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2011年3月号  page1  page2


「第五期へ」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

インフルエンザでキャンセルのお願い  一月末の九州。雪が舞っていました。三十数年ぶりの寒波とのこと。カゼをひき喘息が出た主人が伏せて、私が礼拝説教原稿を代読するというハプニングもありました。
 今回の報告の旅では、巡回した各地方で一箇所に留まり、そこから諸教会へ報告に出かけるという、私達にとって行動し易い宿泊所が用意されていました。巡回伝道者や講師のためのそのような施設を備え、また帰国宣教師の訪問を教会の奉仕の一環と位置づけ、配慮してくださり、ありがとうございました。
 第五期はどのような出会いがあるのか、また、神様がどのような業をされるのかを楽しみにしています。第五期もお祈りを宜しくお願いいたします。(たまみ)
たまみ師が代行をした大分恵みキリスト教会のみなさん  宣教第五期の働きは、引き続き二〇〇七年に翻訳が完成した聖書をミェン族の間に普及させることです。「聞く」「読む」「語る」「学ぶ」「教える」方面から取り組みます。
 (1)「聞く」は聖書六十六巻全ての朗読をデジタル化すること。これはアメリカのミェン族教会と協力で四〜五年かかると思います。(2)「読む」と「語る」は第四期に土台を据えた、母語からはじめる多言語教育をミェン族社会に浸透させることによって行います。政府や学術団体との関わりも増えると考えられます。また博士号取得計画や『ミェン語-タイ語』辞書作りもこの分野に属します。(3)「学ぶ」と「教える」について。これは聖書教材作成のための人材と説教者育成を含みますが、(2)に重点を置いた余力で行うことになると思います。
 荷解きと生活環境整理をしながら、まず第一の奉仕は三月二十九日〜三十一日のミェン族聖会があります。イエス様の初臨に基づき再臨に備えて生きるというテーマです。祈り深く良い準備と奉仕ができるようにお祈りください。(達朗)


「人の思いと神様の御心」
日本 佐味湖幸

Iさん(向かって左)と二条城の前で  「え〜っ、十二月に東北に行くの?絶対、無理!どこか他の所にしてもらったら?」と、散々反対した私。しかし彼女は行った。真冬の本州最北の地に!
 その彼女とは、宣教師志望のインドネシア人の女性Iさん。クリスマスから新年の休暇を利用して、一カ月短期宣教のために来日。Iさんと最初に出会ったのは昨年八月、マレーシアでの宣教大会。その時は赤道直下に住んでいる人が冬の東北に行くなんてそんな無茶なと思った。
 しかし、Iさんは私の心配をよそにその短期宣教を無事終え、関空から帰国するというので、大阪在住の私は彼女と会って京都見物に連れて行くことになった。成人式のため、着物を着た女性があちこちに。時折、雪がちらついて、二条城や祇園はなかなか風情があった。
 「それで、冬の東北での短期宣教どうだったの?雪、大丈夫だった?」と、心配そうに尋ねる私に、彼女は日本の田舎伝道の必要を切々と訴え、出会った人々や出来事を熱く話してくれた。「なぜ、日本宣教に重荷を持ったの?」と質問すると、神学校の授業で世界で最も宣教の遅れている日本(信教の自由があるにもかかわらず!)のことを聞かされ、心が動かされたと。そして、神様が許されるなら宣教師として日本に来て、その東北の田舎で伝道したいとさらに熱く、そして嬉しそうに語ってくれた。
 本国では大都市でコンピューターを教え、経済的に恵まれ、何不自由なく暮らしている彼女。常夏の国から冬の厳しい北国に。何でも手に入る環境から、なにもない片田舎に。それも日本人の私でも理解するのが難しい方言の地での伝道は、人間的に考えるならかなり難しい。しかし、それが神様の御心なら将来道が開かれ、不思議な形で彼女は主の証人として用いられることだろう。


「昨年の祈りの結果」
カンボジア 今村裕三、ひとみ

「平和の橋」の学びでロールプレイをする参加者  今年も新年を迎えるにあたり昨年の祈祷課題を振り返ってみました。十二ヶ月全部で二十四の祈祷課題を再び載せることは紙面の関係上できませんが、半分はカンボジア教会交友会のため。そして、特に関わりを持っているクラチェ教会とポチェントン教会のため。そして残りは私たちの宣教地での訓練のため、夫婦の成熟のために祈っていただきました。
 その結果‥‥カンボジア教会交友会の働きは、各教会のリーダーが協力して、牧会に役立つ「平和の橋」というプログラムの中で「聴く」ということについて学んでいます。今年は八回シリーズの残りの五回をすることになっています。また、昨年からは地方の教会に出向いて行って、修養会を開くことも始めました。OMFとの関係においては、昨年宣教協力連絡協議会を立ち上げることができました。適切な時に、相応しい形で現地の教会リーダーに宣教を担う主人公になっていただくように道備えをしています。この道は整備されていない所を神様に導いていただきながら、道を切り開いていく作業ですので、皆さまのお祈りがなければ、歩むべき道を誤ってしまいます。引き続きお祈り下さい。
 夫婦の成熟はまさにいろいろな意味で「フーフー」言っている時もありますが、神様の憐れみによって守られています。私が書くのもなんですが、二人とも忍耐をしつつ神様のご介在を感謝しているといった感じではないでしょうか?神様が一つにしてくださった「もう半分の私」を神様の御心に沿って愛していけますように、お祈り下されば幸いです。(裕三)
 一月のカンボジア教会交友会の訓練会での出来事です。主題は引き続き「聴く事」でした。相手の感情に飲み込まれず、また相手を支配・指導・批判しないことの大切さなどを学びました。参加者は九名と少なかったのですが、学びは深かったようです。
 この訓練会は四回目で、私はだいたい毎回食事を作ることを手伝い、合間にみんなの状況を知るようにしていました。今回は予算の関係もあり料理人は一人で、私が手伝わないと料理が間に合いそうにありません。料理人の女性は教会員で私もよく知っている人です。しかし、人手・予算も減り、思うように料理が出来ない事にあせった彼女は「ひとみ!もっと手を早く動かす!」など不機嫌そうでした。私は彼女の家族背景も人柄もよく知っているので、怒られても気にならなかったのですが、参加者はその怒鳴り声を聞いていたようです。
 訓練会の講義はかなり集中しないといけないので、大抵休み時間は、参加者はぐったりしていることが多く、中には「おやつがまずい」など文句を言う人も過去にはありました。しかし今回は、参加者は休み時間にさっと料理や皿洗いを手伝い、気を利かせておやつを取っておいてくれ、料理人の彼女に優しく声をかけ、こっそり私に「大丈夫か?」と聞いてくれたりもしました。
 私は肉体的には疲れましたが、心はとても満たされて嬉しかったです。彼らの学びが更に彼らの教会、そして社会の中でキリストの香りを放つために生かされるようにお祈りください。(ひとみ)


「アジアと日本の派遣国委員会」
日本 菅家庄一郎、容子

OMF日本委員会の先生方と共に  OMF日本委員会では、通常一月末と九月末の年二回、すべての委員が集まり祈り、各議題について話し合います。今年も一月三十一日と二月一日に委員の先生方が日本の各地から忙しいスケジュールの合間を縫って集合してくださいました。先生方を派遣して下さっている諸教会の皆様に心より感謝申し上げます。
 会議は礼拝をもって始めます。また、会議の途中には祈りの時をできるだけもちます。静かな先生を無視しないように、にぎやかな先生の時間制限をしながら会議を進めます。
 また、意見が合わない議題に関しては一致するまで御心を祈り求めていきます。会議が終わると決められたことを実行に移すことが求められます。
 このようなOMF派遣国委員会がアジア各地にあり、その代表が集まる会議が一月十七日〜二十一日までマレーシア・カメロン高原で開かれ各派遣国の様子を聞きました。シンガポールからは七十四人ものワーカーが派遣されています。フィリピンでは、国内の異文化宣教師を多く派遣するようになりました。台湾で二十年以上奉仕されている林師は後継者を連れて来ました。韓国の総主事はかつて北海道で働いておられた金師夫妻です。マレーシアのモン師は病気の体をいたわりつつクリスマスにこの働きのために再献身したと証されました。香港はもっと日本へ宣教師を送りたいと準備しています。タイの総主事はカンボジア時代の私達の同僚ナリン師です。二〇一一年にはタイ国中の千の教会を新しくOMFの宣教に動員したいとビジョンを語ってくれました。アジアの派遣国総主事との交わりと日本委員会の先生方との交わりで励ましを受けた一月でした。(庄一郎)
フロンティア祈り会のメンバーです  昨年夏のタイ短期宣教に参加した吉岡時子さんと、マレーシアで持たれたアジアフロンティアズ宣教大会(AFMC)に参加した諌山由紀子さんが佐味先生の励ましを受け、フェイスブックでコンタクトを持ち、十月から始めた青年たちの祈り会はフロンティア祈り会と名づけられました。有澤先生が言っておられた「祈りこそ宣教の最前線である」ということを覚えての命名です。
 「この大会で宣教最前線に立っている人々の証を聞いていると、迫害、苦難の連続で一体宣教は進んでいるのだろうか、と思うかもしれませんが、実はその戦いまっただ中こそが最前線なのです。」AFMCで今村先生のこの言葉を聞いて由紀子さんは鳥肌が立ったと言います。忙しい生活の中、他のことを脇に置き、宣教のために祈りに集うことそのものも、主の働きの最前線に身を置くことです。特に若者にとっては普通には出てこない選択、決断だと思います。このような思いが与えられ、続けていこうとする彼らの上にある神様の御手を覚え、主を崇めています。祈り会では彼らが自主的にリードをし、賛美を導き、分かち合います。毎回彼女たちの自主性、創造性、柔軟性、吸収力に新鮮な感動を覚えます。若い時に創り主なる神様を覚えることはなんと素晴らしいことでしょうか。私は子供の時、自分の生きたいように生きて、死ぬ間際にイエス様を信じ天国に行けたらラッキーじゃない、と思ったことがありました。けれど今、人生は短く、その短い人生を何に使い、何を残すかはシビアな選択だと感じます。恐れ、欲望に追い立てられ、環境の奴隷として歩むことのなんと多いことか。その中、いつまでも残る富に投資することは全く賢明なことではないでしょうか。神様の御旨を尋ね求め、宣教の働きに祈りをもって参加することは、なんと意義あることではないでしょうか。(容子)


「教えられやすい心」
タイ 坂本朋子


ヨノック大学での料理教室  今年の日本の冬は寒さがかなり厳しいようですが、皆さまお元気でお過ごしでしょうか?私は皆さまのお祈りに支えられ元気に過ごしています。タイではつかの間の「冬」も終わりに近づき、少しずつ気温も上がってきています。ランパーンチームの一月はたとえて言うなら嵐のような月でした。新しい年が明けてまもなく、オーストラリアから六人の大学生が二週間ボランティアでやってきました。オーストラリアからといっても、四人はシンガポール人、二人はマレーシア人のアジア人チームです。今回のチームは皆学生ということで、学生対象のイベントやアウトリーチを三つの大学と一つの職業学校で行いました。私はさすがに世代のギャップを感じつつも、若者たちと楽しく二週間を過ごしました。そして最終日には、ライトハウスで学生パーティーを行うという計画を立てたものの、私たちの心の内では一体何人の学生がやってくるのか‥‥と正直不安でした。結局三〇人近くの学生がやってきて(ほとんどは一つの大学から集団でやって来たのですが)、正直このような結果になったことにびっくりさせられました。圧倒されたのは私だけかと思ったら、学生アウトリーチに一番熱心で張り切っていたヨハナ(六月までの短期ボランティア)さえ、圧倒されていたようでした。沢山の学生が来てくれたという結果自体はもちろん感謝なのですが、この嵐のようなイベントが終わった後、限られた人員でどうやってフォローアップをしたらいいか、チームとしても私個人としても模索している状態です。主の導きを悟りそれに従うことができるようにお祈りください。
学生パーティー、ライトハウスにて  この学生短期宣教チームの一人の姉妹から学んだことがあります。タイに来る短期のボランティアが直面する一つの壁がコミュニケーションだと思います。タイでは(特に地方では)基本的にタイ語しか通じません。ある人は言葉(英語)があまり通じないということでがっくりし、やる気をなくしてしまうのですが、この姉妹はそんなハンデをかえって利用して、キッズクラブに来ている子供たちに色鉛筆を指しながら「この色はタイ語で何?教えて!」と始まったのです-。子供たちはさっそく喜んで彼女のタイ語の先生になって、姉妹は子供たちとすっかり打ち解けてしまいました。言葉がある程度出来るようになった私が忘れかけていた「教えられやすい心」を、若干二〇歳の姉妹は私に思い出させてくれました。そんな矢先、毎週恒例のお寺のキッズクラブで初めて聖書のお話をタイ語ですることになり、「どうしよう、自信ない!」と思っていた時に、この姉妹のことを思い出しました。そして思いついたのです、「そうだ、子供たちに助けてもらおう!」。イエス様の子供時代の話を私がナレーションを読み、ヨセフ、マリヤ、イエス様の部分を子供たちに読んでもらうことにしました。結果子供たちはとても喜んで参加し、ついでに私のタイ語の先生になりきって、私の間違った発音まで直してくれました!

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