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2013年9月号  page1  page2


「神の数え方」
マイク&ロゥエーナ・マッギンティ師夫妻

岩手にて。いっぽいっぽ山田の一周年を記念して  岩手には様々な独特の文化がありますが、ある日私はその一つを目の当たりにすることができました。東京行きの新幹線に乗り換える前に、お昼ご飯を食べていた時のことです。猛烈なスピードでお椀の中のそばをかきこんでいる男性の上からかがみこむようにして、給仕役の女性が素早い動作で、次々とおかわりのそばを投げ入れていきます。みるみる空のお椀が積み上げられ、彼がもうこれ以上食べられない!と降参するまで、その不思議な光景は続きました。後でそのユニークな行事が「わんこそば」と呼ばれること、そして最近のわんこそば競争の優勝者は、十分間で実に三百八十三杯ものそばを平らげた、と聞きました。わんこそばは岩手を訪れる多くの観光客に人気で、人々は自分が何杯食べたかを記録した証明書をおみやげにもらって帰るそうです。

結果を数えて
 二年間の岩手での復興支援活動も終わりに近づき、それまで延期していたアメリカへの一時帰国の準備を進めながら、私たちは普段の教会関係の奉仕とは異なった今回の働きのまとめをしようとしています。まるで二年間のわんこそば競争のようだった日々、その間に行なわれてきた様々な活動をどのように評価したらよいのでしょうか。今も私たちの前に積まれて、過去の多くの困難を思い出させる、それらお椀の山をどう数えたらよいのでしょう。
 こうした様々な問いについて思いめぐらしていますが、まずはシンプルに自分たちが配った山のような米袋を数えることから始めるべきでしょうか。配ったリンゴや電気毛布、何箱もの洗濯洗剤、ジュース、手袋なども数のうちに入れなければならないでしょう。又はいっそ物資ではなく他の分野に目を向けて、犠牲を払って私たちと共に働いて下さった何百人ものボランティアを数えるとよいのかもしれません。又は様々な仮設住宅を訪れながらコーヒーショップを開いた回数や、被災者の住まいを訪ね、挨拶し、支援物資を手渡した回数も数えられるかもしれません。「いっぽいっぽ山田」は、地域の人々の憩いの場となるようにと一年前にオープンした場所ですが、過去に何人の人々が訪れてくれたか正確に分かります。本間兄が詳細に記録して下さったおかげです。
 もっと霊的なものを数えるならば、手渡したトラクトの数、新たに始めた聖書の学び会の数、そしてもっと大切な受洗者の人数を数えることができるでしょう。こうして私たちは様々な多くのものを文字通りに数えあげることはできますが、これらの価値と意味は単なる数値で測ることはできません。

仮設住宅にて 永遠を数えて
 この二年間で私たちの前に積み上がったお椀の持つ意味を評価しようとする時、私たちは神の数え方は私たちの数え方とは全く異なることを忘れてはならず、神のそのような見方を常に心に留めていることが大切です。「主の御前では、一日は千年のようであり、千年は一日のようです」( II ペテロ三・八)と私たちは教えられています。又、神は失われた一匹の羊を熱心に探し続けるよき羊飼いでもあります(ルカ一五・四)。さらに神は何億もの星々を一つ一つご存知であり、同時に私たちの髪の毛も、あらゆる砂浜の砂つぶの数もご存知の方です。それでも一羽のスズメすら神のお許しなしには地に落ちることがないのです(マタイ十・二九)。神は途方もなく広い全体と、一見何のへんてつもない個々人両方を全て一望のもとに、しかも時間を越えてご覧になれるお方なのです。
 私たち自身が経験したこと、そして共に働いた兄姉たちの数えられないほどの経験とは、とても複雑にからみあっています。それらをほぐして分けることも、それらの出来事にどんな意味があるのかを特定することも難しいと感じる時、これらの真理を心に留めておくことが大切です。幸いなことに、私たちは分けたり意味づけをしたりしなくてもよいのです。このような災害をお許しになり、又私たちをここに導いた神は、その御前に信仰の内に置かれたお椀を受け取り、永遠の御目的のために用いて下さることでしょう。このようにして私たち夫婦は、今は数え上げる時ではなく、むしろ立ち止まって神のご真実さゆえに感謝をささげ、今理解できないことについては、ただ神を信頼する時だと気づかされました。

無駄を数えて
 伝統的なわんこそばを見た時、最初私はショックを受けました。震災の被害に苦しむ岩手沿岸地域の日常とあまりにかけ離れて見えたからです。同じ県の他地域では、仮設の避難所が何とか食料を調達しようとしていた時に、そこでは食べ物を無駄にしているように思えてしまったのです。同じように、これほど大規模な災害においては避けられないことですが、緊急に手配された支援物資が無駄になってしまうこともあり、それを見て悲しく思うことも時折ありました。圧倒されるような状況の中、人々の状況は目まぐるしく変わり、その時々の必要は何かを見きわめようとしながら支援活動を行なってきました。しかしどんな状況でも人員、金銭、物資、時間などを最善に活用できたとは言えませんでした。
 しかし、文字通り根底から揺るがされたこの国で、キリストのからだである諸教会が多くの、そして驚くほどの行動を起こしました。そして今も日本の教会の中には力強い動きがあります。そして私たちも微力ではありましたが、そのような中で働くことができたことを心から感謝しています。又、多くの神の民が犠牲を払い、信仰をもって愛の行動や言葉で仕えてくれました。災害が起こるまでは見逃されがちであったこの地域に蒔かれたそれらの種が、決して無駄になることはないと私たちは確信しています。

未来を数えて
 一つまた一つと支援団体がその働きを閉じていき、被災地を訪れるボランティアの人数も減少し続けていますが、被災地には被災当時のままのものがまだ多く残っています。今も仮設住宅で暮らす何万人もの人々、部分的にしか修復されていないインフラ設備、依然高いままの失業率、家屋の基礎部分だけを残して手つかずのままになっている広大な土地は、なすべき仕事はまだ山ほどあるのだ、と無言の内に語っているかのようです。 これら長期的な課題に対する関係省庁の対応が二転三転する間、神の教会と神の民の復興に対する取り組みは続いています。それは教会開拓の場合もあれば、慰めの言葉と行動をもって傷ついたコミュニティに静かに寄り添おうとする働きの場合もあるでしょう。十年後、一時期住むことが許されたこの岩手の地に戻る機会を神が与えて下さるならば、その時にはこの地で主によって変えられた多くの魂を、特にがれきの中から生まれた諸教会を見ることができるように、と私たちは願っています。今後OMF岩手支援プロジェクトは高橋牧師をリーダーとして、二〇一四年五月まで続けられます。他のボランティアやスタッフの方々と共に、チームは神の恵みと神のご栄光のために、さらに多くのお椀を重ねていくことでしょう。どうかお祈り下さい。


「あなたがされたように」
日 本 菅家庄一郎、容子

 七月十三日〜十五日まで、日光オリーブの里という場所でOCF(海外キリスト者交友会の略、日本で学ぶ留学生と卒業生のための会)キャンプがありました。キリスト者学生会でOCF担当の鎌田主事が一回のメッセージと聖書研究、私が二回のメッセージを担当しました。
 今回は韓国人留学生二名、ベトナム人留学生一名、アメリカ人宣教師一名、その他は日本人という構成でした。韓国人I兄は、KGKにも関わり、バイトと学びに忙しい生活です。韓国人I姉は、すでに働いていて日本語は日本人のように上手でした。ベトナム人のG姉は大学生ですが、なかなか日本人の友人ができないとのことでした。
 申命記二四章一七〜二二節で、モーセはイスラエルの民に向かって在留異国人やみなしごの権利を守り、畑の収穫の一部を彼らのために残すように命じています。あなたがたがエジプトでは奴隷であって、主がそこから救い出して下さったことを忘れるなと命じています。
 留学生の多くが「日本人は外国人に対して冷たい」と感じています。確かに言葉や文化の壁は大きいかもしれませんし、留学生の側に問題があることもあるでしょう。しかし、もし日本に来た留学生が、たった一人の日本人からでも本当に愛し受け入れられたという経験をもつならば、その人の日本に対する印象は大きく変わるのではないでしょうか。
 多くの日本人が海外で信仰をもつと言われています。慣れない海外生活において、その国の人々に助けられた経験をもつ人は多いのではないでしょうか。ならば、同じような経験をしている留学生のために私達も何かできないでしょうか。留学生の中には、母国では全く福音を聞いたことがなかったという学生もいるのです。OCFの働きに関心のある方は担当者の吉岡節子姉(メールアドレスはsharomsetsuko@docomo.ne.jp)までご連絡ください。(庄一郎)
 むっとする蒸し暑さの後、突然空の色は陰り激しい雨が。ゴロゴロ、ピカッ!カンボジアの雨期を思わせるような豪雨が日本各地で記録的な降水量をもたらしました。日本の夏は年ごとに厳しくなっているように感じますが、皆様には如何お過ごしでしょうか。変わることのない主の恵みと慈しみを覚えつつ、皆様のお祈りを心から感謝申し上げます。
 先日板橋祈祷会に今村先生ご夫妻がおいでくださり、宣教報告の時が持たれました。「宣教報告は、皆さんの祈りの結果をお伝えすること」と喜びに満ちてみことばを分かち合い、第二期の働きの報告をしてくださいました。「生の声で宣教のお働きをお聞きでき、本当に教えられました。」「写真を見せて頂きながらお話を伺って、今まで良く分からなかったところがとても良く理解でき、また先生ご夫妻のご苦労も察することができました。」「何時も祈ってはいますが、やっぱりお会いしてお話や写真など見せていただくともっと身近に感じ、これからのお祈りにもより力が入ります。」皆さん、大いに励まされた素晴らしいひと時でした。
 裕三師の、現状を良く観察し、カンボジア人の教会を建てあげるには何をどうしたら良いかを見極める洞察力とリーダーシップが神様に豊かに用いられている様子、そして、ひとみ師が忠実に教会の家庭を訪問し、彼らの現状を良く知り、寄り添って主の働きを祈っておられる様子を見るにつけ、一見違うことをしておられるかに見えるお二人の働きが、実は素晴らしいチームワークで、カンボジア人の教会を建てあげるために用いられていることが良くわかり、主を崇めました。
 普段は遠く離れていても、祈りを通して宣教の働きはまさにチームワークで推し進められていきます。心を合わせて祈る中、共に神さまの力ある働きを見せて頂けるとは、何という特権でしょうか。
 この夏、各地で持たれる伝道キャンプで主にあるチームワークが祝され、救いに入れられる方が多く起こされますように祈りつつ。(容子)

【祈りの課題】
1.9月17日の日本委員会のために。一つ一つの議事に主の御心が示されますように。
2.9月19日〜28日まで、総主事はシンガポールでの国際会議のため出張します。OMF全体の組織編成のための重要な話し合いがあります。主の御心が明らかになりますように。


「在外邦人伝道 戦略会議」
日 本 ディアスポラ伝道 横山好江

戦略会議  ディアスポラ伝道部、在ヨーロッパの働き人のためのコンファレンスが七月一〜五日とイギリスで行なわれ、約三十名が集められました。うち英国人が二十二名ですから、やはりイギリスで行なうのは頷けます。対象となる在外東アジア人の内訳は、日本人十三名(うちOMF所属ではない立場の者が四名)、タイ人五名、中国人四名と、珍しく在外邦人伝道に携わる者の人数が一番多くなりました。ドイツで中国人伝道の働きを担う二夫婦が都合で参加できず残念でした。聖書講解の講師はマーティン&エリザベス・ゴールドスミス師。オールネイションズ・クリスチャン・カレッジで長年教えられ、参加者の中にはその時代の学生だった者達も複数おり旧交を温めていました。マーティン師はユダヤ人として育ち、その経験の豊かさから多くを教えて下さいます。エリザベス夫人とは私は今回初めてお目にかかりましたが、夫君に並ぶくらい著書が多く、ご自身の家系が五世代にも及んで宣教に携わって来られた歴史を記したもの等、夫妻の著書計四冊を購入させていただきました。
 プログラムは、共通の課題である帰国者の準備と訓練についての話し合いと学び、ディアスポラ伝道部全体に関わる事柄、対象となる民ごとに分かれての会議などでした。私は在外邦人伝道に関わる事柄のために後半から参加し、コンファレンス終了後、場所をチーム・センターに変え、そこで一泊して戦略会議を行ないました。八月はじめにフランスで行なわれるヨーロッパ・キリスト者の集いにほとんどの者が出席するため、そこで行なうことも検討したのですが、この会議をリードするケンプ部長の都合と合わなかったため、私がこの機会にイギリスに飛ぶことになったのでした。
東京新生教会にて今村師夫妻宣教報告(7月25日)  七月五〜六日と行なわれた戦略会議にはナイツル師夫妻(ドイツ)、スティーブンス師夫妻(イギリス)に加えオア師夫妻(北アイルランド)が新しく加えられ感謝です。ヤング師夫妻は今年三月をもって、奉仕しておられたロンドン日本語教会を辞され、再度日本での宣教に備えるべく教会巡回の時期に入っています。この会議のテーマの一つは、効果的な在外邦人伝道と帰国者訓練です。前者に関しては、英語環境で導かれる日本人の場合、導いて下さる現地のクリスチャンに日本人伝道についてよく知って貰う必要があります。後者については、帰国前にすべきこと、そのために必要なネットワークの構築、帰国後にすべきこと、そのための日本でのネットワーク構築について話し、具体的な次のステップと担当者を決めました。実り豊かな話し合いとなり、お祈りを心から感謝しています。

【祈りの課題】
1.ディアスポラ伝道部長ケンプ師は教会巡回を終えて8月から奉仕に戻る予定でしたが、健康面の新たな課題のため治療療養を要するようになりました。癒されますように。
2.7月5日〜6日と行なわれた在外邦人伝道・戦略会議の決議事項を、担当者それぞれが担い進めていけますように。


「オープン!」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

50年前のミェン語がよみがえる  七月一日、無事メルボルンに到着。主人にとっては二年目の前期です。皆様のお祈りに支えられ順調な始まり。
 昨年友達になった中国人の空(そら)ちゃんは、大学内のキリスト者学生会の留学生交流会で信仰が成長しています。そして、学生を中心とした開拓中の教会の会員になりましたので、あとはその教会に委ねました。
 昨年、私たちはこの留学生キリスト者交流会には、一度も参加できませんでした(それどころでなかった)。今年こそは!とオープンの日に行ってきました。「日本人は女子学生一人だけなので、会いに来てみてほしい」と、日本で言えばKGKスタッフに当たる人から頼まれていたのです。
コックス宣教師家族、1950年代  その日、その女子学生の他に日本人男子学生三人が初参加。彼らは異口同音に「日本人を見かけたこともなければ会ったこともない。会えて嬉しい」。新入生歓迎会の後「とても楽しかった」と言っていました。地元の教会の人たちも協力し、この会からキリスト者になった学生たちが中心になって熱心に伝道している姿に励まされました。どうか日本人の学生たちの心が開かれ、この会の友達に繋がり、キリストに繋がっていきますようにと祈ります。
 また、昨年から聖書の学びをしている日本人の男性とは別に、神様は新しくチベット系の中国人男性の言語学研究者二人を送ってくださいました。一度一緒に教会に行きましたので、続けて誘うことができるようにお祈りください。「私たちができることは限られています。主よ、助け人を送ってください」と祈っています。(たまみ)
ミェン族の最初の伝道者、グエイツィン(貴清)1950年代  オープンリールテープというものを見たことがある方は今何歳くらいでしょうか。これはカセットを縦横四〜五倍、厚さを十倍ぐらいにしたトランクのような箱の上で、カセットの中身をむき出しにしたものの直径三倍くらい、幅を二倍にした程のテープを左のリールから右の空のリールに巻き取って音を聞く代物です。
 一九六〇年代に、タイ北部のメーチャン町で録音されたミェン語がオープンリールテープに収録されています。これを再生するプレーヤーを見つけることは、カセットテープすらも全く売らなくなったタイでは不可能でした。ところが、ついにラトローブ大学のコミュニケーション学部のスタジオで見つけました。七月と八月はタイから持ってきた約四〇本のテープを一本一本聞きながらデジタル化しています。
 五〇年前のミェン語はタイ語の影響を受けていない、聞き惚れるような発音、語彙、文法の、気品あるミェン語です。また一九四九年以前に中国のリス族で奉仕していたエリックとヘレン・コックス師夫妻が、タイへ退去した当時を偲ぶこともできる一次資料です。リス族での経験を生かしタイのミェン語を学び、ご主人は新約聖書の翻訳を始め、奥様は後輩宣教師が来るときのためにミェン語修得のための教科書を作りました。その発音練習の録音も掘り起こすことができました。
 そればかりではありません。コックス師たちの祈りと助けで十五年以上アヘン漬けだった村長グエイツィン(貴清)というミェン族がアヘンをやめ、クリスチャンになったときの様子が分かります。うわさに聞いていた彼の説教を聴くことができ興奮しました。福音の真髄の的確な提示、聞く人の文化と生活環境の熟知、愛と親身な同情心から熱く訴える真剣さ、失われた人を探し求める神の心の共有が溢れている説教。今の若いミェン族の牧師たちも私も暗記すべき説教です。
 こういう資料から文法を抽出します。学者のためだけでなく、後継者牧師・宣教師の益となる文法、歴史を後代へつなぐ文法を書くことができるようにお祈りください。(達朗) 

【祈りの課題】
1.研究所に新しく来た2人のチベット系中国人言語学研究者(男性)を地元の教会に誘っています。彼らの福音理解のため、また教会の人がチベット仏教を理解しながら福音を伝えることができますように。
2.バンドゥーラ長老教会、ラトローブ大学キリスト者学生会(留学生部)、メルボルン日本語キリスト教会とのかかわりが増えてきて感謝していますが、時間の配分を適切に行い、論文を精力的に書き進めることができますように。

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