2013年10月号
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「キリストを伝えるために」
―OMFタイ、祈りの ニュースレターより―
ビデオを通して
プレムさんはタイの北東部で育ちました。仏教徒ではありますが、カトリックの学校に行きそこで祈ることも覚えました。子供の頃彼は悪霊が怖かったのですが、祈るたびに怖さがなくなり心に安らぎが戻ってきました。五十歳になった今、彼はその経験を話し、キリストの話をするといつも心が動かされる、と言います。又、重要な決断をしなければならない時、神のことを第一にするならうまくいったが、そうでない時はうまくいかなかった、とも言います。「神様はあなたのためにそれ以上のものを用意して下さっていますよ」と伝え、キリスト教のビデオも渡しました。
(ズィガート師夫妻、ナコンサワン県、ワット・サイで教会開拓中)
お祈り下さい
★プレムさんが主を追い求め、人生のあらゆる状況において神を知ることができるように。
★配布されているビデオを観た人々の内に聖霊が働いて下さり、回心へと至るように。
インターネットを通して
ミンさんは二十歳の女性ですが、母親の絶え間ない異性関係に悩んでいました。彼女はインターネットを通じてキリスト教に出会い、フェイスブックを通じて私たちの教会を知りました。彼女は教会のリーダーに電話で問い合わせ、二人は会って話すことになりました。悩み事を親身になって聞いてもらえることを彼女は喜んでいました。やがてミンさんはキリストを救い主として受け入れる祈りをしたのです。現在も彼女は教会に通い、新約聖書の半分まで読み、もっと神を知りたいと熱心に願っています。
(ロバートソン師夫妻、スパンブリ県で開拓伝道中)
お祈り下さい
★ミンさんがキリストの弟子として成長するように。
★インターネットやSNSなどを通して、さらに多くのタイ人がキリストのもとに導かれるように。
書物を通して
なぜ国立大学に勤める仏教徒の教授が、宗教と関係ない授業のために、カノック・バナサン(タイにあるOMFの印刷所)にキリスト教の本を注文してきたのでしょうか。彼が注文した本は、カンボジアのキリングフィールドで家族を虐殺されたカンボジア人、ソックラクサー・ヒムが書いた「我が魂の涙」というものです。内容の大部分はクメール・ルージュ政権下にあった当時のカンボジアにおける、彼自身の体験した生と死の記録です。物語が明らかにしていきますが、彼はやがてカンボジアからカナダへと移住し、そこでクリスチャンになります。そして怒りとうつ病、苦々しい恨みにさいなまれるのです。大変な心の苦しみを経た後、ついに彼は赦すことを学びとり、祖国の人々に仕えるべくカンボジアに戻っていきます。この本のタイ語版は二〇一二年七月にカノック・バナサンから出版されました。
恐らくこの教授は東南アジアの歴史に関連した本として生徒に読ませたかったのでしょう。しかし生徒たちがこの本を読めば、歴史の中で著者が実際に体験した事実だけでなく、キリストにある赦しのメッセージにも触れることになるでしょう。
(カール・ダルフレッド師、カノック・バナサンにて奉仕)
お祈り下さい
★この「我が魂の涙」をはじめとした様々な本を通して、読者の心が主へ向けられるように。
★人口の九十八パーセントがまだ主を知らないタイ国で、クリスチャン書籍がさらに広く配布されるように。
証を通して
ソーウィングおばさんは夫のアムヌエイとグルアイ(バナナの意)、ノック、ゲーの三人の孫と共に、田舎の粗末な小屋に住んでいます。彼女の子供たちは他の町に出稼ぎに行っていますが仕送りは少ししかなく、三人の孫を育てるには足りません。日々食べていくのにも、少額の借金を返していくのにも、苦労している生活です。一年ほど前に夫のアムヌエイは事故に遭い、外を自由に歩くことができなくなってしまいました。こうしてソーウィングさんは彼女が言うところの「一人で五つの胃袋を満たす」ことになったのです。 家族は近くの川で魚を取り、空き地から空芯菜を取って売り、時には米も収穫して質素な暮らしを続けていました。
昨年、ソーウィングおばさんは市場で働くワンさんから福音を聞いて、キリストに従う決心をしました。神は祈りに応えて身体の癒しも与えて下さり、アムヌエイも主を救い主と信じました。現在彼は以前よりもずっと身体が動くようになり、空芯菜の収穫作業や家事も多少手伝えるようになりました。ソーウィングとアムヌエイの神さまについての知識が増していること、そして彼らのとても困難な状況に主が助けを与えておられることに、私たちは喜びつつ彼らと共に感謝をささげています。
贈り物を通して
クリスマスにはこの三人の孫たちに、クリスチャン団体からの靴箱に入った贈り物を届けることができました。三人の内、家にいたのは二人でした。この子たちは贈り物というものをもらったことがなかったため、箱の中から素敵な物が出てくるたびに歓喜の叫びを上げ、周囲の大人たちを微笑ませていました。箱の中からキリストについての絵本が出てきた時には、子供たちに「これは他の贈り物よりずっと大切なものよ」とも伝えました。ゲーちゃんはもらった箱をしっかり抱きかかえながら、地面に座り、声を出して絵本を読んでいました。
(クリス&サラ・ケイラー師夫妻、シンブリ県で教会開拓中)
お祈り下さい
★タイ国各地に住み、働いているクリスチャンたちが、福音を必要とする隣人たちに忠実に福音を伝えることができるように。
★クリスマス、バレンタインデー、イースター、その他様々な時に用意される贈り物を通して、御霊が人々の心に働きかけて下さるように。
★受け取った贈り物を通してゲーちゃんがイエス様に応答することができるように。又、自分に自信が持てず、進路の展望が開けない思春期のノックちゃんのために。
愛の行動を通して
二〇一一年ナコンサワンで起きた大洪水以来、教会は健康と経済問題で悩んでいる障がい者の女性プラニーさんと彼女の二人の孫たちと連絡を取り合っています。最近、神様は一家が必要としていたある作業を教会が手伝うように導かれ、その結果プラニーさんに大変感謝されました。さらに地域のリーダーのウイさんは、そんな教会のプラニーさんへの愛とケアに満ちた行動を見て、感心したと言っていたそうです。この地域で、そしてさらに地域を越えて、主の御名に栄光が帰されますように!
(ズィガート師夫妻)
お祈り下さい
★こうした愛の行動が傷ついている人生に希望を与え、彼らの心がイエス・キリストの内にのみ見いだせる救いに対して開かれますように。
★神の時に祝福の収穫を得るため、タイ人クリスチャンと宣教師たちがたゆむことなく善を行ない続けることができるように。
「第三十回ヨーロッパ・キリスト者の集い」
日 本 ディアスポラ伝道 横山好江
七月三一日〜八月四日とパリにて行なわれた「ヨーロッパ・キリスト者の集い」に夫と共に参加しました。前日三十日からはプレ大会として備えの集会があり、そこから加わりました。
「集い」も回を重ね、今年で三十回になります。信徒運動として始まった歴史が紹介され、皆勤の方々を記念する時が持たれました。約二百五十名の参加者には子ども達や青年達も含まれます。その奉仕をして下さる兄弟姉妹も立てられています。メインの集会には殆ど出られず、奉仕に専心している方々に頭が下がります。プログラムの計画や準備に時間とエネルギーをかけ、大会中は若い方々と寝る時間も惜しんで交わっておられます。私達夫婦は今回、暑さと(パリもかなりの暑さ)時差ボケ(年齢と共に体に堪えるのか)で、休息時間をかなり要しました。
夫は小学科の奉仕に声をかけていただき、準備の段階から加わっていました。印象的だったのは、夫が十字架と罪の悔い改めのお話しをした後、就学前の子ども達と直接話したところ「悪いこと全然してないよ、お母さんの言うこともちゃんときいてるし」との答えがあり、なかなか分かって貰えなかったと彼が暫く悩んでいたことです。その後何回か話していくうちに「兄弟をつねった」など、だんだん出て来たとのことです。どんな年齢でも聖霊によらなければ認罪はないのだと思わされました。
今回は「帰国後の信仰生活」というセミナーが設けられ、関西から参加されたブリッジ・フォー・ヨーロッパの有木義岳師と在欧日本人宣教会の主事である私の夫、横山基生が話した後、質疑応答が持たれました。同じ題の分科会もあり、私が担当させていただきました。今回はヨーロッパ在住の方々の家族など、日本からの参加者が多かったのが印象的でした。「日本のどちらの教会ですか」と話がはずみ、これがまた帰国者のためのネットワークとして用いられるのでは、と主に期待しています。
八月一三日には、この夏短期宣教のためにカナダから日本に来られたフィリピン人兄弟Jさんと一日を過ごしました。二年前、ディアスポラ伝道部の会議がトロントで行なわれた際、「日本人伝道に熱心な兄弟に会ってくれ」とOMFカナダの総主事が会わせてくれました。それ以来、彼がカナダで導いている魂について報告を受け祈ってきました。今回、彼の念願の来日が実現し、OMF短期宣教プログラムでの経験を通して、長期の宣教師となる召しを確かにすることができたそうです。彼の証し。親の仕事のため中東で育ち、十代でフィリピンに帰国。いじめを経験し「成績が良くなればいじめられなくなる」とトップの成績を取るも心は満たされなかった。カナダに大学留学した際にクリスチャンと出会って救われた。ディアスポラ(離散)の民に働かれる主の御名を崇めます。
暑い中も祈りの友の皆さまの祈りによって支えられました。心から感謝します。
【祈りの課題】
1.宣教報告に書きましたJ兄(OMF短期宣教プログラムでこの夏来日)が、日本への長期宣教師という主の召しに応えてカナダで準備中です。主が豊かに導いて下さるように。
2.11月5〜9日とディアスポラ伝道部の会議が香港で行なわれます。ケンプ部長が病欠中、準備を進めているソーテバーグ師(在アメリカ)とリーダー達(横山好江師を含む)のためにお祈り下さい。
「宣教と文法と祈り(二)+特別のお願い」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
近代宣教の父と呼ばれるウィリアム・ケアリーの言葉をご紹介しましょう。長男のフェリックスが二十二歳のとき、父の奉仕地であるインドはセランポールからビルマ(ミャンマー)へ宣教師として出発(一八〇七年)するときの助言です。
「ビルマ語の学びに最良の時間と最大の関心を注ぎ込みなさい。表面的なことを学んだだけで満足せず、自分の体の一部となるまで修得しなさい。現地の人々の言い回し、文法構成要素、なまりを注意深くまねて、流暢さを獲得しなさい。そっくりに真似る力は、学んだことをすぐに使わなければ身につかない。十分身についたら直ちに文法書を書きなさい。御言葉のトラクト、簡単な信仰の手引き、初心者にわかりやすい福音への招きなどの原稿を送ってきなさい。こちらで印刷するから。」
父の助言に従い、フェリックスは『ビルマ語文法』を一八一四年に出版。実は「ベンガル語―英語辞書」「バーリ語文法」「ビルマ語マタイの福音書」の原稿もできていたのですが、同年、船の転覆事故で妻と二人の子供と諸共に全てを失なったのでした。『ビルマ語辞書』は、彼の蒐集した資料に基づいて死後四年目に(一八二六)出版されました。
「文法書を書きなさい」との言葉は、生涯で三〇の言語に聖書を翻訳したウィリアム・ケアリーの口から発せられたゆえ重量があります。フェリックス・ケアリーが作った文法書と辞書は、きっと後にビルマへ来たアドニラム・ジャドソンやヘンリー・マーティンの宣教開始に役立ったことでしょう。
今書いているミェン語文法が、宣教の広がり深まりのため用いられるようにお祈りください。
さて、去年はできなかったことで今年できるようになってきたこと。たまみが月一度メルボルン日本語キリスト教会で奏楽の奉仕をすることになりました。
先日その教会に出席したときマイケルさんという方に会いました。彼は日本で仕事をしていたとき武蔵野福音自由教会で救われ、故古山洋右牧師よりバプテスマを受け、結婚の司式もしていただいたとのこと。
実は私も高校生の時、札幌へ伝道に来られた古山先生に信仰告白の祈りを導いていただきクリスチャンになったこと、二十一年前の派遣式では、OMF日本委員会の一人として私たち夫婦の按手に加わり、代表して祈ってくださったことをお証しさせていただきました。
マイケル兄はメルボルン日本語キリスト教会の牧師招聘委員の一人として奉仕しています。(達朗)
特別のお願い
十年ほど前に数回、チェンマイ日本語キリスト者集会のために、牧師が与えられるように皆様にお祈りしていただいたことがありました。神様は皆様の祈りに答えて下さり、現在、野尻牧師夫妻がおられます。
今回は是非、メルボルン日本語キリスト教会に牧師が与えられますようにお祈りください。この教会は、現地のカンタベリー長老教会の日本語部礼拝、という位置づけにあります。今年三月にこれまでおられた牧師が日本へ本帰国され、それ以来牧師のいない状態です。集っておられる方々が精一杯、それぞれの係りで責任を担っています。牧師がいない中で信仰をもたれた方、また、献身に導かれた方がおられます。そして大変な中で、みなさんの横の繋がりがしっかりしてきて嬉しい、という感想がありました。
しかし限界があります。信仰をもたれた方へのケアがちゃんとできているだろうか、誰ができるだろうか、神様、助けてください、と世話人会(コーディネーター)の方々が祈っておられます。
この群れにふさわしい牧師が遣わされますようにお祈りください。以上の件、メルボルン日本語キリスト教会の牧師・招聘委員の方々の了承を得て公開いたしました。(たまみ)
【祈りの課題】
1.メルボルン日本語キリスト教会は3月以降無牧となり、牧師になってくださる方を公募しています。神様がふさわしい方を送ってくださるようにお祈りください。
2.寸暇を惜しんで文法執筆に従事する研究所の仲間と時間をとるのが難しいです。教会の伝道会に来た同僚に引き続き証しができるように。
「主にある労苦は無駄ではない」
シンガポール 佐味湖幸
八月はいつにも増してため息が多く出、眉間に縦じわのよる月でした。色んな国からの宣教師志願者の審査が様々な問題のために進まないのです。コミュニケーションの問題、またどの宣教団体との協力関係の元に宣教師候補を送り出してもらい受け入れるのか、というニューホライゾンズ特有の課題もありますが、宣教師志願者個々人の資質の問題も多くあります。また、協力団体との相互理解のために同意書が必要になりますが、今月はある協力団体との間の同意書作りに頭を悩まし、何時間費やしたかわかりません。相手の文化の中でどのような理解と協力体制を求めなければならないかを考え、適切な言葉に表すこと(それも英語で)は至難の業です。
「この働きは本当に進める価値があるのか?」「いったい何をやっているんだろうか? 大変なことに頭を突っ込んだものだ!」「だいたい誰がニューホライゾンズなんていうことを考えたんだ?」という投げやりな疑問が頭をよぎることもありますが、主の前に静まるときに、この働きは確かに主からのものであり、将来OMFの働きにとって大きな鍵になると確信が与えられます。
産みの苦しみとも言えるところを通りながら、主を見上げる時、第二コリント十五章五八節の御言葉が思い出されました。「主にある労苦は無駄ではない」そして、主は困難があっても私が前進していけるように多くの励ましも与えてくださっています。日本で宣教啓蒙・動員の働きをしていた時に出会った若者たちからの近況です。短期宣教に一緒に行った多くの人たちが、今いろんな形で宣教に関わっていること。ある人たちは長期の宣教師になるべく神学校で学んでいることや、すでに宣教地に導かれた人がいること。彼らからの便りは何にも勝る喜びであり、励ましです。ニューホライゾンズからもすでに六人が宣教地で働き、三人が短期宣教を終え、それぞれの国で祈りをもって宣教に続けて関わっています。さらに彼らが主にある実を結んでいくことを祈らされます。
コンピューターの前で働く時間が長いので、自分の働きが永遠に価値のあることに繋がっていることをつい忘れがちですが、時にため息をつきながらも、主にあって前進していきたいと願っています。皆様のお祈りを感謝します。
【祈りの課題】
1.現在、ナイジェリア、ウガンダ、ボツアニア、南アフリカ、チリ、ブラジル、フィンランド、オーストリア、宣教の規制のある国からの短期・長期の宣教師候補者を審査し、OMFに迎える準備をしていますが、どのケースも複雑な課題を抱えています。上からの知恵と主の導きをお祈りください。
2.10月24日シンガポール委員会主催の宣教師志願者の集いのお手伝いをします。祝福と導きをお祈りください。
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