2007年12月号
page1
page2
「祈りのともし火」
カンボジア・ニャックルアン 西村信恵
十月末の祝日を使い、プレイベン(車でニャックルアンから三十分くらいのところ)にある教会を借りて、リーダー達の研修会を行いました。教会リーダー、スモールグループリーダー、合わせて九人が参加しました。主にニャックルアン教会の将来のビジョンについて語り合いました。教会とはなにか、ビジョンとはなにか、それをもらったらわたし達は何をしなければならないのか。アブラハム、ネヘミヤ、パウロ、そして黙示録からの例を挙げてチョウ師が語り、午後は二十年後、ニャックルアン教会がどのようになっていてほしいか、神様はどのような計画を持っておられると思うか語り合いました。「ニャックルアンの人々が、教会の人々によって愛が分かり、御互いに励ましあい、愛し合う村になっている」、「教会で学校が始まる」、「ニャックルアンに住む多くの人が教会に集い、共に神様を賛美するようになっている、三百人くらい!」、「マーケットで働く人々が神様の愛を知り共に神様を賛美するようになっている」「今行っているアウトリーチ先の群れが大きくなり、その場所でも教会が始まる」等、語るリーダー達の顔は輝いていました。その後、共に賛美と祈りの時がもたれましたが、最後に一人ひとりが祈る時間となりました。その時に、祈りの中で罪が示され、悔い改めるもの、泣きながら、カンボジアの今の現状を憐れみ祈るもの、そして泣きながらこの国の罪を言い表して祈るものが起こされ、予定を大幅に過ぎ、気がつけば祈りが始まって二時間がたっていました。神様が働かれ、一人ひとりの心に神様の思いを注いでくださったようでした。このリーダー達の内二人は、つい先日、タイで行われたユースリーダーキャンプから帰ってきたばかりで、十二、三歳の子供が泣きながら自分の国のために祈るのを見て、「僕はいつも自分の健康や、自分の将来ばかり祈ってきたのに、少数民族の貧しいあの子達は、自分のことより自分の国のためにあんなに真剣に祈っている。僕の祈りはなんて自己中心だったんだろう…」と衝撃を受けて帰ってきたところでした。この日に与えられた祈りのともし火がこれからも燃え続け、教会員達に広がっていきますように、そして、ビジョンを掲げて神様と共に歩み続ける教会でありますように、御互いに愛し合い、励ましあって成長していく教会でありますようにと、感謝を捧げつつこの日を終えました。
【祈りの課題】
1.12月に行われるそれぞれのクリスマス行事のために。多くの人が福音を聞くことが出来、神様に出会うときとなりますように。9日、一般クリスマス。15日、青年クリスマス。16日、子供クリスマス。23、30日、アウトリーチ先(3箇所)クリスマス。
2.教会員のチャリヤー姉とティー姉は、今年、未信者と結婚しました。それぞれのご主人が神様を知っていくことが出来ますように、神様が引き続き、姉妹達の信仰を育ててくださるようにお祈りください。
「日本の秋」
日本 横山基生、好江
今年の十月は日本の季節の移り変わりを特に感じる月でした。夏が猛暑であったからでしょうか。あんなに暑かった日々が、こんなに涼しくなることの素晴らしさを感じました。
二回続けて成田空港に出迎えに行きました。一組は野尻孝篤・明子宣教師夫妻、もう一組は私たちの英国ケンブリッジでの働きを引継いだ横田栄・ヘーゼル夫妻と子ども達でした。彼らは在欧日本人宣教会短期協力宣教師としての二年間の任期を終えて日本に戻って来たのです。日本での牧会伝道の経験をさらに得つつ、サポート体制を整えて再び英国へというビジョンを持っています。
彼らとの出会いは、牧野先生からの紹介から始まり、日本伝道隊の創設者バークレー・バックストン師の実家の屋敷が校舎となっている宣教師養成神学校、オール・ネイションズ・クリスチャン・カレッジで初めて会いました。最終学年の一年間、ケンブリッジでの学外奉仕の学びを選ばれ、私達との親しい交わりが始まりました。その後全く意外な形で、主は彼らをケンブリッジに私たちの後継者として導かれたのでした。
十月二七日には、朝顔キリスト教会で報告感謝会が開かれました。スライドを豊かに用いた報告を聞きながら、不思議な思いが沸きあがってきました。一つは、「私たちがあそこにいたのだな」という懐かしさ・寂しさと、もう一つは「主の宣教の働きがこのようにバトンタッチされ、豊かな色合いを添えていく」という喜びです。
現在、横田さんたちから働きを引き継いで下さった夫妻がいます。彼らは一年半後英国OMFを通して日本に派遣されようとしています。ご夫人が日本人ですが、赤ちゃんが生まれたばかりで日本人伝道の時間は限られています。このような状況の中で、主はケンブリッジでの日本人宣教をどのように継続して下さるか、とても楽しみです。この課題と共に、横田さんたちが、牧会・伝道の経験を得ることのできる最適な日本での奉仕場所が速やかに与えられるようにお祈り頂けると幸いです。(基生)
本帰国後迎える二度目の秋。最初の秋よりも日本の生活に馴染んでいる実感がありますが、長年海外に住んでいた者が日本に戻って生活に慣れるのに三年かかると言われていますので、一年半経った今、やはりまだ道のり半分です。先日奉仕に伺った教会では、慣れるのに十年かかったという姉妹にお会いしました。リハビリの道はまだまだ続きます。一月末に召された母を偲ぶ文集が完成し、悼みのプロセスを主と共に歩む上で、一つの前向きな区切りとなりました。この夏、旅が多い中で作業を進めましたので、感謝・感慨もひとしおです。
このような中、十月の歩みが守り支えられました。皆様のお祈りを心より感謝いたします。十月二日のOMF日本委員会後、事後処理が続き、今もまだ少し続いています。十月の四回の聖日のうち、三回は奉仕に出かけました。行く先々で東アジア宣教を覚え祈っていただき、東アジア関係の出会いが与えられます。本当に主は私達に先立って道を備えておられ、私達はただ従順にお従いすれば良いのだと思わされます。クリスチャンご夫妻で、インドネシア人の夫人を亡くされた日本人男性とお会いしました。少し前に教会で葬儀が行なわれたところに私達がお訪ねし、残されたご家族のために祈る輪に加えられました。
帰国者フォロアップの業の上に、主は励ましを与えて下さいました。昨年九月にケンブリッジで受洗した、その直後に関西に戻られた姉妹が、しばらくの試みの後、良い教会・良い交わりが与えられているとのニュース。もう一つは福岡に戻った姉妹が、求職活動の中、市川に来られて私達と交わりが与えられ、日本でイエス様と共に歩む喜びを発見しつつあることです。イギリス人の紹介者を介していたため市川で初対面でした。同じ主を仰ぐ者同士、主は素晴らしい交わりを与えて下さいました。御名を崇めて感謝します。(好江)
【祈りの課題】
1.12月1日、在欧日本人宣教会主催のクリスマス会で、横田栄・ヘーゼル夫妻が奉仕します。多くの帰国者など、参加者が御心にそって与えられますように。
2.12月26〜28日と、KGK中四国地区、冬季合宿で夫婦で奉仕します。学生たちや矢島主事と共に、主にある良き学び・交わりが与えられますように。
「中国語のクリスマス集会を祈っています」
日本 木下理恵子
早いものでまたクリスマスの時期を迎えようとしています。皆様はいかがお過ごしでしょうか。この一年も尊いお祈り、ご献金、お励ましをどうもありがとうございました。
十月二十八日には千葉在住の中国人姉妹が洗礼を受けました。ハレルヤ。皆様のお祈り、本当にありがとうございました。教会の方々やご家族の愛をたくさん受け、「日本に来て一番うれしい日だった」と感謝していました。お子様方も洗礼式に出席し、都合で来られなったご主人も後でどうだったのかいろいろ質問してきて、写真を見せながら説明したそうです。この祝福がご家族にも及ぶようお祈り下さい。
ある日曜日は、埼玉に住んでいた中国人姉妹が乳飲み子を連れて、神奈川の私の集う教会に入ってこられました。日本人と結婚して子供ができましたが、出産して二十日でご主人が失踪してしまったそうです。神奈川の方に妹や従姉妹がいたので頼って来たばかりでした。もともとクリスチャンでその後もずっと教会に来ていて、教会の方々も本当によく助けていて下さいます。ビザの問題があり、部屋一つ借りるのもままなりませんでしたが、少しずつ前進してきました。「自分も間違った事があった。でも主は悔いた砕けた心を軽んじられないお方だから、こうやって主に祈る祈りを聞いて下さると信じている。」と話し、一緒に祈るたび、教会のため私のために祝福を祈ってくれます。これから、仕事を探し乳飲み子を見てくれる施設なりを探さねばなりません。そしてビザの問題も一日も早く解決されるようお祈り下さると感謝です。
この方関係で、一度に三人の中国人と知り合いました。彼女や妹さんが礼拝に来ると、中国語に通訳しています。こういう中、今年のクリスマスは中国語のクリスマス集会を持てないだろうかとの祈りがあります。いろいろな事情や困難を覚えながら、一生懸命日本で生きている中華系の方々に、中国語で馬小屋に生まれて下さった救い主イエス様の事を伝えられるようお祈り下さると感謝です。
この一年の皆様の御愛、またお祈りやご献金、お励ましを通して在日中華系の方々への伝道に共に携わって下さりどうもありがとうございました。主の祝福に満ちたクリスマスとなりますようお祈りします。
【祈りの課題】
1.千葉在住の中国人姉妹の受洗を感謝。姉妹の信仰が成長するように、ご家族に救いが及ぶように。神奈川の乳飲み子を抱えた姉妹に必要な仕事や保育の助けが与えられるように。
2.このクリスマスに中国語のクリスマス集会を持てるように。在日中華系の方々が集え、自分たちの言葉で救い主イエス様の誕生を聞く事ができるように。具体的な計画や準備のため、助け手も与えられるように。
「シンガポール便り(4)」
シンガポール 菅家庄一郎、容子
ヴィノス・ラマチャンドラ師の講演を聞く機会がありました。彼は、内戦が続くスリランカで大学生を霊的に指導してきた人です。植民地時代から続く悪しき宣教の伝統、テクノロジー崇拝の危険、消費主義に踊らされる現代人、などを中心に三日間の講演をしました。彼の個人的な証の中で、彼がどうしてキリスト者として社会問題と神学に取り組むようになったかを次のように証していたそうです。「貧困にあえぐスリランカの同胞と苦悩しながら、聖書辞典で貧困(POOR)という項目を調べてみた。そこには、半ページ分だけ簡潔に聖書の言う貧困について書いてあった。ところが、その言葉の近くにあった陶器(POTTERY)という項目では三ページ以上の説明が延々と記してあった。これを見たときに、この辞書を作った人は、貧困について何も知らないと思った。」
それ以来、彼は、聖書をスリランカ人クリスチャンの視点で読み、考え、西洋的な宣教観へのチャレンジ、他宗教・ノンクリスチャンとの対話を大学生を中心に続けています。宣教とは、単にキリストの福音を贈り物のように包んで渡すことではなく、その国の人々の文化や世界観、苦しみ、悩みを共有しつつなされるべきであることを改めて思わされました。(庄一郎)
DTCでの訓練の特徴の一つは、共同生活にあります。二十人足らずの小さなコミュニティーで、二十四時間生活を共にするのですから、人間関係の問題は避けて通れません。先日、小さな子供を持つお母さんたち、というメンバーで集まり、分かち合い、祈りあう時がありました。一人の姉妹が祈っている途中、突然泣き出し、悔い改めの祈りを始めました。子供たちの諍いや、また親同士のしつけの違い、誤解から抱えていた思いを主の前に持ってきて、告白し、また許す祈りに導かれていきました。聖霊の麗しい働きを見せていただき、心が震えました。
土曜の朝は、牧会チームというグループ毎での分かち合い、学びの時です。私たちのグループのリーダーは、DTCの学長のティン先生です。先日、ティン師は、宣教の働きの中で学んだことを非常に個人的な経験、証をもとに分かち合って下さいました。一.他の人を助けることができるため、まず自分自身を大事にすること。二.第一のことを第一にするため、それ以外のことにノーということの大切さ。三.私は救い主ではない、主の用いられる器に過ぎない。四.自分自身を主の恵みによって受け入れることー劣等感からどのように解放されて行ったか、等。アブラハムやヤコブを信仰者として育て上げられた主は、今も私たちの歩みに深く関わり、なんと懇ろに導き、育ててくださることか、ティン師の証を聴きながら思わされ、主の御名を崇めました。(容子)
【祈りの課題】
1.菅家師夫妻の総主事訓練、学び、カウンセリングの一つ一つが祝されますように。
2.DTCで生活している学生達が、ここでの共同生活を通して謙遜にされ、聖書をよく学び、それぞれの場所に遣わされていくことができるように。
2007年12月号
page1
page2
TOP PAGE
|
OMF@宣教師.come
|
宣教ニュース
|
東アジア宣教ノート
宣教祈祷カレンダー
|
OMFについて
|
リンク
|
e-mail
OMFインターナショナル日本委員会■〒272-0035 千葉県市川市新田1-16-14
TEL:047-324-3286 FAX:047-324-3213 郵便振替:00100-0-615052
© 1999-2007 OMF International JAPAN. All rights reserved. designed by HFJ.