2009年7月号
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「ディアスポラのグローバルな働き」
日本 ディアスポラ伝道 横山好江
デンバーの会議を終え、新型インフルエンザに対する警戒態勢の中、五月十二日に戻りました。飛行機着陸後、乗客は座ったまま手術着のような物々しい姿の検疫官によって五十分程チェックを受け降機。アメリカ国内の飛行機移動中、マスク着用は私以外には皆無(最後のロサンゼルス空港でやっと数名)。家族や、主にある兄姉の祈りによって、主の大きな守りのうちに帰宅でき安堵したことでした。何年ぶりかのアメリカ行き。ヨーロッパへの往復とは違って時差解消にこんなにもかかるものかと実感しました。
ディアスポラ国際リーダー会議では、OMFで世界的にディアスポラ伝道を進めていくために必要な事柄を審議・決定しました。主が話し合いの一つ一つを導いて下さったことを感謝します。祈りの友の皆様のお祈りをありがとうございました。ディアスポラ伝道部門の各部署に新しくリーダーを立てる必要があり、ディアスポラ日本人伝道のまとめ役を、私が担うことになりました。他に、ディアスポラ中国人伝道、同タイ人伝道のまとめ役がそれぞれ決まりました。立てられた者たちが主の知恵と力によって務めを全うできますよう、お祈りいただけると幸いです。
アメリカ滞在最後の週末は、ロサンゼルスの黒田摂さんを訪ね、共に過ごす恵みに与りました。アメリカの日本人伝道の場に身を置いた私の経験と言えば、ケンタッキー州の二年間、その間研修で一夏過ごさせていただいたシカゴと、訪問したことのあるニュージャージーの日本語教会。今回初めて経験する南カリフォルニアの日本人伝道の広がり、厚み、力強さ、そこに主が豊かに働いておられる様子に驚き、御名を崇めたことでした。JCFN主事の方々とも話し合うことができ、さらに実り多い協力関係をと歩みを進ませていただいています。アメリカから、また他の地から、キリストに出会って次々と日本に戻ってくる方々が、日本の教会に迎え入れられ、主にあってひとつとされ主の御体を建て上げていくためにも、具体的な協力関係がなお必要です。このことのためにも、どうぞお祈り下さい。
ニュージーランドで日本人伝道を担っているペイン夫妻から、応援要請がありました。夫妻はニュージーランドOMF総主事の任を今年一月で後継者に渡され、かの地での日本人伝道に専念できるようになりました。多岐にわたる日本人伝道が展開されていますが、ファミリー対象の伝道に関する要請です。福音的な教会で行なわれている、小さい子ども達とその親達を対象とする働きのための教材が必要とされています。こうした教材を日本語で得ようとすると、物価・為替の差もあり、かなり費用がかかってしまいます。「教会学校の教材で、不要になった紙芝居や御言葉カードなど、どこかで眠っていないだろうか。それらを送っていただけたら」ということです。導かれる方は、私までメールにてご連絡いただけると幸いです。連絡先は、この宣教ニュースを開いた真ん中に、他の宣教師と並んで記載してあります。よろしくお願いします。
【祈りの課題】
1. この夏、母国に戻られるジューン・グリフィス師のために。奉仕されたマニラ日本語教会の働きが後継者により、教会の兄姉により、御心にそって続けられていきますように。
2. 第26回ヨーロッパ・キリスト者の集いが、8月5〜9日(先行して行なわれる青年会含む)と、フィンランド(ヘルシンキ)にて行なわれます。準備を進めている担当者の上に、奉仕者の上に、主の助けと導きをお祈り下さい。横山師夫妻が出席予定です。
「主にあってへりくだり」
日本 菅家庄一郎、容子
東アジアでもっとも大きな国で主の働きを見学するために、旅行しました。どの都市にも高層ビルが立ち並び、その発展のスピードに驚きました。その国で働いている日本人のワーカーにお会いすることができました。その後、チェンマイでは、元OMF宣教師の野尻先生ご夫妻とお会いし、よい交わりが与えられ、OMF派遣国委員会代表会議に参加しました。日本からの代表は残念ながら私一人でしたが、よい学び、交わり、祈りの時が与えられました。「OMFの宣教国側の委員会と派遣国側の委員会との交わりでどんな恵みがあるか。」という質問に対して、韓国人宣教師が、「OMFにおいて日本人、韓国人、中国人がともに働くことができることです。これこそが福音です。私の父は日本軍にひどい目にあわされました。」と話しました。
戦争の傷跡を改めて覚えると共に、アジアの人々に対しては加害者である私たち日本人が、和解の使者としてアジアに派遣されていることの恵みを思いました。アジアの多くの地域では、我々日本人宣教師は反日感情をいだいている人たちと接します。しかし、主にあって私たちがへりくだり、誠実に赦しを求め、痛んだ関係を主にあって修復しつつ、アジア宣教に励むことができるようにお祈りください。(庄一郎)
五月、イギリスからマーティン・ゴールドスミス先生が来日され、教えられたのは、「神に期待すること」「神が私に何を語られるか見よ」
先日、礼拝後の婦人の交わりで、ある方が証をしてくださいました。「‥その時、ふっと、思った。ああこのために私はここにおかれたんだ。イエス様、助けてください。」日常に出会う子供たちとのかかわりで、町で出会う見知らぬ人たちのいさかいの中、彼女の祈りを主は聞き届け、不思議な解決が与えられます。聖書の学びも、上手くリードできなかったとき、みことばが求道者に直接語りかけます。弱さの中に力強く働かれる主の業を証して下さいました。朝ごとに罪を告白し、イエス様、来てください、と祈り、自分自身を主に明け渡して歩む中、神様の導きと業を見せていただいている彼女の証に、一同大いに励まされました。
主は、私に語ってくださいました。「わたしは生きて働いている。わたしはお前が計画し、思っているのとは違う方法で働く。自分の考えを捨てて、わたしのもとに来なさい。信仰をもって祈れ。わたしが、それにどのように答えるか見て、ほめ称えよ。わたしのもとに人を連れてきなさい。わたしが事を行おう。信じないものにならないで、信じるものになりなさい。」(容子)
【祈りの課題】
1. 宣教の自由のない国で働いている4人の日本人女性ワーカーたちのことを覚えてください。このような国では電子メールや電話でのやりとりにも非常に神経を使います。主からの知恵と力が与えられますように。
2. 日本人男性または夫婦・家族で、主から召命を受け、アジア宣教に派遣される人が起こされるように。
「夏の終わり」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
長かった夏休みも終わり、タイの神学校や大学は六月から新年度が始まりました。
今年の夏休みは、ミェン族の青年達の出入りの多い我が家となりました。様々なキャンプ、修養会、伝道旅行などに出かける中継点として使ってもらいました。何人かは自宅に帰らず、学費や生活費を稼ぐために働きます。我が家にもパヤオ聖書神学校の学生が寝泊りし、ミェン語識字教育関係の資料のタイピングを手伝ってくれました。
我が家の伝統、食事前に必ず二曲は賛美をします。賛美の好きな彼らは大きな声で朗々と歌います。音やリズムが狂っていても気にしません。隣に住んでいる大家さんが、「若い子達がいていいねぇ。毎食歌っているね。いいもんだ。」と嬉しそうです。
素晴らしい助っ人が与えられ、楽しい楽しい夏休みはあっという間に終わり。お祈りを感謝いたします。(たまみ)
教会の説教奉仕者予定表を作っていて、はたと思い至った。「出かけることが多いけれど、留守にする講壇を心配しなくていい。ナイリン姉、ファームクワン姉。それから神学生。そうだ、ファームクワンも我が家でインターンをしていたなぁ。」
十一年前のことだった。ファームクワン神学生を我が家に泊めていたのは僅か二ヶ月。父の闘病と葬儀のため帰国したので、彼女の指導を放棄することになった。急なことで次の受け入れ先は、異端に翻弄され混乱の只中にあったタンマジャーリク教会しかなかった。若い独身女性神学生が教理に関する粛清に挑み、反対者にひるまず、聞く耳のある人々に聖書を教え続けた。
あのとき聖霊による新生を経験したのがナイリン姉だった。今ファームクワン姉は、ご主人の仕事の関係でタンマジャーリク村近くに引っ越して来た。私が不在の時には役員のナイリン姉と交代で説教奉仕をしてくれるのである。
他方、今朝は、下宿人のフィン兄がネクタイを締めて出かけた。弁護士の免許を取得し、初めて法廷に立つ日だ。チェンマイ時代うちに下宿していた彼が‥‥と思うと神様の恵みを感謝せずにはいられない。
「この人は将来どんな人になるだろうか」。それを考えると、ついつい、嬉しくなってインターン生や下宿人を引き受けてしまう夫婦です。(達朗)
【祈りの課題】
1. 今までチェンマイ市まで行かなければならなかった「母語から始める多言語教育セミナー」を、チェンライ県で開催する準備をしています。実現して、ミェン族の学生ばかりでなく、大人もミェン語幼稚園を始める動機付けがなされるようにお祈りを。
2. タンマジャーリク教会のロンツィアンおじいさん一家、ひ孫まで5人が救いの教理をしっかり理解できるように。孫娘であるムワンツォウさんが一番バプテスマに近いと思われますが、彼女の夫は信仰に反対しています。彼も神様のすばらしさがわかるように。
「共に歩める幸い」
派遣準備中 小川文子
夏の諸行事も近づいて参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私も七月のオリエンテーションに向けて準備に励んでいます。その大切な部分である教会訪問が、体調も守られ祝されたことを、心より感謝致します。
五〜六月は、秩父、更生、勝浦、秋鹿、出雲のぞみ、松江北堀、松江ルーテル、松江福音、松江、松永、香川、丸の内、京都復興、鈴鹿、尾鷲、紀伊長島、桜ヶ丘、浦和別所、喬木、流山福音自由、頌栄の諸教会を訪問させて頂き、また東京と関西のOMF祈祷会、牧師会、留学生交流会やキリスト者学生会、神学校等でも励まされ学ばされる交わりを与えられました。
出発を前に、平安が戻った時期でもありました。三月に英国の学校を去る時に思ったことは、「また二人きりになっちゃいましたね、主よ。でもあなたがいるので嬉しいです」。詩篇二十三篇が、飼主のそばを大喜びで歩く犬の笑顔に重なりました。主のそばを歩いていける幸い‥‥!
日本に戻ってから、どんどん進んで行く準備に不安感がやってきました。でもJ+パッション青年宣教大会で、「ああ、私の主人はこのお方で、私はついていくだけなんだな」と思わされ、何だか安心しました。「あんた、本気なん〜?」「本気だ、俺はやるぞ」という少々強引な主人について行く妻のように?「ああ、この人やる気だわ」と。
教会訪問中のある日、一日の御用を終え脱力して自転車をこぎながら「もし私一人だったら、絶対こんなことしてない。私一人だったら‥‥」とぶつぶつ言ってから、笑ってしまいました。私は本当に独りじゃないんだなと実感したからです。京都でも、あるご婦人が手を握って涙目で「あなたがこれらのことをしてこれたのも、本当に神様がいて下さったからです」と語って下さって、本当にその通りだと思いました。そしてこのような家族がいるからだとも。
主が共にいて下さる幸い。そして祈られている幸い。不安や孤独感を超えて前向きに出発できるように整えて下さっている主に感謝します。皆様に主の祝福を豊かに祈りつつ、感謝しつつ。
【祈りの課題】
1. 7月一杯、シンガポールのOMF本部にて、他の国々からの候補者たちと共にオリエンテーションコースを受けます。よい取り扱いを受け、整えられますように。
2. お祈り頂いた祖父母とは少し信仰の話ができ、信仰本もあげることができ感謝します。今後も家族や友人たちに文書伝道をしていきます。本や手紙が用いられますように。
「神様の時」
日本 佐味湖幸
五月も、バタバタと西へ東へと走り回っている間に時が過ぎました。計画をしている時は、まだまだ先のことの様に思っていたのに、あっという間にその時は過ぎ、そして遠い過去になっていくような気がします。今月は初めてお会いした方々、久しぶりにお会いした方々が多くありました。弟の結婚式には、主にある多くの兄弟姉妹、また先生方においでいただき、本当に久しぶりにお会いすることの出来た人たちも多くありました。多くの人に祈られ、またお世話になって、この日を迎えましたが、主にある者の幸いを覚え感謝でした。
教会訪問では東京の木場深川キリスト教会、また、京都の京都聖徒教会にも、ご挨拶に伺うことができ、感謝しています。
大阪と京都の祈祷会には、小川文子宣教師候補をお迎えして、どのように宣教師になるように導かれたか、また、カンボジアのことなどのお話を伺いました。小川先生のこれまでの歩みの中に、確かな主の導きがあったことを伺い、主の御名を崇めました。新型インフルエンザ騒ぎの中でしたが、どちらの祈祷会にも初めて出席してくださった方々がいらしたことは本当に感謝でした。
八年くらい前になるでしょうか。ミッションポシブルという宣教の啓蒙のための泊まりがけのセミナーを聖書宣教会を会場に、ウイックリフ、アンテオケ宣教会と共催で行なったことがありました。私は、その時あまり体調が良くなく、暑かったこと以外は、あまり覚えていなかったのですが、小川先生が当時神学生でそのセミナーに参加されていたことを今回お交わりの中で知り、とても嬉しく思いました。あの時、たしか十五人ほどの人が「宣教に重荷があります」と、集まったように思うけれど、あれからどうなったのだろう?と、時々思っていたからです。時至って、そのセミナーに参加した人の中から、実際に宣教師となって出ていく人が起こされたわけです。ハレルヤ!
【祈りの課題】
1. 宣教に関心がある方々が、適切に導かれていき、宣教師になる人がさらに起こされるように。
2. 7月24日から26日まで韓国ソウルのサラン教会日本語部リトリートで奉仕をします。準備と祝福のために
「訓練会が終わって」
カンボジア 今村裕三、ひとみ
お祈りと献金を心から感謝します。お祈りいただいたカンボジア教会交友会(FCC)のリーダー訓練会は無事に終わりました。急遽、予定していた三日半が三日間になるハプニングもありましたが、予定していたプログラム「テモテ書第一」「聖書の教えるリーダー像」「聞く耳を持つこと」「伝道」はすべて学べました。三十四人のリーダーが集まりました。その中には、FCCへの加盟を考えている小さな群れの兄姉もおられました。三日間の泊まり込みでの集会で、少しずつ打ち解けてくる様子が伺えて感謝でした。一つの教会を超えた集会を開くと、同じ教会のメンバーでいつも行動して、他の知らない兄姉と交わらない姿を過去に見ていたので、このことは励ましでした。特に、田舎から来た兄姉は、自分たちの状況を分かってもらえる別の田舎の兄姉に出会えて、励まされていたようです。田舎から来た人にとって、都会風な教育方法ではついて行けないところもありましたが、リーダーが一同に集まり、ともに学び、祈り合うことで一体感を感じたようでした。今回、シエムリアップ(カンボジア北西)の教会から参加者がなかったのが気がかりです。いろいろと霊的戦いの多い地域ですが、これから訪問して状況を知っていきたいと思います。(裕三)
教会のリーダー、特にその家族の様子を知るために、家の訪問を始めています。
ポチェトン教会のリーダーのラッタナ兄の家を訪問しました。線路脇のバラック小屋のような家で、青い空から吹いてくる熱い風を顔に感じ、彼らの内職を手伝いながら話を聞きました。内職は縫製済服の糸くず取りで、百二十着でわずか百五十円の儲けです。彼らは訪問した私に十五円のミネラルウオーターのボトルを出し、家に一台しかない壊れかけの扇風機をつけてくれました。私はしばらく風を受けてから「喉も渇いてないし、暑くないから」と扇風機を消します。
ラッタナの妻ヘーン姉は四歳で父親を、十歳で母親を病気で失い、四歳下の妹と共に苦労したと言います。私が「小さかったのに、大変だったのね」と声を掛けると、言葉を詰まらせ頷き「でも今は、神様が良い夫と子ども、家を与えて下さり、とても幸せだから」と微笑みます。彼女は小さい頃からキリスト教のことを聞いてはいたけれど、何となく嫌いだったそうです。大人になってから友達に誘われ教会へ行き、教会の暖かい家族のような人間関係に惹かれ、毎週のように教会へ行くようになり、救われたそうです。
夫のラッタナ兄はタイの難民キャンプで生まれ、十歳頃にカンボジアに帰ってきたそうです。その苦労もいかばかりだったでしょうか。今はNGOの職員として働いています。
家を訪問すると、その地域の様子・家の経済状態・家族の関係がよく分かります。そして教会や集会と違う普段着の姿に出会います。私は教えるのではなく、彼らの話を聞き、近所の人と立ち話をして帰ります。彼らは貧しく、問題を多く抱えています。でも神様の恵みを、何と自然に数えていることでしょうか。何故そうできるのか?それは彼らが、貧しさ、苦労を乗り越えてきたからです。彼らからもっと神様の恵みを学びたいです。(ひとみ)
【祈りの課題】
1. 訓練会を終えた兄姉が、御言葉から学び続け、聖書が教えるリーダーとしての品格を身につけることができますように。そして、教会で、社会のなかでよい手本として証を立てていけるようにお祈り下さい。
2. ポチェトン教会のソムナン兄、ラッタナ兄、スレイポウ姉のリーダーとしての働きが祝福されるように。
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