2011年2月号
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「ひとりよがりではなく」
神が命じておられる宣教の中心として、新たなコミュニティを築くということがあります。エペソ人への手紙にも示されているように、教会は多民族によって成るコミュニティです。これは将来に向けての神による先駆的なプロジェクトといえます。つまりキリストにあって和解したコミュニティであって、この和解はやがて全宇宙が経験することなのです。
しかし、私達は教会についてあまり積極的な見方をしていないのではないでしょうか?地元教会のコミュニティの一部になることは時として難しいことかもしれません。しかしそれはクリスチャンとして成長し成熟するために欠かせないことなのです。
教会員になることについて特によい点の一つとして、そこに属することによって私達は謙遜にさせられる、ということがあります。C.Sルイスの以下のような経験にうなずける方々は多いのではないでしょうか。
「クリスチャンになった当初、私は自分だけで信仰者としてやっていけると思っていました。部屋にこもって神学書を読めば、教会に行く必要などないだろうと…。私は教会で歌われている賛美歌が大嫌いでした。私には質の余り良くない歌詞が、それよりさらに質の悪い調子っぱずれなメロディに載っかっているものとしか聞こえなかったのです。
しかし後に教会に集うことに大きな意味があることを知るようになりました。見た目も教育レベルも全く違う人々に出会うにつれ、最初私の中にあったうぬぼれはじょじょに剥がされていきました。賛美歌は、たとえ音楽的には調子っぱずれであったとしても、心をこめて歌われていたことを、そして隣の席でゴム底の靴をキィキィいわせていた老人は、実は素晴らしい神の人であり、私はその靴をみがく資格すらない者であったことを知ったのです。教会は人をひとりよがりなうぬぼれから引き出してくれるのです。」
様々な人々が集っているがゆえに、教会はとてもユニークな存在となります。そしてそれは福音の内に和解し、一つとされ、破壊されてしまった世界に希望をもたらす存在なのです。
ゴム底靴を履いた「聖人」のような存在は、今日の社会でもあちこちに見られます。しかし私たちはそんな人達と一緒に賛美する用意があるでしょうか?
最近、私はカリフォルニア州にある「モザイク」という名の教会のネットワークを知りました。そのホームページにはこのような説明が書かれていました。「私たちはイエス・キリストに従う者たちのコミュニティです。私たちは信仰によって生き、愛によって知られ、希望の声となることを目指しています。モザイクという名はメンバーの多様性、そして壊れて、破片となってしまった人間性、しかし神の御手によって美しい作品となり得る-破片の象徴として名づけられました。私たちはその人が霊的にどのような所を歩んでおられるかにかかわらず、あらゆる人々を歓迎します。モザイクに来て、全ての破片がどのように組み合わされるかを見てください!」
OMFのビジョンは東アジアのあらゆる民族グループにおいて、その地域に根ざした、聖書的な教会活動が起こされることです。私たちは教会がその地域の文化や地域住民自身のものとなることが大切だと考えるので、それは地域にしっかり根ざしたものでなければなりません。外からの教会をアジアの文化に移植し、なかなか地域に根付かない結果になることは望ましくありません。地域文化に属する教会を願っています。
しかしこれは教会があまりに単一気質で他の誰も受け入れられないということではありません!神と罪人の間にキリストがもたらして下さった和解は、全く異なる人々の間にも社会的和解をもたらすものであり、それは地元教会で見られなければならないものなのです。
新約聖書を学ぶ時、初期の教会は私たちが考えるよりもずっと多国籍、多言語であり、しかもこの多様性は偶然というよりもむしろ意図的なものであったことが分かります。様々な文化を内包していたことからすると、ペンテコステは教会に突然与えられた一撃ではなく、聖霊は全ての国民を神の民とする(創世記十二・一〜三、イザヤ書十九・十六〜二五、六〇・一〜十四、エレミヤ十二・十四〜十六参照)という、旧約聖書の時代から既に示されていた方向性に、教会を押し出したのです。
アブラハムが信仰によって見たものは、いまや現実となりました。多様な文化を持つ神の教会です。「多民族、多国籍、多言語という性質を持つキリストの御国を、このような教会以上にはっきりと表わせるものはなかったことでしょう。」
新約聖書の中では、意図的に多様性に富んだコミュニティを生み出そうとしている様を見ることができます。人々は様々な背景から来ていましたが、民族や文化のアイデンティティを越えた、キリストにあっての新たなアイデンティティを与えられたゆえにそれが可能だったのです。(エペソ二・十一〜二二)
教会が福音を具現化するものであるならば、和解のコミュニティでなければなりません。そして感謝なことに私たちが新たな教会が生まれるのを見る時、それはその地域が持つ多様性と同じくらい多様な人々が集える所でなければならないのです。
同じ教会員の持つ何かが自分の勘にさわる…そのような時は必ずあることでしょう。しかし、それを越えたところを見ることができるならば、ケビン・ヴァンフーザーが言うように「教会は単に回心した人々のコミュニティではなく、(互いの間の壁を)破壊するコミュニティである」ことがわかるのかもしれません。
私たちには常にその時代の風潮に対峙する何かがなければなりません。周辺社会に見られる分派や態度に対し、疑問を投げかける「生きたクエスチョン・マーク」でなければいけないのです。
ジョン・ポールトンは初代教会が当時の社会にもたらした影響についてこのように記しています。「主人が奴隷をわが兄弟と呼び、奴隷が動物扱いされる非道さを多くの人々が意識するようになると、何かが廃止されなければならなかった。時間はかかったがやがて奴隷制が終わりを告げた。それまでの間、神の民は社会に対してクエスチョン・マークを発信し続ける存在であり続けた。彼らはその当時の社会システムの中にあって、従来なかった人間関係を持ち得る人々だったからである。」
皆さんの教会は地域社会に対して、どのようなクエスチョン・マークを示す存在でしょうか?
「クリスマス・プレゼント」
タイ 坂本朋子
新しい年を迎え、皆さまいかがお過ごしでしょうか?いつもお祈りを感謝いたします。
クリスマスのイルミネーションは、日本ではすっかり冬の風物詩になりましたが、最近タイのクリスマスも年々派手さを増し、街のあちらこちらで大小のクリスマスツリーや派手な電飾のイルミネーションを見かけるようになりました。ランパーンでもクリスマス前後から市庁前の公園が色とりどりの電飾で飾られ、クリスマスイブの夜は人ごみでごった返していました。しかしこの中の一体何人の人が本当のクリスマスの意味を知っているか、または知りたいと思っているのかな…と人ごみの中で考えていました。
十二月の初めに南アフリカから短期宣教チームがやってきました。ちょうどクリスマスの時期ということもあり、彼らと共同で様々なクリスマスのアウトリーチ・プログラムを行いました。ライトハウスのいつものプログラムの他にも、盲人学校や地元の大学など、普段なかなか足を運ぶことの出来ない場所にも出向いていき、それぞれの場所でクリスマスの本当の意味を分かち合う機会が与えられました。ある程度予想はしていましたが、クリスマスがイエス・キリストの誕生を祝う時だということを知っている人が本当に少ないことを改めて知らされました。タイだけでなく、世界中どこでも子どもたちが楽しみにしているのはクリスマス・プレゼントですが、この機会にイエス・キリストご自身が神様からの私たちへの最高の贈り物であることを子どもたちに伝えました。
クリスマス・プレゼントと言えば、私のランゲージヘルパーであるゲーさんに「もしイエス様にクリスマス・プレゼントを贈るとしたら何を贈る?」と質問されました。多くのタイ人と同様にフェイスブック(インターネット上のネットワーキング・サービス)にすっかりはまっている彼女ですが、こんな質問をフェイスブックの中に見つけたそうです。しばらく考えた後で私は「何もあげられない。だってどんな素晴らしいプレゼントも、イエス様が私にしてくれたことに見合うような物は存在しないから」と答えました。 こんな会話から話はどんどん深みにはまっていき、原罪の話からなぜキリストが十字架で死ななければいけなかったのかを、たどたどしいタイ語で無我夢中で説明しました。そんな私のつたない説明でも一生懸命聞いてくれたゲーさん。私の無力さにも関わらず、聖霊は確かに彼女の心に働き続けてくださっています。 ランパーンにやってきてから神様が私にくださった素敵なプレゼントは沢山ありますが、ゲーさんのような真理を求めているタイの友人との出会いこそ、私にとっては素晴らしいクリスマス・プレゼントです。
【祈りの課題】
1. 「ライトハウス」につながっているタイ人個人にとどまらず、一人ひとりの家族とのつながりが与えられ、信頼関係を築くことができますようにお祈りください。
2. ランパーンには福音主義キリスト教の宣教師(私たち)以外に、キリスト教系カルト団体の外国人宣教師が活動しています。地域の人々が異端の教えに惑わされることのないようにお祈りください。
「やっぱり、祈りは答えられる」
日本 木下理恵子
皆様、台湾人楊先生を迎えての、クリスマス集会のためのお祈りをどうもありがとうございました。多くの祝福を見せて頂きました。若い方々も含め、五人の求道者が来ました。その内、いとこに連れられて初めて集会に来た中国人女性が主を受け入れました。最後は二人ずつ、なるべくよく知らない人と組になり、お互いのために祈り合いました。「自分の必要だった、祈って欲しかったことを全部祈ってくれた」など、感動の証が幾つもありました。
集会中、音響の困難がある中、求道者のお兄さんを連れて来た日本人兄弟が素早く対応して下さり助かりました。そしてその兄弟の感想。「歌詞の意味は全く分からなかったのですが、皆さんが賛美している姿と声と空間にとても感激し、涙が出てきました。僕は主の栄光、臨在を見、皆さんと主が共におられるのを見ました。」嬉しい驚きでした。確かに主は共にいて下さったのです。お祈りどうもありがとうございました。
楊師の千葉地区での二つの集会も祝福されました。仕事を休んで求道者を連れてきたり、自分の店を早めに閉めてきたり、みんなが霊的に求め期待して来ました。楊先生もそれに応え、みっちり四時間の集会。そこで、初めて教会に来た男性が主を受け入れました。「重荷がなくなった気がする」と喜んだそうです。
千葉旭での集会でも求道者の方も来られ、クリスチャンも主からの語りかけを聞き信仰が励まされたそうです。皆様のお祈り、本当に感謝です。
更にもう一つ、嬉しい祈りの答えです。去年夏、台湾・韓国・日本の青年大会に来た、クリスチャン社長を目指していた台湾の兄弟です。彼は日本での短期宣教の経験を通して神様の召しに応え、伝道者になる決意をし、今年神学校に行くそうです。
祈りは答えられる。これからも皆様のお祈りに答えられる主を共に喜び、感謝し賛美できればと思います。
【祈りの課題】
1. クリスマス集会の多くの祝福を感謝。中国人たちが主の語りかけに更に応えていけるように、成長していけるように。
2. 去年日本での青年大会に来た台湾人青年、神様の召しに応え、伝道者になる決意をし、今年神学校に行きます。将来の奉仕のため良き準備、学びが出来るように。
「世界各地のネットワーク」
日本 ディアスポラ伝道 横山好江
祈りの友の皆様も、大雪や寒波の被害に遭われたり、冬特有の病や痛みを患ったりしておられないでしょうか。皆様のお祈りに支えられつつ、私も祈らせていただいています。草花も鳥も、寒さの中で励んでいる姿を見て、着ぶくれした私も元気をいただく日々です。
毎年一二月に入って最初のクリスマス会が在欧日本人宣教会主催の帰国者クリスマスです。今回も四日(土)に行なわれ、ロンドンJCF(日本語教会)で受洗された青年からお証し、ならびに留学の目的であったクラシック・ギターの美しい演奏をいただきました。会場は永福南キリスト教会の新会堂。そこで牧会しておられる竹内師ご夫妻は在欧日本人宣教会設立以来、共に働きを担って下さいましたので、感慨ひとしおでした。お祈り感謝します。
二五日(土)には、これも毎年恒例わが家の帰国者クリスマス・ディナーに、イギリスからの帰国者青年達をお招きし、主の恵み溢れるひと時が与えられました。「イギリスに行かなければクリスチャンにならなかった」という証しを二名の方から伺うことができ、御名を崇めました。
先月号に続いて、在外邦人伝道に関わる働き人のネットワークについてご報告させていただきます。昨年二月に第一回アジア宣教フォーラムが香港で開催されました。シンガポール、台湾、中国、韓国、インドネシア、フィリピン、そして日本から働き人と信徒が集められ、それぞれの上に成されている主の御業に感謝と賛美を捧げ、励まされ、ビジョンを語りあいました。この報告が機関誌「アジア宣教フォーラム第一号」として六月に発行されました(ご希望の方は私までご連絡下さい)。そして今年一月三一日〜二月二日には第一回アジア日本語教会ファミリーキャンプがバリ島(インドネシア)で行なわれます。ここから豊かな結実が与えられますように、お祈りいただけると幸いです。
【祈りの課題】
1. 2月24日〜3月3日と、ディアスポラ伝道部リーダー会議および訓練会がイギリスで行なわれます。ケンプ部長のもと、新体制になって2度目になります。好江師の旅が守られ、御心に沿って仕えることができるように。
2. ディアスポラ伝道部リーダー会議および訓練会に続いて、3月4〜6日と、毎年恒例のイギリスOMF宣教大会が、ディアスポラ伝道をテーマに開かれます。参加者が在英外国人に福音を伝える器となるため、働き人が起こされるため、奉仕するリーダー・チームの準備が祝されるようお祈り下さい。
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