2012年6月号
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「シンガポールという国」
シンガポール 佐味湖幸
マーライオン(頭がライオンで体は魚)と高層ビル街。この写真はこの国を象徴しているように思います。オーチャード通りの超モダンなショッピング街と中華街、リトルインディアにアラブストリートなどエスニックな街並みが交錯し、色んな人種、宗教、文化背景の人々が行き交うユニークな都市国家、それがシンガポールです。東京二十三区より少し大きい面積(七百七平方キロメートル)の所に、人口はその半分(四百八十万人弱)くらい。都市ですが街並みはゆとりがあり、その緑の多さに驚かされます。ここは昔間違いなく熱帯雨林のジャングルだったであろうことを偲ばせる自然保護区という大きな地域があって、木々や湖などが上手に保護されています。しかし蚊や蛇はいません(たぶん?)。この国は全てのことにおいて清潔でよく整備され管理されていて、大変失礼ではありますが、私が十三年間過ごしたフィリピンとは大きく違います。
ここでの生活が一か月を過ぎました。銀行に口座を開き、携帯を持ち、一人でも問題なく(?)、バスであちらこちら動けるようになって、観光客ではなく、この国の住民になってきた感じです。
あとは早口でまくしたてられるシングリッシュと呼ばれるシンガポール風の英語(と言っても、時々中国語やマレー語が混じり、語尾に「ラ」がつく)に耳が慣れれば、なんとかここで生きていけそうな気になってきました。皆様のお祈りを心から感謝します。国際本部での生活、仕事にも少しずつ慣れてきたと思います。こちらでの働きについては、また次号でお分かちさせていただきます。
【祈りの課題】
1.一年中、温度と湿度が高いシンガポールの気候(しかし、お店やオフィスは冷房が効きすぎて寒い)に体が慣れ、健康に過ごせますように。
2.国際本部宣教啓発・動員部門の仕事をよく理解し、世界に散らばる同労者たちとよいコミュニケーションと信頼関係をもって奉仕できますように。
「協力する宣教」
カンボジア 今村裕三、ひとみ
ストゥン・トラエンの州都にはいくつか教会があります。私たちはこれまで一つの教会に出席していました。それはその教会が超教派のNGOの働きによって建てられた教会で、すでに現地のリーダーが育っており、福音的な信仰を持っているからです。「ストゥン・トラエン州のすべての村に教会を」を一つの目標に祈りつつ過ごしていますが、未伝の地の多くは町から離れた村々です。村々に自立した教会を建て上げるには、どうしても町に核となる教会が必要になります。貧しいストゥン・トラエン州でも、町と村の生活レベルや教育レベルはかなり違います。私たちの働きは教派の教会を建てることではないので、この州都にある教会と宣教協力関係を築きつつ、村々に宣教することが第一の目標でした。先月、州都の西側にあるタラ-区での宣教協力関係が正式に合意に至りました。州都の教会はタラ-区まで出掛けていって、励まし、リーダーを育成する人材がいないということで、私たちがその任を負うことになりました。昨年十一月号のニュースにタラ-区の家族の写真が載っています。
カンボジアの多くの場所には、すでに現地のクリスチャンがいるので、彼らを励ましつつ、宣教に関わっていくことが今の宣教師に求められていることの一つだと思っています。宣教協力が難しいこの国で、地方教会とよい交わりを築きつつ、伝道だけでなくリーダーの育成をしていくことが出来ますようにお祈りください。私たちの祈りはさらにタラ-区の未伝の地域に彼らと共に出掛けていくことです。 (裕三)
カンボジアの酷暑は四月。家の中は三十六度、家の外は四十度を優に超え、日陰でも熱風が身体の中にこもります。やっと待望の休暇に入った二日目に大家さんから連絡があり、嵐が来て屋根が壊れ家の中に水が入ったとのこと。八時間以上の道程を家に帰ると、休暇は半分になるので、心の一部を家のことを考えながら休暇を過ごしました。そして休暇を終え帰ってきたカンボジアは暑く、たくさんの埃・ゴミがあり、すでに八年住んだとはいえ、気持ちの良いものではありません。(家は修理済みでした。感謝。)
しかし今回、休暇中に日本人の方にポル・ポト時代の友人の手記を紹介する機会が与えられ、ポル・ポト時代のことを思う時に私の気持ちが変えられました。人々が笑い、子どもが泣き、こんな当たり前のことが許されなかった時代があった。しかし今は自由にある、そう思うと暑さや汚さを嘆く気持ちが減りました。利便性・清潔など沢山の物が無いカンボジアですが、過去に失ったものが今ある喜びを友と一緒に味わうことは、沢山持っている事よりも楽しい事だなと感じます。
新しい地で、また沢山の友だちが与えられつつあります。教会を建て上げると言う目標も大切ですが、目の前にある一人一人の話しに耳を傾け、関係を大切に築いていけるようにお祈り下さい。(ひとみ)
【祈りの課題】
1.タラ-区での働きのために。メコン河をボートで渡っていきます。交通が守られますように。
2.続けてクラチェ教会の病のなかにいる兄姉(ヒム姉、ソル姉、メカラー姉、ディビア姉、セイハー師)のためにお祈りください。
「イエス様についていこう」
日本 西村信恵
四月はあっという間に過ぎていきました。振り返ると、シンガポールでのこれからの働きについての修養会にはじまり、その後東京で姉家族とイースターを迎え、続く日曜日に母教会深川キリスト教会での壮行会、そして福岡への引っ越しと、目まぐるしくいろいろなことがありましたが、神様はその一つ一つを守り祝福してくださいました。
私はこれから短期宣教師を送り出すお手伝いや、宣教に興味のある方々のお世話をさせていただくことになるのですが、シンガポールではいろいろな国でこの働きをしておられる方々と出会い、多くの励ましを受けました。七十代の婦人が神様からビジョンをいただき、短期宣教師として送り出され、帰国してからもその国についての祈り会を始めたり、近所の人を招いてその国のお食事会をし、その国の必要を語ったりという働きをされていったという話を聞いた時も、行こうと思ったその婦人も、その婦人を送り出した側の方々も、素晴らしいなと思いました。神様にある信仰と祈りの中での導きの確信がないとできないことです。また、どんな人でもクリスチャン一人一人、いろいろな形で宣教に携わることができるということも思いました。カンボジアで同僚だった方々ともそこで会うことができ、しばしカンボジアに思いを馳せ、思い出を語り合う時も与えられ、それぞれが遣わされたところで忠実に神様に仕えていることを知って、またそれも励ましとなりました。私も今回この働きに遣わされたのですが、私たちのゴールは天国にあり、この地上では旅人だということもまた改めて思わされた時でもありました。
派遣式では教会学校の子供たちが「イエス様についていこう。どこまでも、どこまでも」と賛美してくれました。療養期間中、この子供たちを教えることができたことも幸いの一つで、神様のことを吸収し、少しずつ成長していく姿を見ることができる嬉しさと、神様にあって人が成長していくことの大切さを教えてくれました。
福岡ではまず、人口の多さに驚き(私のいる南区だけで二十二万人、人口五万の小さい町から来た私にとっては驚きです)、いつ行ってもバスが走り、線路で長い間待つということにカルチャーショックを受けています。すでに何人かの宣教に興味のある方とのコンタクトもあり、これからどんな歩みが待っているのか楽しみにしつつ、お祈りしているところです。皆様のお祈りも心から感謝いたします。
【祈りの課題】
1.祈りの中で、働きをどのように進めていったらよいか具体的に示されますように。
2.自分の体調を上手にコントロールしながら働きを進めていくことができますように。
「主に従い続けること」
日本 菅家庄一郎、容子
三月二十六日から四月二日まで、シンガポール国際本部で開かれた会議に出席してきました。この会議では、どのように宣教師候補者を訓練するか、短期宣教プログラムを意味あるものにできるか、宣教啓発動員をどのように進めていくべきか、などの事柄について話し合いました。
ホームページやフェイスブックに頼りすぎて、実際に会うことがないと候補者との人間関係は築けないこと、宣教師の働きを生涯かけてするつもりはなく、人生の一時期の働きという考え方をする人が多くなっていること、南米のある国では八千人の宣教師を派遣して七十五パーセントが第一期のうちに帰国してしまったという実例があること。(宣教の情熱があっても、宣教師の訓練や準備が充分でないと失敗する。)一九一九年の時点ではCIM(OMFの前身)宣教師の平均的な働く年数は三十三年だったが、一九九〇年には十八年となっていること、など知らされました。
同時に、OMF宣教師の数が増加していること、北欧、東欧、南米、アフリカからOMFに入る宣教師が少しずつ与えられていること、ITの発達により、宣教の自由のない国で働くワーカーとのコミュニケーションがとりやすくなったことなど、多くの恵みがあることも感じました。
この時代にあって、どうしたら日本人宣教師が長く働くことができるか考えさせられつつ帰国しました。日本の牧師にも同じような傾向(長く牧師として働くことが難しい)があるようです。共に励まし合い、支え合いながら、長く主と人々に仕えていくために何が必要でしょうか。(庄一郎)
三月末、カンボジアで子供たちが勉強を見てもらったあきこさんがイギリスからご主人のアントニー兄と共に来てくださった。アントニー兄はシェフ、あきこさんは小学校の先生のアシスタントをしながら、日曜日には教会で奉仕し、また二人で弟子訓練のグループをリードしている。具体的に神様に仕える次のステップを祈りつつ主を仰いでいる。違いを受け入れ合い、向き合う努力をしながら、共に主に従っておられるお二人を見て、なんとも清々しく嬉しく思った。
四月には同じく教育宣教師で来てくださった岡崎るつ記さんが訪ねてくださった。三年間横浜で保育の仕事をした後、こちらも神様に従う次の一歩を歩み出そうとしている。曰く「イエス様と一緒に歩む人生の方が絶対素晴らしい。十年後、二十年後の神様との関係が楽しみです。」
四月には、別れもあった。九十五歳になる母方の祖母を天に送った。秋田の熱心な仏教の家で最初に信仰が与えられた私の母。神様が母のためになして下さった不思議を通して、祖母もまた神様に捕えられた。以後朝毎に聖書を読み、みことば聴従に生きた。二十年以上前に秋田を訪ねた時、祖母は私に直筆の遺書を見せてくれた。達筆な毛筆ではっきりと信仰告白と、教会での葬儀、教会墓地への埋葬を望む、とあった。「おらが終わる時、おらが欲しいのは神様の平安だけだから。」そう言っていた祖母の願いを主は聞いて下さった。神様はお任せしたものをちゃんと守ってくださることを再び見せて頂いた。わたしを信ぜよ。任せよ。わたしに聞き従え。神様の語りかけが胸に響く。皆様のお祈りを心から感謝しつつ。(容子)
【祈りの課題】
1.宣教の自由のない国で働くA師が教会訪問をしています。医師として学会に参加したりしながらの訪問です。健康が支えられ、よい宣教報告の時となりますように。
2.何人か男性の方から宣教師になりたいと連絡を頂いています。主の導きが一歩一歩明らかにされていきますように。
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