2010年9月号
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「良いときも、悪いときも」
カンボジア 今村裕三、ひとみ
神様の不思議な導きで、十月末から来年の六月末まで約八ヶ月間、カンボジアOMFの総主事代行としての責任を負うことになりました。今月から、引き継ぎのための準備に入ります。「ふー(F)、大丈夫(D)かな」というのが総主事(フィールド・ディレクター:FD)の任を勤めるにあたっての感想です。今のところ、不思議なことにさほど不安はなく、神様の働きだから神様が必要な力と助けを与えて下さると思えています。
さて、どんな仕事が待っているのかは、まだ皆目検討がつきませんが、約八十人を超える宣教師を抱えるOMFカンボジアが神様の栄光を現す奉仕ができるように導くこと、そしてカンボジア政府などとの折衝、OMFの国際本部や派遣国との連携などがざっと挙げられるでしょうか。現在の責任者のリカーズ師は「主任牧師と事務局長」みたいな役割と形容しました。私には責任の重い働きですが、主の憐れみによって働きに就かせて頂きたいと思います。特に二年前からNGOとしての資格を更新できずにいますが、カンボジア外務省をはじめ、関係省庁とのよい関係を作っていきながら、主の働きがこれからも続けられるように、お祈りに覚えていただけると幸いです。皆さまのお祈りが支えです。(裕三)
「この人が、ひとみと教会にもう一度来られるようにと祈っていた義姉よ」と礼拝前に紹介されました。思い返せば一年前からSさんの訪問時に祈っていた人ではありませんか!喜びと同時に、その方の顔を知らなかったので不思議な感覚もしました。祈りが答えられたのです。
かたや、クラチェ教会のリン姉が亡くなりました。十四年前、クラチェ教会はリン姉のストゥンスワーイ村で始まり、三十名余の集会がもたれていました。当時、ほとんどの村人が福音を聞きました。しかし、リーダーであったリン姉の夫が病気で亡くなり、村人もリン姉の子供さえもクリスチャンであることを止めてしまいました。村で一人きりのクリスチャンとなったリン姉は、やがて高齢・病気で町にある現在のクラチェ教会へ来ることも出来なくなりました。毎回私たちが訪問する度に「この村で以前のような集会が起こされるように」と共に祈ってきました。今まで多くの日本人を含む方々も訪問して、一緒に祈ってきてくださいました。
悲しいことに、リン姉の葬儀は仏式で行われ、教会には葬式が終わった後に知らされたそうです。セイハー師は「悲しいね」と寂しげに言いました。私の手には、リン姉の祈る細い曲がった指の感覚が残っています。私たちの祈りは無力だったのでしょうか?しかし、その時思い出しました。日本の私の友人が病いと闘いながら「良い時も、悪い時にこそ、主の御名をほめたたえる」と言っていたことを。目の前の悪い状況に目をとらわれず、リン姉亡き後もこの小さいストゥンスワーイ村の悔い改めと救いを祈り続ける力が与えられるようにお祈り下さい。特にこの村に来てくださった皆さん、よろしくお願いします。(ひとみ)
【祈りの課題】
1. OMFカンボジアの総主事代行の引き継ぎのために。必要なことを知り、知恵が与えられますように。
2. 9月下旬にカンボジア教会交友会の訓練会がニャックルアン教会で予定されています。よい学びの時となりますように。
「色々な音に囲まれて」
タイ 坂本朋子
本格的な雨季に入ったタイよりご挨拶いたします。日本は梅雨が明けたら猛暑続きだと聞いていますが、こちらは雨季のせいかほんの少しだけ暑さが緩和されて、朝夕は過ごしやすくなりました。
現在私はレベル一最後の課を、コークサムローンというロッブリーより小さな町でホームステイをしながら学んでいます。普段集わせていただいているコークサムローン教会のキンゲーオ姉の所に約一カ月滞在して、クリスチャン・コミュニケーション(お祈り、ミーティングの司会、証など)を勉強しています。英語も日本語も通じない、タイ語オンリーの世界で生活しながら、決して簡単ではないクリスチャン・コミュニケーションを学ぶのは大変ですが、とても貴重な経験をさせていただいています。キンゲーオ姉はコークサムローンの市場の中に住んでいて、カリーパフ(パイ生地で出来たスナック)を売りながら生活しています。クリスチャンになる前に離婚し、一人息子は独立したので今は一人暮らしです。
ホームステイをしながら、十七歳の時に初めてアメリカでホームステイをした時のことを思い出しています。アメリカでのホームステイでは家族は両親とも揃って円満なクリスチャンホーム、プライバシーがちゃんとあって静かな環境‥‥。一方こちらのホームステイは、母一人子一人の家庭、プライバシーはほとんどなし、朝から晩まで喧騒に囲まれての生活‥‥、でもこれがタイ人の現実。しかしどちらのホームステイにも共通することは、私はお客様ではなくて家族の一員だということを思わされることです。相手が私に合わせてくれるのを期待するのではなく、私が相手に合わせていくこと、彼らの普段の生活の中に自分が入れてもらっているということを思いながら生活しています。学校で学んでいる時は、ショーウィンドーから現地の生活や社会を観察しているようなジレンマを感じることもありましたが、市場の中に住みながらこのように内側からタイ社会を体験し、タイの人々と一緒に色んなことを少しずつ共感しながら多くのことを学んでいます。夕飯を食べながら一緒にタイのドラマを見たり、ある時は教会のメンバーで問題を抱えた方がキンゲーオ姉の所にやってきて、その方の悩みを私も横で聞いたり、近所のおばさんのご主人に対する愚痴を聞いたり、バイクのクラクションやバスから流れてくるタイ演歌と共に、タイの人々の内側の思いが聞こえてきます。
でもこのホームステイももう少しで終了。そしてレベル一のチェックを受けていよいよ新しい場所、タイ北部のランパーンに引越しです。今は新しい生活への期待と少しの不安、ホームステイ先、そしてロッブリーを去る寂しさが入り混じった不思議な心境です。でもここまで皆様の祈りに支えられ、主の恵みによって学びと生活が守られたことを心から感謝しています。
【祈りの課題】
1. タイ語の学びを助けてくれるランゲージ・ヘルパーを探さなければなりません。主が適切な人材を与えてくださるように。また時間を上手に管理して、働きとタイ語の学びの両方をバランスよく進めることができるようにお祈りください。
2. ランパーン教会開拓チームのビジョンをより良く理解し、チームの中でどのような責任、役割を担うべきかをリーダーとよく話し合いながら決めることが出来ますように。
「実行できるように」
日本 木下理恵子
猛暑の夏ですが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。皆様のいつものお祈り、ご献金をどうもありがとうございます。ご高齢者や病のある方々には特に厳しい夏の事と思います。主の守りをお祈りします。
最近東京のある教会から、日本人と結婚した中国人女性が教会を訪ねて来たと連絡がありました。ご主人が重い病で、教会に、主に助けを求めて来た方でした。中国のご両親はクリスチャンだそうです。一緒に会って、福音を伝えると本当に素直に主を受け入れました。以前人から勧められた他宗教の物を処分したいと、その一週間後にはご自宅にお伺いし、ご主人ともお会いできました。宗教は嫌いと言いながらも、一言も遮ることなくじっと福音に耳を澄まし、持って行ったトラクトや小冊子も自分から手を伸ばし、読み始めました。最後は自由に祈らせて下さり、祈りの後で「教会に行って、祈るようになってから妻は変わった。本人にも自分にとっても良い方に変わった。」と話して下さいました。このご主人がはっきりと主を受け入れられるように、そして心身共に主の癒しを体験できるようお祈り下さい。またこの姉妹を電話でフォロアップすることになります。お仕事もしておられる姉妹が、必要な時間が取れ、聖書の学びができ、霊的に良き基礎が築ける様にお祈り下さい。
最近弟子訓練をしながら、心に引っかかる事があります。弟子訓練には来るのに、日曜礼拝を欠席しがちな事。確かに日本語でのメッセージや賛美で思いっきり歌えなかったり、理解できなったりしますが、でも主を礼拝する事を大切にして欲しいです。そしてもう一つ気にかかることは、学んでわかった事を余り実行しない事。学びは以前学んだ事が実行され、自分も生活も少しずつ変わって来ている事を前提に進められていますから、本人たちもそのギャップを感じ始めています。私自身もどれだけ主から語られている事に従い、実行しているか反省させられます。どうぞ知識だけの弟子訓練にならないよう、皆が従順にわかった事を実行してくれるよう、そして従った故に体験できる主、その恵みに驚き喜べる様お祈り下さい。
皆様のいつもの御祷援、どうもありがとうございます。
【祈りの課題】
1. 東京のある教会に訪ねて来られた中国人女性の救いを感謝。良きフォロアップが出来、霊的に成長出来る様に。重い病の日本人ご主人がはっきり主を信じ救われる様に。
2. 弟子訓練に来ている姉妹方が、学んでわかった事を実行するように。そして従う事で主とその恵みを体験できる様に。主を第一にし、日曜礼拝を大切にし、出席するように。
「「ヨーロッパ・キリスト者の集い」マドリッドにて」
日本 ディアスポラ伝道 横山好江
七月二八日〜八月一日とマドリッド(スペイン)で開催された第二七回ヨーロッパ・キリスト者の集いに夫と共に参加しました。「主に造りかえられる」とのテーマのもと、早朝から夜に至るまで様々なメッセンジャーによってキリストの似姿に作り変えて下さる主の恵みを覚えました。私たち夫婦は十七回目の参加。そのうち一回は開催者側として奉仕させていただいたことでした。
「集い」は信徒運動として始まり、ヨーロッパの日本語教会・集会が順番に開催の任を負います。会期中に行われる代表者会議で次の開催地を決めます。二〇一一年はイギリスで、二〇一二年はオランダで、二〇一三年はフランスでと決まりました。
今年二〇一〇年の開催地は、二年前の代表者会議でマドリッドと決まりました。それ以降、マドリッドで奉仕していた伝道師が家庭の事情で帰国し、中心的な信徒が他国へ転勤となりました。昨年の代表者会議で話し合った際には、日本人姉妹とそのスペイン人伴侶の二人しか、開催者として奉仕できる人がいないという状況になり、応援の要請がなされました。それに応え、子供および中高生のプログラムを引き受けてくださる方、大会で配られるプログラム作成を助ける方などが起こされ、在マドリッドの夫妻と、転勤された姉妹との絶妙なコーディネーション(連携)の中、当日を迎えました。半年前には、恒例の自由時間中の観光プログラムを担って下さる姉妹が与えられました。私達夫婦も二度目のスペイン訪問の機会を活用して、会場のある街エルエスコリアルの修道院を、翌日にはセゴビア観光をし、大聖堂とお城(ディズニーの白雪姫のモデルとなったという)を訪ねました。最高気温は三十度を越え湿度は二十五%前後と、湿気のない暑さに体が慣れるのに時間がかかりましたが、最後まで支えられ感謝です。
OMF宣教師計九名が集まり、互いのために祈る時も持ちました。ロンドンJCF(日本語教会)のヤング師、スイス日本語教会のゲルスタ師夫妻、ケンブリッジのスティーブンス師夫妻(写真撮影の際に間にあわなくて残念)、ドイツのナイツル師夫妻と、OMFの働き人が欧州日本人伝道に貢献できていることを主に感謝します。アメリカからJCFNの黒田摂師、そして日本の私から全国帰国者大会の報告をし、さらに協力・連携を進めることができたのも嬉しいことでした。お祈りを感謝しつつ。
【祈りの課題】
1. 10月3〜9日、ディアスポラ伝道部リーダー会議&訓練会がシンガポールで行われます(予定)。ケンプ新部長の下、8月から始動した新リーダーシップ・チーム(横山好江師含む)によいチームワークが与えられ、御心を担っていけますように。
2. ANRC(全国帰国者大会)から誕生したRIM(みちのく帰国者の会)が10月10−11日と岩手県シオン錦秋湖にて第1回キャンプを行ないます。東北地区の帰国者が主の体の一部として生き生きと歩むため、このキャンプが用いられますように。
「メンタル・ヘルスの問題」
カンボジア 小川文子
人口の約半分が心の病を持っているというカンボジア。ポルポト時代の生存者(千四百万人中、約五万人)では七十%に上るそうです。多くの人々は、車をよけ野次を飛ばしながら元気に暮らしているように見えますが、その心は復讐、人の目、迷信、罪責感などからの恐れがいっぱいです。虐待や目を覆いたくなるような事件も多く、新聞によれば昨年、四六〇人がレイプされ、そのうち三六六人は子供だったそうです。このようなことを通して、どれだけこの人たちが深く病み、傷ついているかを思わされます。精神的ケアはまだまだ行き届きません。精神科医は国に四十人だけ。しかも人口の八十%が住む田舎には、十人しかいないそうです。しかも薬を出すだけの時もあるそうです。でも、仲間のカウンセラーが言っていました。「ストレスとバランスを取りながら生きていく上で、クリスチャンとして岩を持っているということは、大きな違い」だと。本当にどんなに大きなことでしょう。また、人々はカウンセリングよりも、小グループでの交わりや教会の牧師や長老のもとに行くことが多いようです。各地の教会に人々の痛みを受け止める力が与えられ、さらに多くの人々がこの救いの岩を頂くことが出来ますように。なおこの国のために祈って頂ければ幸いです。
【祈りの課題】
1. 9月4日にニャックルアンに引っ越し、最初の二ヶ月はホームステイをします。不安定な移行期の中で、霊肉共に守られ、人々とよい関係を築いていけますように。
2. プノンペンで会った工場労働者の女性たち(スレイ・ロン、サロンとその娘スレイ・ナイ)の救いのために。サブリナ師がひきつづきフォローアップしています。
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