2007年8月号
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「シンガポールから再出発」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ
「シンガポールはしんどかった。」真剣に悩んだのは新人研修の時、十五年前。今は笑って言ってます。研修をOMF本部で受けたとき、深刻なカルチャーショックに陥り、「宣教師なんかになるのはやめて日本に帰ろう」と決心していました。
今回、デピュテーションの一環として、六月末にシンガポール日本人キリスト者集会(SJCF)を訪れる機会に恵まれ、宣教師としての出発の頃を振り返りました。「神の恵みによって、私は今の私になりました」と心から思います。
タイに着き、チェンマイではOMFでいつもの祈祷会に参加し、旧友、新人(宣教師候補者)たちと祈りました。祈りの中で「私たちのいるべき場所に帰って来た」という強い確信が沸いて来るのを感じました。フレイザー・ホールと名づけられたこの祈りの場所は、献身と戦いの気迫と喜びに満ち溢れている所です。
また、一時滞在をしているハドソン・ホームにはハドソン・テーラーの言葉が掲げてあります。「あなたが神のために偉業を成し遂げようとするにあたって、危険要素がないならば、信仰も必要ない。」今期はもっと危険に直面し、信仰が鍛えられるように期待しています。(達朗)
十五年ぶりのシンガポール。蒸し暑さは変わっていませんでしたが、主人の気管支喘息にはこの湿り気が良く、咳が出ませんでした。神様のご配慮を感じました。
SJCFでの報告とは別に、ミェン族宣教と私たちのために十五年間祈り続けてくださっているシンガポール人の友達との再会がありました。彼らの宣教への篤い祈りと思いに接し、第四期が始まるに当たり、私の心も燃やされました。
七月一日から第四期が始まりました。引越しの荷物整理がなかなかはかどりません。確実に年齢が増してきていることを体で感じています。八月、北海道聖書学院の神学生の方々が海外研修のためチェンライへ来られます。祈りつつ楽しみに待っています。(たまみ)
【祈りの課題】
1.8月6〜20日北海道聖書学院の海外研修チームが訪タイします。この研修を通して神学生に卒業後の派遣地への示唆が与えられるように、また北海道の諸教会に世界宣教への関心と重荷が伝えられる結果となりますように。
2.8月後半のミェン族牧師研修会のため。2人の講師と出席者が会場に着くまでの道の安全のために、会場を神の御使いが取り囲み隠してくださるように、学びの後、一同がみことばと御霊に満たされて奉仕へと遣わされるようにお祈りください。
「聖徒の交わり」
日本 佐味湖幸
OMFの宣教師になって、一番嬉しいことといいますか、特権だなあといつも思わされるのは、国際的、超教派の団体ですから、世界中から主の召しに応えて、遣わされてきた人々とともに、交わりを持ち、共に、働けると言う事です。天国の前味を味わっているのだなと、いつも感じます。
さて、六月十八日から二十二日まで、北海道ニセコで、OMF日本のカンファレンスがあり、日本で働くOMF宣教師、短期宣教師、宣教師子弟など百七十名以上が一同に集まり、主をともに賛美し、御言葉に耳を傾け、日本でのOMFの働きについて、色々と論議する時がもたれ、日本委員会からは横山総主事夫妻と私が出席しました。
礼拝の時、賛美をしながら会場を見渡せば、日本宣教のために世界中から集まった宣教師たちの様々な顔が見えます。最近ではアジア系の方も増えましたが、北米やヨーロッパ、オーストラリアやニュージーランドからの方々がやはり多いでしょうか、アフリカ出身の方もいらっしゃいます。新しく遣わされて来る予定の人々のリストを見て、あまりの多さにびっくり。隣に座っていた韓国からの宣教師が「日本は愛されているね。」と、私にささやきました。本当に感謝です。これだけの方々がどれだけの犠牲を払って、宣教の困難な日本で働いてくださっているかを思うとき、ありがたくって、涙がこぼれそうになりました。邦人伝道のためアメリカと日本を行き来する黒田摂宣教師と久しぶりに再会できたのも嬉しかったです。今から二十ウン年前、私が大学生の頃、まだ中学生だった彼女と福音交友会のキャンプで会っており、その頃は、まさか二人ともこのように宣教師になるとは思ってもいなかったのですが、神様の不思議な導きと福音交友会を設立した宣教師たちの祈りとヴィジョンが今このような形で実現している事を思い、また、主の御名を崇めた事です。
ブリスコー師夫妻によるメッセージと互いの交わり、そして北海道の大自然にリフレッシュされ、本当に感謝な時でした。
【祈りの課題】
1.6月から8月まで引っ越し、年会や宣教大会出席、教会訪問など、ずっと移動が続いています。暑さの中、疲れがでないよう、健康のためにお祈り下さい。
2.8月24日からインドネシアでもたれるAFMC5という宣教大会の為に。日本から宣教の門戸が閉ざされている所へ行って、主の働きをする人が、もっと起こされるように。
「健全な教会を目指して」
カンボジア・クロチェ 今村裕三、ひとみ
六月上旬にベトナムとカンボジアの国境にまたがって住んでいる少数民族の村を訪問する機会がありました。悪路のため、五台の車で出発して、二台は故障するという強行軍でしたが、守られました。一つの村は、ベトナム側に住む同じ民族のクリスチャンが福音を携えてきて始まった教会です。約十年前からカンボジア人の牧師が協力して、牧会、訓練をしています。物質的には貧しい所でしたが、霊的には恵まれていて、教会に安定感を感じました。それは、リーダーがきちんと聖書に基づいて訓練している結果ではないかと思いました。
クラチェ教会は、過去に、給料や物質的なことで分裂やリーダーの引き抜きなどを経験した教会です。これから健全な教会形成を目指し、霊的に健全なリーダーが育ち、彼らが主の恵みのなかでアイデンティティーを見いだし、教会員のモデルになることが必要ではないかと思わされました。クラチェ教会は、もうすぐ独立の予定ですが、残りの任期中に、リーダー訓練にもう少し貢献できればと学びを始めることにしました。お祈り下さい。(裕三)
クラチェ教会では教会学校・青年会が再開され人数の上下はありますが継続されています。お祈り感謝します。中でもソンバット姉が教会学校で喜んで奉仕しています。彼女はベトナム人で、七人兄弟でそのうち三人がカンボジアで暮らしています。彼女は近所中のこどもを教会学校へ誘ってバイクに乗せ連れてきます。そのため教会学校の半分以上はベトナム人です。
彼女は結婚して六歳の女の子が一人います。男の子が欲しくずっと祈っていた彼女は去年、待望の男の子を妊娠しましたが、死産でした。彼女は悲しみの中を通されましたが、神様に従うことを選びました。ソムバットはよく「ベトナムではクリスチャンは嫌われているし、伝道も大変。でもカンボジアでは自由に出来るのよ。」と顔を輝かせて言います。彼女を見ていると「キリストの十字架を背負って」キリストに従う時に、「失ったもの」よりも「得るもの」つまり永遠の命にいたる希望に目を向ける事の素晴らしさを学ぶことが出来、感謝です。
ソンバット姉とメカラー姉(セイハー兄の婚約者)の、教会学校教師のための学びが祝されるように、お祈り下さい。またソンバット姉の夫は洗礼を受けていますが、礼拝に来ていません。彼の信仰が成熟するようにもお祈り下さい。(ひとみ)
【祈りの課題】
1.信仰が揺るがないリーダーが与えられますように。また、裕三師が教えるリーダー研修会(10回)の準備が守られ、よい学びができますように。
2.母教会の京都福音自由教会の後任牧師のためのお祈り有り難うございました。後任牧師が与えられました。これからも母教会とよいコミュニケーションを取って、さらに世界宣教の業(日本でもカンボジアでも)が進められていきますように。
「宣教の広がり」
北タイ・チェンマイ 邦人伝道 野尻孝篤師・明子師
チェンマイ日本語教会の創設の始めから労された中岡兄姉は、津波の後の南タイでの奉仕と証しにも献身しておられます。以下の報告を、私達の教会の宣教の働きと祈りとして日本の皆さんにお分かちしたいと存じます。(孝篤)
「津波の被害は、タイ国では南部のピピ島とパンガー県に集中しました。パンガー県はビルマ最南部に接しているため、多くのビルマ人労働者が政治的理由や出稼ぎのため、国境を越えて働きに来る場所です。津波の復旧作業後、多くのタイ人の生活は安定しましたが、その影で多くのビルマ人は、津波後、一層悪化した貧困、差別、現地警察からの迫害、劣悪な労働環境、そして精神的な心の傷、喪失感に囚われたままです。彼らの多くは不法滞在であるため、津波被災者であるにも関わらず、政府や海外からの支援がなく、またその実情は全く報道されていない状態なのです。
アメリカ人T宣教師はそんな人々の苦しみを分かち合うため、津波直後のまだ瓦礫に埋もれた漁業の村、バンナムケンで生活を始めました。
被害にあった人の家を建築し、船を失った漁師達に復旧費用を工面し、雇用を増やすためにレンガ工場を立ち上げ、教育を受ける機会のない子供たちのために学校を始めたT宣教師の中に、人々は『苦難のただ中に一緒に住んで、力づけてくださるイエス様』の姿をみました。そして、タイ人、ビルマ人に関係なく、多くの人が聖書研究に通い、イエス様を受け入れて新しい人生へと導かれ、今、その中の何人かが弟子訓練をうけ、ビルマ人・タイ人教会のリーダーとして成長しています。津波以前は宣教が非常に困難といわれていたこの地域に、リバイバルの波によって救いと癒しが広がっているのです。
私達がお手伝いしている彼のプロジェクトは、バンナムケンからさらに山の奥に入ったビルマ人の村に学校を建て、そこに教師を送り、子供たちに就学の機会を提供しながら、将来は伝道の場として教会を建て上げていくことを目標としています。しかし、差別の多い場所柄であるため、常に地元の警察・軍から圧力をうけています。また、精霊信仰、仏教、イスラム教の力も強く、霊的戦いにおいて、祈りのサポートが必要です。どうぞお祈りください。」
【祈りの課題】
1.最近、グループホーム・オリーブを建ち上げたN姉のところに、93歳の御婦人が時々、来られます。この方のお救いのため、また、私的なホームがいろいろな面で整備されていくようお祈りください。チェンマイでは滞在者の親御さんのための施設が必要とされています。
2.7月から、聖日礼拝のすべての奉仕の分担表を作り、教会員の自発的、自由な奉仕を得て、教会を皆で建て上げようとしています。良い雰囲気の中で、よく機能していくようお祈り下さい。
「祝された時、チャレンジの時」
カンボジア・ニャックルアン 西村信恵
六月初めの日曜日は、教会員のご両親を招いての礼拝でした。特に反対の強かったニーター姉妹の父親も来て下さり、教会メンバーのほとんどのご両親が来てくださいました。カンボジア人牧師のホー先生は、昔お坊さんをしておられた方で、「カンボジアにはクリスチャンはよその宗教だとか、両親を大事にしないとか、そのような噂話になっているけれども、ほんとのところはどうなのか?」と、聖書の中から分かりやすくお話してくださいました。また、今までのことを悔い改めたり、ご両親に感謝の意を述べる場面ではそれぞれの家族が涙し、よい和解の時ともなりました。このことを通して、青年たちが教会に集うのによき理解も得ることが出来、今はご両親の救いのために皆で祈っているところです。
さて、私達のニャックルアンにいる宣教チームにも変化がありました。まず、アメリカ人宣教師のタミー師が、療養のため早めの一時帰国をとられ、母国に帰られました。そして、韓国人宣教師のチョー宣教師の奥様が、デング熱にかかられました。ちょうどご主人が韓国に戻られていた期間と重なってしまい、私が付き添って、急遽バンコクに飛ぶことになりました。バンコク滞在三日目くらいから様態が良くなり、今は回復に向かっています。ご主人がバンコクに来られてから私もニャックルアンに戻ってきました。どうぞ、タミー宣教師、チョー宣教師の奥様の健康の回復のためにお祈りください。
今月の終わりには、菅家宣教師ご一家が、カンボジアでのご奉仕を終えられ、シンガポールへと移動されました。プノンペンに行った際にはいろいろとサポートしていただいていたので、それがなくなることは私にとっては大きなチャレンジです。ニャックルアンチームには細田あき子姉妹、韓国からのダーウン姉妹が短期宣教師として加わられました。いろいろな変化に私自身も対応していくことが出来ますように、神様の御心のうちに働きを続けていく事ができますように、お祈りいただけると幸いです。感謝して。
【祈りの課題】
1.8月9〜11日と、クラチェ教会で青年キャンプをする予定です。すべての準備が守られて、良いキャンプの時となり、神様を信じる魂、神様に献身する魂が起こされますようにお祈りください。
2.8月中旬、韓国からの宣教チームが来られる予定です。良いアウトリーチの時となりますようにお祈りください。
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