2010年4月号
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「一歩下がって神のわざを見る」
ジョージー・ウォン師
皆さんは外国で主に仕えることを考えると、尻込みしてしまうでしょうか?又は自分の状況ではとてもムリだと思われるでしょうか?でももしかしたらお住まいの地域に祈り会はないでしょうか?もし無いならば新たに開くことはできないでしょうか?神に仕え、御国の広がりのために働き、宣教のパートナーになることができるのです−祈りによって。
私は長期休暇を利用して、英国のレッドクリフ・カレッジで学んでいる間、グロスターという場所での祈り会のメンバーになり、恵みを与えられました。この祈り会はグレアム・リーという人によって、四十年以上も、ほぼとぎれることなく東アジアでのOMFの働きと宣教師のたちのために祈り続けています。
グレアム兄は彼が好意を持った女性を通して、初めてOMFという団体を知りました。後にグレアム兄の伴侶となるサリー姉は、当時ロンドンのOMF事務所で秘書として働いていました。グレアム兄の教会の牧師は、教会員たちが海外宣教に目を向けるよう励ましていましたが、グレアム兄は恋心を抱いたサリー夫人を通して中国、そして後には東アジアの国々のために祈るようになったのです。
二人は結婚した後、OMFから祈り会のリーダーになってほしいと頼まれ、喜んで引き受けました。そしてその時から祈りへの重荷は、二人の人生の様々な局面の中で、彼らと共に成長し続けてきたのです。始めたばかりの頃は、まだ生まれたばかりの赤ん坊が眠る子供用ベッドをかたわらに置いて、そして現在は結婚してから三件目に当たる家で、三代目の愛犬テスが足元で静かにうずくまる中、祈り会は様々な必要のために誠実に祈り続けてきたのでした。
典型的なある日の祈り会の様子をそっとのぞいてみましょう。ここはリー夫妻の居心地のよい居間です。グレアム兄が紙の束をめくり、咳払いをすると、それまでひそひそ声で続いていた会話は徐々に消えていきました。グレアム兄のこの仕草が祈り会の開始であることをその場の全員が知っているのです。そして何ページかの祈りの課題が印刷された紙が何人かに手渡され、読み上げられ、祈りが始まります。その後の時間は「厳密な仕事の時間」−祈りという仕事の時間なのです!
訓練のためにOMF宣教師候補者がレッドクリフ・カレッジがある地域を訪れる時、祈り会はその人達を招いてくれます。私も感謝なことにそのようにして祈り会の方々のお世話になりました。
長年の歩みの中、祈り会は続けてOMF宣教師を受け入れ続けてきました。宣教師となる準備の過程にある候補者達や、また一時帰国中、東アジアでの働きをふりかえる宣教師達を受け入れ、共に歩んできました。そしてOMF宣教師達が初めて出発、又は宣教地へ帰っていった後は、祈りによって共に歩み続けるのです。
「祈りは神秘です。」とグレアム兄は言います。「どのようにしてかはわかりませんが、確かに祈りは応えられるのです。大変な状況のために祈っている時、なぜ神は応えて下さらないのだろうと思うこともあります。でも祈りのグループとして私たちは互いに励まし合い、私たちの神はご自身の時に、全てを良きになして下さる方だと確信しつつ、祈り続けるのです。」
何年もの間、リー夫妻は宣教地へと旅立ち、一時帰国のために戻り、また再び宣教地へと戻っていく宣教師たち、時にはその子供たちが今度は宣教地へと遣わされていく様を見てきました。又、健康を害して、又はビザ取得の問題で母国に戻って来ざるを得なくなった働き人たちのためにも祈り続け、宣教地へ戻れる時まで彼らを助けてきました。
世界宣教の召命を受けた時から引退の時まで、祈り会は宣教師たちのために祈り続け、そして多くの素晴らしい祈りの応えを見てきました。例えば、ミェン族語の聖書翻訳、印刷、配布の全工程のために、祈り会は祈り続けました。この長い工程の中でも、祈り手たちの熱意と献身は絶えることはなかったのです。
このグロスター祈り会は英国全体に二百以上もある祈り会の一つにすぎません。リー夫妻のように何十年も東アジア諸国のために祈ってきた人々もいれば、まだ祈り会を初めて二、三年の方々もいます。しかし全員に共通していることは、誰もがごく普通の素朴な人々、人生において様々な問題(修理工から費用を多くぼったくられたという日常的な問題から、深刻な病というもっと深刻なものまで)を抱えているクリスチャンだということです。
「忠実な祈りの戦士たち」とグレアム兄が呼ぶ人々の中には、すでに天に帰った人々もおり、その後を若い世代ながら同じように熱心な祈り手たちが引き継いでいます。目覚しい結果と敗北を通りつつ、その努力に対する喝采や注目を浴びることもほとんどないまま、何年も何年も、彼らは祈り続けるのです。
「長年祈り会を持ってきましたが、それが特別なことのように思われたくはありません。栄光は私たちにではなく、神のものです。私たちがしたことは、ただ祈りたい方々に対して家の玄関を開いたことだけです。後は後ろに下がって神のお働きを見るのです。」
グロスター祈り会に必要なことは何かと問われ、グレアム兄は以下のように答えています。
「祈り会にとって必要なのは、ただ宣教師から情報―どんなにささいなことのように思えることであっても―を伝え続けてもらうことです。日々の状況や彼らが出会う人々について、実際の状況を感じる必要があるのです。こうした情報なしには祈り会は枯渇してしまいます。」
「実際は」とグレアム氏は続けて言います。「宣教師を祈り会に迎えるだけでなく、祈り会のメンバーが東アジア諸国にいる宣教師たちを訪ねることができれば素晴らしいですね。宣教師たちを励ますと同時に、メンバーたちにとっても宣教地での生活を知ることができますから。」
グレアム氏はさらに祈り手たちのために祈ることも提案しています。必ずしも彼らの必要や彼らに対する神の祝福ではなく、祈り手たちが忠実に祈り続けることができるようにという祈りです。
「誰もがとても忙しい日々を過ごしているようです。」グレアム兄は言います。「しかし忙しさを理由にして、祈ることと祈りのために集まることを、決して脇に押しやってはならないのです。」
「知恵が必要です」
カンボジア 今村裕三、ひとみ
「結んだ人にしか、その紐は解けない」、カンボジアのことわざで「問題は当事者にしか解くことが出来ない」の意味です。
ポチェントン教会のリーダーのR姉(二十七歳)は、クリスチャンと結婚したいと、ずっと私も共に祈っていました。そしてやっとお相手が見つかり、結婚すると喜んでいたのですが、男性側の父親がクリスチャンと言うことで反対し、現在暗礁に乗り上げています。R姉は四歳で父親が亡くなり、幸福ではない生い立ちです。二十二歳でクリスチャンになり、喜んで教会に仕えています。彼女の家族はクリスチャンではないので、彼女を袖にした男性にとても怒っています。その男性も家族でただ一人のクリスチャンです。その彼が、どう家族を説得するかに、この結婚はかかっているようです。
ニャックルアン教会のS姉が、義弟が風呂場に置いたお湯を間違って子供にかけてしまい、四十パーセントの火傷を負わせてしまいました。一時期重態でしたが、多くの方に祈っていただき、感謝なことに命の危険はなくなるまで回復してきました。お湯を間違ってかけてしまった母親、そしてお湯を不用意に置いてしまった義弟、どちらもクリスチャンです。それぞれが深い悩みと怒りの中にありました。宣教師が中に入り、義弟は病院を見舞い和解できたようです。
人間関係やお金の問題解決を助けることは、知恵が要ります。こちらの善意で下手に助けると余計に混乱させることもあります。「そのクリスチャンが、問題を神様と共に解くことが出来るように」また、私がその助けを適切に出来るようにお祈りください。(ひとみ)
いつも献金とお祈りを賜り有難うございます。こちらは、段々と暑さが本格的になってきました。この原稿を書いている二月末で、夜の寝室の温度が三十三度まで上がってきました。暑くて毎晩汗をかきながら寝ています。
ソロモンが神様に富・名誉・復讐・長寿ではなく、知恵と知識を求めたことにもう一度思い巡らしています。今、私には神の知恵が必要です。前者のものを求めていないか心の中を再点検する必要もあります。
今月は、カンボジア教会交友会の将来像について、どのようにこれからの計画を立てていけば願っている姿になるのかと、教会の働き部門のリーダーとともに祈り、話し合う機会が与えられました。予定した時間では十分に話し合えなかったので、再度時間を設けることになっています。このような時を通して再度思わされたのは、この働きは初めての道を主に信頼して山に登るプロセスと似ているということです。宣教は長い歴史の積み重ねですので、過去の宣教の歴史から学ぶ必要があります。どうしたら、教会が現地の教会として成長していくのか、そのためには今、宣教団体として何をし、始めなければならないのか?今から祈り、話し合いを始める必要があります。
話し合いの中で、様々なアイデアが出ました。私たちはそのことにある一面ではワクワクしています。しかし、もう一面では、本当にそのようなことが出来るのだろうかと心配になります。これから、それらのアイデアをOMFカンボジアの方策として実行していけるように全体会議で話し合います。一緒に祈って下されば幸いです。(裕三)
【祈りの課題】
1. カンボジア教会交友会の働きのために。ビジョンの再確認と長期的計画をリーダーたちと祈り話し合おうと思っています。主からの豊かな導きがありますように。3月に結婚したポチェントン教会・主任牧師のソムナン師とチャンティー姉の新しい生活のために。
2. バイクの運転が守られるように。プノンペンでは多くの事故を目撃し、ヒヤッとする場面も度々です。裕三は4月12日から16日までリーダー訓練会に参加します。これで2年間の訓練コースを終えます。よい学びと訓練のために。
「タイ人(対人)関係、山あり谷あり」
タイ 坂本朋子
皆様こんにちは。お祈りに支えられ私は順調にタイ語の学びを進めております。地球の反対側では冬季オリンピックが行われていたことが信じられないくらい、タイでは暑さが日に日に増しています。二月は短い月ということもありますが、今月はあっと言う間に過ぎ去っていった感じがします。
大きな出来事があったわけではないですが、OMFタイ中央部のリトリートがあったり、二回目のタイ語チェック、ビザの更新のためマレーシアに出かけたりと、個人的には小さなイベントが重なり慌ただしい月でした。また私の住んでいるロッブリーでは、年に一度の「ナライ王祭り」が二月中旬にあり、ロッブリーの町中はお祭りムードで一杯でした。ナライ王はアユタヤ王朝時代の王で、ロッブリーを第二の都市として造られたそうです。ロッブリーの人々は、この王様がロッブリーに繁栄をもたらしてくれたと信じ敬っています。
気がつけばタイに来て三カ月が過ぎました。よく宣教地に着いてからの数ヶ月間は「ハネムーン期間」と言われ、何もかもが目新しくて愛おしく感じる時期と言われていますが、私の中でこの「ハネムーン期間」が終わったと感じたのが二月でした。ある同僚には「それって『三ヶ月後シンドローム』じゃないの?」と言われましたが、どのような呼び名にせよ、日常の些細なことが気に障ったり、ちょっとしたコミュ二ケーションの誤解で落ち込んだりすることがありました。あるときには授業の中で、「タイ人の考え方が私には理解できません!」と先生に少々当たったこともありました。来たばかりのころは再びタイに戻ってきたこと、タイの人たちと交わるのが嬉しくて仕方なかったのに、時々人々から隠れたいと思う時もありました。しかしそういう時に限って神様は、私が「タイ人(対人)関係」の深みに入っていくチャンスをくださるのです。ある日曜日、礼拝での長いタイ語の説教と延々と続く交わりの後、力尽きて家に帰りぐったりしていると、近所の人がやってきて、「これからナライ祭りに行くけれど一緒に行きませんか?」と誘ってくれました。この方のご主人は大学でタイ舞踊を教えている先生で、ナライ王の一生を描いたショーの監修をしていたため、通常入場料がかかるショーを無料で鑑賞することができました。またこのことを通してロッブリーの文化や歴史を知ることができました。そして外国人で言葉も不十分な私にも、このように温かい心で接してくれるタイの友人が与えられていることに感謝しました。
その後マレーシアにビザの更新に行き、その週末はバンコクのOMFミッションホームで休む時間が与えられました。その時に、三十年間タイで奉仕しているイギリス人宣教師夫妻と話す機会があり祈ってもらいました。私の器が空っぽならば、私はタイの人々を愛し続けることができません。私の内には真の愛がないからです。ぶどうの木であるキリストにつながっていること、神様を日々知っていくことの大切さを改めて教えられました。
【祈りの課題】
1. 4月はタイ中央部の幾つかの場所で子どもキャンプが行われます。このキャンプを通して多くの子供たちが福音にふれることが出来ますように。坂本師も部分的に参加・お手伝いさせてもらう予定です。
2. ロッブリーでの語学研修後の派遣先のためにお祈りください。幾つかの地域の働きを実際に見学する予定です。神様の御声をよく聞くことができますように。
「熱心に学んでいます」
日本 木下理恵子
暖かくなったり寒くなったり、確かに春は近づいているのですが、体には堪える方もおられる事でしょう。主の守りをお祈りします。いつも皆様のお祈り、ご献金をどうもありがとうございます。
中国人たちとの弟子訓練も、みんな熱心に学んでいます。「日本人の夫と結婚して、この人こんなにお酒を飲み、パチンコに行ったら帰ってこないのにびっくりした。いつもすごい酔って帰ってきて、吐いたり何だり大変。アル中じゃないかと思った。夜、あんまり帰ってこないから、ケータイに電話したら、私だとわかって何にも言わずに電話を切られた。すごい腹が立った。それからイエス様信じた。ある日聖書を読んでたら、求めよ、さらば与えられんってあったから、それから夫には何も言わずに、お祈りだけする事にした。不思議だよね。それから段々早く帰ってくるようになった。もうずっとお酒はほとんど飲んでない。パチンコも休みの日にたまに行くぐらい。ケータイに電話もしなかったし、本人には一言も言わなかったのに。やっぱりお祈りなんだよね。お祈りはすごい。」
もう一人の姉妹は「同僚を今度の中国語集会に誘ったの。来るはずだったんだけど、直前に他の用事が入ったから来られないって言うんだよ」と不満そうな声。でも彼女が友達を集会に誘った事が大きな一歩。皆様のお祈り、どうもありがとうございます。
昨年、クリスマス集会の直前に、転勤で岐阜県に引っ越した求道者の中国人青年。初めての東京出張、日帰りで帰れたのに、自費で漫画カフェに泊まり、日曜礼拝に来てくれました。一緒に祈った後、素敵な笑顔で、「またこっちに戻れるといいな」と帰っていきました。
今一人の新しい求道者が与えられています。日本人男性と結婚した中国人女性です。本人も個人的に話し合いたがっています。色々ご事情がありますが、主が導き、最善の時にお会いでき、救いへと導かれるよう、また私にも主よりの判断力が与えられるようお祈り下さい。
最近は、会社に中国人がいる、時々中国に仕事で行く、中国語に興味がある、習っていると言うような日本人も中国語集会に来られるようになりました。こうした日本人からも救われる人が起こされるように祈らされます。共にお祈り頂けると感謝です。
【祈りの課題】
1. 中国人弟子訓練でみんな熱心に学んでいて感謝。ヘルパー資格に向けて勉強を始めた姉妹もいます。続けて参加できるように。更に良い学びができ、キリストの弟子として成長していけるように。
2. 新しく集会に来始めた求道者を感謝。救われるように。木下師にも導く上で知恵が与えられるように。また中国人、中国語に興味のある日本人からも救われる人が起こされるように。
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