャングル、遺跡、猿や象たち、トンレサップ湖で船上生活を営むベトナム人、そして午後には「文化村」を訪ね、やはりそこに遊びに来ていた幾世帯かのカンボジア人家族が笑い、手拍子を打ち、楽しむ様子に目をうばわれて過ごすなど‥‥それはすばらしい体験をしました。
ポルポト時代のあのひどい苦しみを通った今、カンボジアにある程度の自由と豊かさが戻ってきており、生き抜くために戦っている人たちだけでなく、そこには明るく笑いながら生活する家族たちもいる‥‥。そのような様子を見ることができたことは素晴らしい体験でした。
旅の終わりに短時間プノンペンに戻ってきました。私が壁から引き抜いてしまった洗面台は、幸いにも無事に元の場所にすえつけられていました。もっとも前よりもしっかり取り付けられているようには見えませんでしたが!
宣教師にとっては生活の一部になっている、日常の様々な小さいゴタゴタについても、たくさん学ぶことができました。水道や電気関係の慢性的な不具合はほんの一部です。カンボジアに住むということは大変なことであり、ましてそこでわが子を育てるとなればなおさらです!
でもOMFの宣教師チームを見ると、この地で神に仕える決意に立っていることがわかります。あらゆる機会をとらえては、トラウマを負ったこの国の人々にキリストを伝え、赦しによる癒しの力と、ちりから新しいいのちを創られる神の復活の力を教え広めているのです。
わが家に戻った時には疲れていました。でも遣わされてなすべきことをなし終えたという満足感がありました。友人たちに再会し、彼らがどんなことをしているのか、さらに理解することができました。彼らのためにどのように祈ればよいのかも知ることができました。
小さなゴタゴタもありましたが、それをおぎなって充分に余りある旅でした。チーズなしに三週間過ごす経験もしました‥‥。ただ、クモのから揚げだけは今でもゴメンです!
「芽生え」
日本 木下理恵子
いつまで経っても寒い冬だと思っていましたが、でも気がついてみればあちこちに梅の花が咲き、花粉が飛び、春が直ぐそこまで来ていました。皆様は如何お過ごしでしょうか。いつもの御祈り、ご献金、お励ましをどうもありがとうございます。
台湾も今年はとても寒い冬だったそうです。活水泉の方も、同労者の事などで厳しい冬だったそうです。今現在は呉師をリーダーとして家強師と神学生の姉妹がいます。今回の試練を通して働き人一人一人が主を更に知り、主の勝利を体験していけるように御祈り下さい。
テラ師の萬華の女性たちの伝道は引き続き前進しています。この働きのために祈り探していた場所がついに見つかり、活水泉と別に女性たちが自分たちの場所として集える所が与えられました。内装も大体終わり、具体的にどのような活動をして行くべきか導きを求めながら計画しています。主がこの場所を用い、ここに女性たちを送って下さり、主と出会う方々を起こして下さる様に御祈り下さい。活水泉の仲間もテラ師の関わっている女性たちも、皆とても複雑な問題を多く抱えています。呉師たちもテラ師も主の忍耐と知恵を持って助けていく事ができる様御祈り下さると感謝です。
そして日本では主は新しい在日中華系の方々との出会いを与えていて下さいます。皆様の御祈り、感謝です。多くの求道者が与えられるようにと御祈り頂いていますが、新しく伝道的な聖書研究のグループを始める予定です。五百戸以上ある大型マンションに住んでおられる中国人姉妹が、そこに住んでおられる中国人たちも招いて、聖書を学びたいと言うものです。今コンタクトがある中国人だけで六家族いるそうです。実際に皆さんが来て下さる様に、そしてはっきりと福音が宣べ伝えられ救われる方が起こされるように御祈り下さると感謝です。冬には土の中にあって見えなかった芽が、少しずつ見える所に出てきている様な気がします。命の主に感謝です。そして皆様のお祈り、どうもありがとうございます。
【祈りの課題】
1.伝道的聖書研究会を始めます。実際に参加する人が与えられ、救われる人が起こされる様に。周りの中国人に呼びかける姉妹が強められ用いられる様に。
2.活水泉の呉師、家強師、神学生の姉妹のチーム伝道が試練を乗り越え、主の勝利を体験し強められていくように。テラ師の女性伝道のための場所が与えられ感謝。この場所での活動が用いられ、主と出会う女性が起こされるように。
「シンガポール便り(最終回)」
シンガポール 菅家庄一郎、容子
このレターが皆様に届く頃には、私達はシンガポールから日本に戻り市川での生活を始めていることと思います。シンガポールでの研修・休暇のためにビザが何とか与えられ、子供たちも日本人学校を楽しみ、カンボジアから日本に戻るためのよい時間が与えられました。これから日本に戻り、日本の教会の現状を良く知り、宣教師を新しく派遣し、また支えていくための責任を取ることになります。主により頼みつつ奉仕を全うできるようにお祈りください。二月五〜十二日まで、私はカンボジアを訪問し、宣教師の同僚たち、卒業生、学生たちと交わり祈るときが与えられました。ほとんど休む暇なくいろいろな人と会い、腰痛も頭痛もでなかったのは、本当に主の守りを感じました。一人一人の様子をよく知ることができ、祈りの課題として持って帰ることができました。卒業生のピサット兄、ソバン兄、サオポアン姉のためにお祈りください。三人とも仕事でとても忙しく、日曜日の礼拝にでることが精一杯で、卒業生会として集まることができていません。お互いに主に従うことを励ます交わりのための時間を見つけることができるようにお祈りください。(庄一郎)
DTC最後のパストラル(牧会)グループでは、二月を振り返り、自分がなした愛の業、他者から受けた親切な行為、そして心に残る出来事、を思い返し、分かち合いました。私がなした愛の行為、それは、夫のカンボジア訪問をサポートしたことでした。彼を通して、カンボジアの懐かしい兄姉の近況が知れ、また、彼自身にとっても、カンボジアでの働きの良いまとめとなったことを聞き、私は本当に嬉しく思いました。
特に心に残る出来事は、ある青年が旅の途上に会いに来てくれたことです。私がまだ学生だった頃、小さかった彼とその兄弟と一緒に冒険旅行をしたことがあります。成長した彼は、二度カンボジアに来てくれ、そして今回の再会。子供たちと楽しそうに沢山遊んでくれ、夜には、神様がどんなに見事に彼を導き、今までの様々な紆余曲折すべてを益としてくださったかを話してくれ、私の心は喜びで一杯になりました。
また、今月を振り返る中で、多くの方々の親切を頂いたことを思いました。皆様のお祈りとご支援にも、心から感謝申し上げます。シンガポール滞在を可能にしてくださり、豊な祝福を与えてくださった主に感謝しつつ。(容子)
【祈りの課題】
1.菅家師一家は、4〜6月にかけて市川という住環境とOMF日本委員会総主事という仕事に家族で慣れていく必要があります。市川小学校に通う予定です。学校に慣れていくことができますように。また、庄一郎師と容子師がどのように仕事・家事を分担するかということにおいて知恵が与えられますように。
2.IFES東アジア学生大会が8月4〜9日まで東京で開かれます。カンボジアからふさわしい学生が導かれますように。又、大会が祝され、多くの東アジアの大学生が現代社会にキリスト者として生かされている事の意味を真剣に考え、主の召しに応える機会となりますように。
「それ行け!熟年伝道隊」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
十年前、パヤオ県ルワムチット村は覚醒剤、違法伐採、不道徳が蔓延していた。二十人に満たない無牧の教会は現状維持が精一杯。過疎化による閑寂は悲哀に近かった。
そんな教会に仕えることになった私たちは「内向きになってはいけない」と、奥地を探索し、二十キロ離れた山中に三箇所のミェン族の村を見つけました。ボートンサック村、ナーブワ村、フエイカンパー村への開拓伝道の始まり。しかし実を見ることはありませんでした。
ところが十年経った今、刈り取りです。チェンマイ市からジェムエン牧師、また私たちはメーチャン郡から、交代で月に一回ずつ二百キロの道のりをルワムチット教会へ出かけます。そこを拠点に、礼拝後は奥地へ再開拓。ジェムエン師のご両親であるヤオツィン兄とイェンツォウ姉夫婦、それにジェムエン師の伯母さんが同行してくれます。そのパワフルなこと!(達朗)
ボートンサック村。ジェムエン牧師の訪問伝道で一人の女性が神様を信じた。私たちはその人のフォローアップをしているが、毎回、いろんな人が聖書の話を聞きに来る。その日はつい一週間前に神様を信じたという九十歳を過ぎた女性が、六十過ぎの娘と共に話を聞きに来た。
イェンツォウのお姉さん(クリスチャン年齢二歳)の証しがすばらしい。「私ね、この妹から長い間、イエス様のこと聞かされて来た。でも、ちっとも分からない。聞いてもうんざりしてた。ところがね、ある日、突然、この人の言っていることが分かったのよ。素直に聞けたの。イエス様が私の心に入ってくださったのさ。信じるって素晴らしい事なの。つらいことはいっぱいあるし、苦しいこともあるけど、信じてから、つらい中ですごく平安なんだよ。驚くほどね。苦しいのに何か不思議と喜んでるの。これはね、何といっていいのか分からないね。でも、本当なんだよ。だからあなたもイエス様を信じなさい。もう、気持ちが全然違うから。」「そう、本当に私の姉さん、そうだったのよ…。」
嬉々として古い自分と新しくなった自分の違いを語るイェンツォウ姉妹とヤオツィン兄。三人合わせて二百歳の熟年伝道隊に、みな吸い込まれるように聞き入る。熟年パワー全開。主は素晴しい!(たまみ)
【祈りの課題】
1.4月5〜7日、ミェン教会の別の教団の聖会で3回の説教奉仕の祝福のため。この機会を通してこの教団とOMFの関わっているミェン教会協議会が交わりを持ち始めるように。
2.ジャパン・クリエイティブ・ミニストリー(JCM)の藤田桂子師を招いて行われる二つの集会のため。4月9日〜11日、メーチャン地区の5教会の教会学校教師訓練会と4月12日〜14日ミェン族青年大会で性教育に関する3回のワークショップのため。
2008年4月号
page1
page2
TOP PAGE
|
OMF@宣教師.come
|
宣教ニュース
|
東アジア宣教ノート
宣教祈祷カレンダー
|
OMFについて
|
リンク
|
e-mail
OMFインターナショナル日本委員会■〒272-0035 千葉県市川市新田1-16-14
TEL:047-324-3286 FAX:047-324-3213 郵便振替:00100-0-615052
© 1999-2008 OMF International JAPAN. All rights reserved. designed by HFJ.