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2008年9月号  page1  page2


「主の証人たちの歓声を聞きながら」

 二〇〇四年、私はスポーツ伝道に携わっていた人々と共に、コリントを訪問する機会が与えられました。そして古いローマ時代の道の一部であったらしい、巨大な石版を見る機会がありました。
 そこには大きく「ERASTVS」という文字が彫られていました。おそらくローマ人への手紙十六・二四にあるエラストと同一人物でしょう。彼は当時の公共事業の監督者であり、パウロの友人でもありました。
 使徒の働きの十八章では、パウロと彼の友人のアクラとプリスキラがコリントにいたことが記されています。しかし、なぜパウロはアテネを離れてコリントへ向かい、この地に少なくとも一年半の間滞在したのでしょうか?
 私達に同行してくれたガイドによると、ここの遺跡発掘作業の間に、アカヤの総督ガリオの署名入りの手紙が発見され、西暦五十年頃に、オリンピックにも似たスポーツのイベントが行われていたことがわかったそうです。
 この時期、各地から観客が集まり、又、仕事やもしくは文化交流などの目的も含め、この地の人口は激増しました。恐らく宿泊場はどこも満員で、多くの人々が市の外壁の外にテントをはって野宿したことでしょう。パウロと友人たちは、伝道の面でも仕事においても、この好機を見逃さなかったのです。
最高のものを献げる
 エリック・リデル(英国出身。一九二四年、パリ・オリンピックの四百メートル走にて金メダル)、キャンドラ・ウィジャワ(インドネシア出身。二〇〇〇年、シドニー・オリンピックのバトミントンにて金メダル)、キャサリン・ンデレバ(ケニア出身。二〇〇四年、アテネ・オリンピックのマラソンにて銀メダル)、アリソン・フェリックス(アメリカ出身。二〇〇四年、アテネ・オリンピックの二百メートル走で銀メダル)といった人々の共通点は何でしょうか? それは全員がオリンピックのメダリストであり、しかも、神に全てを献げ、それぞれの競技において最高のものを得るために情熱を注いだ、ということです。
 興味深いことに、一九二四年のパリ・オリンピックを控えて練習に打ち込み、様々なレースに出場するエリック・リデルを見て、彼の妹は兄のその熱心さの余り、神からの召命を忘れているのでは、と心配すらしたそうです。しかし、リデルは妹に対してこう答えました。「神は僕が速く走れるようにお創り下さった。そして走る時、僕は神の喜びを感じるんだ。」
 それがどんなものであるか―病む人を看病することか、無実の人を弁護して法廷に立つことか、設計技師として安全な建物の建設に尽力することか、又は、経理士として公正な仕事をすることか、自分にできる限り最高の芸術作品を生み出すことか、又はエリック・リデルのように最善をつくしてレースを走りぬくことか―は重要ではありません。神に自分の最高のものを献げ、神が与えて下さった賜物と才能を用いるならば、私達はキリストに仕え、創造主に栄光を帰すことになるのです。
 オリンピックの後、エリック・リデルはその人生の競技を走り続け、化学の教師として中国へ行き、教会開拓をし、その後、捕虜収容所で彼の人生のレースを走り終えました。パウロも又、神と人々に仕える人生を、レースを走りぬくことにたとえています。どちらも全力を尽くして目標に向かって進むための集中力、エネルギー、忍耐力が要求されます。その中で、最大級の賛辞を受けるのが、必ずしも金メダルの選手とは限りません。私たちは、くるぶしや靭帯を痛めたり、頭にケガを負った選手達が痛みに耐えつつ、それでも自己の最善を尽くそうとする姿に心をゆさぶられることでしょう。
 又は反乱によって家族全員が殺されたにもかかわらず、怒りと痛みを乗り越え、フランス語圏内の競技でメダルを勝ち取った、ルワンダのデュドン・ディジィ選手のような人もいます。
 手にするのは銀メダルか銅メダル、もしくは何とかゴールに入ることだけかもしれません。しかし、そのような選手たちを讃えて響き渡る大歓声と、選手の涙と彼らが得る勝利は、忘れることのできないほどに、すばらしく価値あるものです。
 今年のオリンピックも、この時のために練習を積んできた選手たちによって、多くの感動的な物語が生まれました。パウロ、プリスキラ、アキラ、エラスト達も人生のレースを走り終えました。しかし彼らはこの世の観衆や喝采を見てはいませんでした。彼らの霊の目は栄冠を目指して前へ前へと進む彼らを応援してくれる、主の証人たちの姿を見、その歓声を聞いていたのです。


「主の愛を頂いて」
カンボジア 一時帰国中  今村裕三、ひとみ

OMFニュージーランド事務所の方々(左端の男性は日本で宣教師をされていたペイン先生)と共に  七月に在日カンボジア福音集会に参加することができました。二十二年間続けられたこの集会の歩みを主に感謝しました。祈り支えてくださっている日本のクリスチャンの祈りの結実でもあると思います。また、カンボジア語で久しぶりに御言葉を語り、カンボジアの方々と交わることで、主がカンボジア人に対する愛を私に与えてくださっていることを再確認する時になりました。また、暑さがだんだんとカンボジアに近くなり、カンボジアへのホームシックの症状がよみがえってきました。第二期の奉仕のいくつかの可能性について、OMFカンボジアのリーダーと話し合いを持っていますが、どれも関心があり、主の御心の奉仕へと導かれるように祈っていただけると感謝です。
 祈っていただいている夫婦の関係も、これまでのところ守られて感謝です。スカイプというインターネットを介した電話のような技術によって、比較的よく話ができています。毎日、手紙を書くという時代からすると大きな変化です。八月末から夏休みを利用して、ニュージーランドを訪問する予定です。また冬に逆戻りですが、実際に会うことによって、別居生活の恵みを数えたいと思います。
 また、宣教師として各地で様々な奉仕をさせていただいていますが、通り良き管として、尚々、清められる生活をするように主から教えられています。高慢の罪から守られて、へりくだりの歩みへと導かれるように祈ってください。主にのみに栄光を帰することが出来ますように。皆さまのお祈りと献金に感謝して。(裕三)
 英語の学びの為に、祈りに覚えてくださり心から感謝します。ニュージーランドは冬で、一番寒い時期を通り越し、桜に似た花がちらほら咲き始めています。
 先月から学校での英語の学びに加えて、週一回程度、OMFニュージーランド事務所でボランティアを始めました。手紙の発送・文章の整理など事務仕事を主にしています。この事務所はキリスト教書店も経営しています。主に中国語(その他日本語・韓国語・タイ語など)の文書を扱っています。先週は台湾人の書店の責任者が一時帰国した為に、私も書店の店番を手伝いました。接客・電話の対応・レジ打ちなどをしました。当たり前ですが、全て英語で対応しなくてはなりません。「値下げの交渉を断る」という教科書ではけっして習わないことに出会ったり、早口の電話を何度も聞き直したりなど、冷や汗をかくこともありました。ドキドキしましたが、とても良い実践の機会を与えられています。
 語学学校では、日本人とも英語で話しているので、同級生に「ひとみは本当に日本語を話せるのか?」と聞かれてしまいました。そこで慌てて日本語を話すと、すんなりと日本語が出てこないので焦りました。学生時代は英語が一番苦手でした。当時は、将来に英語がこんなに必要な仕事をするとは、夢にも思っていませんでした。まだまだ、英語が母語の人同士の会話について行くのは難しいですし、映画も筋を追うのが精一杯です。でも神様は少しずつ、知恵を与えてくださり、他の語学で外国の人と心を通わせる楽しさを教えてくださっています。人の心を理解できる知恵が与えられるように、お祈り下されば幸いです。(ひとみ)

【祈りの課題】
1.9月も関東地区の巡回ですが、多くの神学校を訪問します。それぞれの神学校で、よい証ができるように。世界宣教に目を開かれ、そのために祈り続ける神学生が起こされるように。10月中旬までの残りの巡回に必要な力が与えられますように。(裕三)続けて英語の学びのために。残りの期間で、有益な学びをすることができるように。(ひとみ)
2.カンボジアのクリスチャンの歩みのために。聖書を読み、御言葉に立って、毎日の生活を過ごすことができますように。また、迫害のなかにある兄姉が、主の御言葉に立って、力を頂くことができるように。


「働いて下さっている主の御手」
カンボジア・ニャックルアン  西村信恵

 七月にとった休暇を終え、ニャックルアンに戻ってくるといろいろなニュースが待ち受けていました。
 一つ目は先月号に載せた、ガイ姉妹です。プノンペンに着いた夜、その日の夜に天に召されたとの連絡が入りました。その日は夕方、宣教師がガイ姉妹の家に行き、聖書を読み、賛美したところ、意識不明のはずのガイ姉妹が涙を流したそうです。そして、その一時間後に息を引き取ったとのことでした。一日違いで、ガイ姉妹とのお別れは果たすことが出来ませんでしたが、最後まで、ガイ姉妹が痛みと戦い、主の平安を経験し、今は、主とともにあって、天国にいることがとても感謝です。彼女が夢で見たように、神様から大きな冠をいただいていることだろうと思います。
 ニャックルアンに帰り、教会に着くと、洗礼準備クラスにいる青年ホイ君が証をしてくれました。「僕は皆で祈っている時に、急に、今までやってきた自分の悪いことが次々に浮かんで、自分がどれだけ罪深い人間なのか、よく分かった。そして、急に家族がいとおしくなって、いままで、お父さんは反対ばかりして、自分を愛してくれなくて、いやに思っていたけど、続けて家族のために祈っていこうと決心したんだ。」これは、七月下旬に行われた、短期宣教チームによるアルファーというプログラムで青年達が受けた、賛美の時、学びの時、祈りの時に起こった出来事でした。聖霊が、どのようにわたし達を助けてくださるか、という学びの後のことでした。彼は、自分の罪に気づき、ずっと泣き止まなかったそうです。その後、神様の愛に気づき、家族への愛が芽生え、次はうれし涙が止まらなかったそうです。それを聞いた私も主の働きに感謝し、目に見えなくても絶えず働いておられる聖霊がおられることを感謝しました。伝道先の青年の十七歳のソニヤー姉妹もその集会に参加し、こう語ったそうです。「私は早くに両親をなくし、学校を早くにやめ、弟や妹を養っています。私のような人が沢山カンボジアにはいる。私はその人たちのために祈っていきたいし、皆にも祈って欲しい。」この集会で、彼女の信仰もまた強められました。
 そして七月は、教会員がリーダーの一人であるワチャナー兄の献身を受け入れ、按手をして祈る時がもたれました。八月の大学卒業後、牧師見習いのような形で、来年聖書学校に進学するまでの一年間、教会で働くことになりました。ワチャナー兄は、献身の導きはずっとあったのですが、自分が献身することが本当に神様の導きなら、しるしとして、家族のお母さんか、お姉さんが今年中に(去年の祈りなので、去年中に)救われるようにとお祈りしたところ、一番信じそうも無かった父親がクリスマスに信仰告白をして救われ、神様の業を見せていただいたと証をしました。これから、教会がわずかずつですが見習い牧師としてサポートしていき、ワチャナー兄はそれで生活していきます。教会も、ワチャナー兄もこのことを通して神様の養いを経験していき、教会の体としてもそれぞれが成長していくことが出来ますように、お祈りください。
 というわけで、七月最後の日は、それぞれの人の中でよい働きを始めてくださり、忠実に働き続けてくださっている神様の業を見させてくださり、感謝をささげた一日でした。

【祈りの課題】
1.今年は、OMFカンボジア教会開拓チームの委員会のメンバーになっています。この委員会の会議では、OMFの教会開拓の今後の働きについて、これから新しい働きについていこうとする宣教師の次の奉仕先について、今ある働きについて、新しい働きについてなど、多くの重要な課題について話し合います。私達が神様によく聞き、話し合いの中で、神様の御心に沿った結論を出していくことが出来ますようにお祈りください。
2.7、8月に神様を信じた青年達の信仰の成長のため。特に、高校を卒業してプノンペンに出て行く青年達が教会につながっていくことが出来るようにお祈りください。


「バランスが必要」
日本 木下理恵子

祈り会彩虹の皆さんと  私が子供の頃は、日本で三十度を超える日は、そんなになかったように思います。それが今、毎日当たり前の様に三十度を超え、最高気温もどんどん上がり、日本の夏も台湾っぽくなってくるようです。
 そんな夏ですが皆様はお元気でお過ごしでしょうか?いつも御祈り、ご献金をどうもありがとうございます。私は「暑い、暑い」と言いながらも、汗をダラダラかきながら動くのが好きなようです。寒い冬の時よりも、余程体が動きます。
 御祈り頂いている中国語集会は大体三週間に一度持たれる様になって来ました。今は中華系の方七人前後、日本人三、四人です。まず驚かされたのは、みんなの喋る事、喋る事。今のところ女性ばかりで、それもあるのでしょうが、聖書の話であれ、誰かの分かち合いであれ、とにかくよく喋ります。「活水泉のおじさんたちも、まあ寝てたり、酔って何か言ってる事はあっても、聖書の話の時は、ここまでお喋りはしなかったよなあ。」とその違いを思いました。土曜日の午後、みっちり五時間。こっちは何とか短縮しようと思うのですが、みんなはなかなか帰ろうとしません。私はグッタリですが、みんなはとても楽しそうです。
 「この集会、こんなのでいいのかなあ」と思い巡らしていた時、ふと気づいたのです。活水泉のおじさんは、活水泉に来ない時も、台湾語でいつでも自由にみんなとお喋りできていると。この集会に来る中華系の人たちは、慣れない日本語で一生懸命生活していて、この集会の時にやっと、思いっきり自分の母国語で言いたい事を言えるのだと。同じ中華系の人の伝道ですが、彼らの母国でする伝道と、彼らが異国で生活している時の伝道は違うのだと思わされました。
 考えてみれば祈りの時も、クリスチャンも求道者もみんな互いの為に一生懸命祈り、四十分はゆうにかかります。(もちろん自分の祈りの課題を分かち合う時はその三倍以上かかります。)みんな中国語で賛美したくて、聖書の話を聞きたくて祈りたくて来ているのも確かです。
 自分の内にある事を自由に表現し、わかってもらえる人たちと思いっきり話す事の必要性。そして同時に、落ち着いて自分のよく理解できる言葉で御言葉を聴き、学ぶ大切さ。その二つのバランスがちょうど良く取れた集会となる様、導く上で主の知恵と導きが与えられる様に御祈り下さると感謝です。
 大きなマンションで聖書研究会を始めさせて下さった中国人姉妹が、八月三日に洗礼を受ける予定です。ハレルヤ。主の祝福に満ちた洗礼式となり、姉妹の上に主の豊かな祝福と守りがある様お祈り下さい。皆様の御祈りを心より感謝しつつ。

【祈りの課題】
1.三週間毎の中国語集会を感謝。みんなが中国語で自由に自分の話したい事を話す時間と、母国語で主を礼拝する時間が、良いバランスで取れるように。導く上で主の知恵と導きが与えられる様に。
2.大型マンションの中国人姉妹の受洗感謝。主の守りと祝福がある様に。カンボジア系姉妹の信仰は成長して来ているのですが、先祖崇拝の問題で受洗を躊躇しています。(お父様を亡くされています。)またお母様からも受洗の反対をされています。この姉妹に主より問題の解決が与えられ、洗礼準備会に出席できるように。

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