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2013年5月号  page1  page2


「つながるカンボジアと日本」
日 本 菅家庄一郎、容子

カンボジアFESの祈祷会にて  三月は大きな二つの経験がありました。皆様のお祈りを心から感謝し、ご報告いたします。
 第二週、KGKの全国集会。私にとっては実に二十二年ぶりの参加でした。会場についた初日から、あら、OO君の息子さん!OOさんの御嬢さん!とかつてのKGKの仲間たちのお子さん方に次々に出会い、年を実感すると共に、信仰の継承がなされているのを見て、主に感謝しました。「わたしは神、あなたの神」というテーマのもと、礼拝について考えました。準備の段階から講師一同が集まり、それぞれの準備している内容を分かち合い祈っていて、集会が進むたび、たすきがつながるような思いでした。また、準備にあたった学生たちの主体性、組織力に驚きました。準備委員長曰く、「信頼しているので任せたら安心していられる。」新しい世代を主が育てておられるのを見て御名を崇めました。ハイテクを使いこなし、皆で作り上げる力を持っている世代だと思いました。最後は皆で心を一つに、私たちをあきらめない神様の真実の前に謙り、賛美し、礼拝へと導かれました。それぞれが遣わされている家庭、学内、社会で真の神の礼拝者として生きるよう、大きな励ましとチャレンジを受けました。
 二つ目は私たちの派遣教会、名古屋一麦教会の青年たちと共にカンボジアに宣教体験旅行に行ったことです。古田牧師は九年前、カンボジアの私たちの所に一か月滞在され、教会で出会った青年たちと深い友情を結びました。今回はその絆が強められる時でもありました。
 六年ぶりのプノンペンは経済成長の最中、町のあちこちが建築ラッシュで交通渋滞は以前の比ではありません。久しぶりの暑さは堪えましたが、懐かしいカンボジアの友人たちとの再会は素晴らしかったです。カンボジアの学生たちの祈り会に参加でき、学生伝道の働きが進んでいるのを見て本当に励まされました。メコン河の中洲の島に住む親しい友人が教会を始めた証を聞き共に祈れたこと、「礎の石孤児院」を訪問し、芽生や結のお友達の成長を見れたこと、そして同行した青年たちの顔が日に日に和らぎ、輝いていく様を通して、神様がこの旅をどんなに祝福してくださったかを実感しました。芽生も一緒に参加でき感謝でした。本当にお祈りをありがとうございました。(容子)
 三月末にOCF(留学生会)で奉仕しました。受難節ということもありキリストの十字架の意味について語りました。六年間日本で学び、就職したカンボジア人のセーン君が帰国直前でしたが来てくれました。
 新聞配達をしながら大学で学び、よい就職先が与えられ、これからプノンペンで同じ会社のカンボジア支部で働くことになります。
 プノンペンで彼と知り合いましたが、日本に私達が戻ってからはあまり頻繁に会うことはできませんでした。しかし、マクドナルドや喫茶店で会い、聖書を開いて霊的なことについて話してきました。彼が日本で学んだことを生かしてよい仕事ができますように、また、神様と福音に対して心が開かれて行きますようお祈りください。(庄一郎)

【祈りの課題】
1.5月6日にJパッションという超教派の若者向けの集会が開かれます。そこで海外宣教についての分科会が開かれOMFも参加します。海外宣教へのチャレンジが若者たちに与えられますように。
2.5月12日は容子師が蒲田シオンキリスト教会の母の日礼拝で奉仕をします。よい準備ができますように。


「「自制」という御霊の実」
日 本 ディアスポラ伝道 横山好江

リーダー会議が行われたケンプ師新居前で  イギリスで行なわれたディアスポラ伝道部訓練会は、異文化の紛争(対立)解決がテーマでした。参加者と講師を合わせて九名のうち、西洋人五名、東アジア人四名。後者のうち私を除いて三名は中国系の男子。意見の違いや対立をどのように解決していくかを学ぶ中で、具体例が挙がりますが、中国系の男性方はよく政治の話になり、それぞれ意見が違っていて論争になりそうだったことが何回かありました。
 今回特に印象的だったのは、エモーショナル・インテリジェンス(EI)=「心の知能指数」です。前にも学んだのですが、さらに深く適用するという意味で心に残りました。その定義は「自己や他者の感情を知覚し、また自分の感情をコントロールする知能」と検索サイトにありました。人間は理性と意志で決断しているように見えるが、実際はかなり感情に左右されることが多い、ということです。この定義にあるようなことが出来るようになったらコミュニケーションはかなりスムースになることでしょう。
 次の週に行なわれたリーダー会議でも、EIがどんなに大切かを思わされました。重要案件を国際本部のリーダー達や、他部署の方達や、ディアスポラ伝道部の働き人達と協議し検討します。意見を交わしていく時に、否定的な感情が自分の中に起こることを察知する、また相手が意見を述べる中で感じ取る。それをどうコントロールするか、そしてどのように建徳的に表現していくか。この切り口で観察すると「この人はEIに秀でている」と見えてきます。会議の場にいた五人の感情も、その場その場で動きます。自分自身についても意外と分かっていないし、コントロールできていないことを知らされ、良い模範に倣いつつ、「自制」という御霊の実を結ばせていただきたいと願うことです。
メテカフ師夫妻と  会議が終わってすぐに電車でロンドンに移動し、ロンドン日本語教会(JCF)のヤング師のところへ。翌日は車で東に二時間の地で家庭集会。夜はSさんのお別れ会に行きました。場所はロンドン南部のメテカフ師の母教会。この教会が行なっているコーヒー・ショップにSさんが立ち寄ったのが最初のきっかけでした。次に行った時にはコーヒー・ショップはお休みで、教会で集会が行われていました。案内係の姉妹は日本人のSさんをメテカフ師に紹介。そこから導かれて彼女は過ぐるクリスマスに受洗しました。このお別れ会はメテカフ師の息子さんが企画して、ウィンブルドン日本語教会と合同で行なわれました。この神の家族がSさんをどんなに愛しているかがよく分かりました。四月に帰国してもきっと主が日本の地で神の家族を用意して下さっていることでしょう。
 忙しいイギリス出張でしたが、背後のお祈りに支えられ細部に至るまで主の導きと守りを経験することができました。心から感謝します。

【祈りの課題】
1.4月のヨーロッパ青年修養会、SLIMコンファレンスの参加者が、それぞれの場所で主の僕としてよく仕えることができますように。
2.毎年恒例ヨーロッパ・キリスト者の集いが7月31日〜8月4日とパリで行なわれます。主催のパリ日本語教会の準備を主が導いて下さるように。


「ミェン族教会番付」
北タイ・ミェン族 有澤達朗、たまみ

新たにミェン文字を読めるようになった人たちが聖会で聖書朗読を披露  三月の全ミェン族教会聖会のためお祈りくださりありがとうございました。各国からの講師を通してタイ以外の国々のミェン族教会の状態が分かりました。聖霊が顕著に働いているのは、最も厳しい迫害を受けている国。そのような環境で、あるミェン教会は千二百人の会員を擁するまでになりました。その国へ今まで主にアメリカのミェン教会が自腹を切って講師を派遣し、牧師訓練を行ってきました。しかし迫害下で成長した教会は、一昨年からアメリカのミェン教会へ年間二千ドル以上の献金を送るほどに成長しています。タイで作ったミェン語賛美歌を、千人以上で歌い礼拝しているビデオを観ることができ感謝しました。
 次に成熟しているのはアメリカのミェン族教会で、毎年タイの聖会へ複数の講師を送ってくれます。またミェン語聖書録音作業を開始し、技術や機材をタイのミェン教会に提供してくれていることは先月号でお知らせしました。今回の聖会へ来た講師の一人はラジオ牧師、また聖書録音事業の責任者でもあり、先月お祈りをお願いした録音機材の不調を解決してくれました。このためのお祈りを感謝します。
 三番目に活気のあるのはタイのお隣の国のミェン教会です。川を渡って聖書を学びに来た人たちが戻って行き伝道・牧会をしています。十八年前にこの働きが始まったとき、その国のミェン族クリスチャンは約七〇人でした。今は千人以上に成長しています。ある村では二〇才の独身女性が七〇人以上の会衆を牧しています。時々当局の取調べや逮捕という事態に直面しますが、着実に伝道が進んでいます。
 四番目に何とかがんばっているのがタイのミェン教会です。約五万人のミェン族のうち、三千人ほどがクリスチャンになったと思われます。その質は様々ですが。
 五番目は約百五十万人のミェン族がいる大国です。クリスチャン・ミェン族はおそらく三百人くらいでしょう。数千箇所のミェンの村々が広範囲に散在するのに対して、実際に動ける働き人の数は七人です。孤独です。様々な困難に直面しています。自由がありません。ミェン族の村に行くのに近い所で四時間バスに乗り山道を四時間歩いて登らなければなりません。外部者が村に住むことはできません。
 タイのミェン族教会のため六十三年が費やされたことを鑑みると、これら五ヵ国で最も期待はずれの国はタイでしょう。確かにタイのミェン教会は聖書とジーザス・ビデオの翻訳をし、ラジオ放送を開始し、献身者を多く生み出してきました。しかしパウロが批判した律法を持っていることを誇るユダヤ人のようになってしまったのではないかと恐れます。国中に便利な物が溢れ始めました。信教の自由も保障されています。神学校も増えました。しかしなぜかひたむきさ、飢え渇き、捨て身の姿勢が、カッコ悪いことと見なされるようになったようです。ほとんどの神学生はノートパソコンかタブレット、もしくは両方を持っています。インターネットが使えない奥地の伝道には行けない人々になってしまいました。どうかタイ・ミェン族教会の霊的刷新のためお祈りください。そして奥地のミェン族伝道のため、日本からも私たちの後継者になる人々が送られて来るように祈ってください。(達朗)
「お爺ちゃんの大学を見たい」と、ミェンの孫たちが来て大学生にミェン語を教えました  懲戒処分の後、皆様のお祈りに支えられて、昨年パヤオ聖書学院に戻ることができたミェン族神学生の「貴(たかし)」君は、今年三月にインターン後の四年目コースを終え無事卒業しました。今年五月から中央タイに隣接するガンペーンペット県にある「サックガーム(美しきチークの木)」という名のミェン族の村へ伝道師として遣わされます。二年前に友人を介して知り合いになったガールフレンドとは、インターネットのチャットと電話での会話と祈りで励まし合い、神様の御心ならば共にミェン族教会に仕えたいと願い始めています。ふさわしい伴侶であるかどうか、導きが明確になりますように、若い二人が最善な結婚へ導かれますようにと心から願い祈ります。(たまみ)

【祈りの課題】
1.かつて有澤家でインターンをしていたミェン族神学生の貴兄が卒業し、5月から村の小さな教会に就任します。神様と教会員の前に謙遜の限りをつくし、困難に耐え、祈り、説教、訪問、伝道に全力を尽くすようにお祈りください。
2.5月29日〜31日、学会に参加しミェン語に関する論文を発表します。地道な働きですが、論文がミェン語の社会的認知につながりますように。また、インドシナ半島の諸民族の動向を客観的に知る機会となるようにお祈りください。

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